一株の薄

ピース

薄芒そろそろ花が咲く芒僅かながら秋を感じる朝夕、日中のは夏模様、秋、微量たりとも感じない気配、お盆が過ぎて秋の気配を感じてもいい頃なのに日中は暑く夏模様が続く、陽の落ちが早くなって......

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薄咲く９月
私がよく訪れる山には芒の群生地はなく数株が至る所でみられる手度、その薄の穂に花をみて思う「もう薄が咲く頃か」そう思い花を眺める。
以前は旅する友人がいてその友人と四季を求めよく旅したけれど今はその友人も遠方に住むようになり疎遠の日々で、いまは細々ひとり歩く山旅で出会う四季の山野草が友人となっている私の生活。
秋を告げる薄の開花に遭遇したのが二週間前のいつもの山歩きの森の外れ、
「薄の咲く秋か・・・」そう呟きながら花をみて汗を拭う残暑の厳しい山歩き。

一株の薄

私は秋の山野草
そう言って穂を伸ばす薄

バラのような色彩もなく
ゆりの香りもない
質素な花

いまは花としての出番もなく
飾られることもなく
野で独り
銀色の波を描く