雨の一日

昨日の雨が残り、路面が濡れ、少し肌寒くひんやりしている。
その路面に追い打ちをかけるように時雨に近い霧雨がミスト状になって降り注いで、濡れた路面を更に濡らし、暗く寂しくしている。
それでも季節は初夏、空を覆う木の葉の緑を瑞々しく鮮やかに染め、寂しい風景に一石を投じている、降り注ぐ霧雨、細かいミストが身体に纏わりついて体を濡らす。

雨後

この雨が演出する妖艶な彩
清潔感溢れる雨水による濡れが作る
ドラマチックな世界
この美
この時期しか見られない彩

樹木がみせる貴重な一枚のツーショット
彩り
単色ように見えながら
実に奥深い染まり

季の職人が
それぞれの個性を引き出しながら
季の雨水で染める染色の美学
技
彩
見事

鮮やかに染まる樹木の一葉たち
いま一滴の技をこの雨の中に見る。

今日は久しぶりの雨である。
何をしようとか友に会うとか、その予定もなくただぼんやり雨の風景を見る。
時をかけ、無欲になって雨を見ていると、この時期の雨が齎すと言うか演出する樹木とのコラボ企画の美にハットして、新たな感動をもらう私、
いつも忙しいとか、追われるとか、生活とか言って蔑にする日々、毎日を丁寧に一枚ずつめくっていくと命の美しさをこの雨の中に学ぶ。