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私が生まれ住んでいたのは北陸。
今更、昔を語っても仕方ないと思うけど、余りにも失った自然は大きい。
この時期に渡って来た、雁、鴨、白鳥は飛んで来ない、
もう居なくなって何十年経つだろう。
雁、今ではどこで会えるのだろう。
防風林を切り開き、砂浜を掘って港を作り一変した風景。
その残りの砂の畑にラッキョが植えられて、今の時期、その花が咲き乱れる。
紫の小さな花、香りでなく色彩、
規則正しく植えられたラッキョ、でも花は何もないこの時期に色を添える。
花。
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食の花
咲いても誰も知らない
時雨れて
霰が降って
冷たく寒々としている
こんな砂の上に誰が立つものか
ましてこの花のために誰が訪れるものか
通りすがり
ね・・これ何
そんなところだろう
哀しい食の一輪
小さくてこれって花
そう言われるのが落ち
でも花は咲く
生きるために
存在を知らせるために
子孫を残すため
けなげに咲いて私を見てそう叫んでいる
足を止め
語りかけるのはもう私だけ。
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