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朝陽は分厚い鉛色の雪雲に遮られ、日の出を阻止されている。
もうこうなると完全な雪雲の乗っ取り、
雪こそ舞わないけれど冷たい風がやい・・退け・・と催促してくる。
それにしてもこの風は僅かな温もりを容赦なく私から奪っていく、
憎い、嫌な・・・風、
いま、強引に私から唇を奪う。
いい香り
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一株の水仙
たった一人・・・
そんな感じの房咲き水仙
いま冬
寒くて・・
心も沈みがち
手足も冷たく
何かに包まりたくなる
そんな街で見つけた燐寸売りの少女
一株の水仙
小さな一花から
甘い香りが僅かな温もりとなってこぼれる
枯れ野で
一本・・
蝋燭の炎を灯したようにともる
小さな・・
弱々しい一片
いま
・・・
私の街で
小さな一花を咲かせている。
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