薮山に見捨てられたように咲く薮ツバキ
桜の影に隠れて、ひっそりと咲く椿人に綺麗・・・素敵、一言言われることなく埋もれ咲く椿薮ツバキ、里ではこの陽気で桜は満開に近いのに、私が歩く山の桜の蕾まだまだ硬い、山の椿...
藪山に見捨てられるように咲く藪椿、
妖艶の花色、椿の赤。
ヤマザクラが散り、ミツバツツジが最後の花色のピークに達し、新芽が芽吹く4月の半ば、
私が歩く小さな沢の両サイドに自生している数十本の椿、いま、踏み込む人が少ないこの谷の椿がピークを迎え、完熟した花を無数に落としている。
無数に散らばりしばらく赤の名残を留める椿、集う人もなく、ひっそり花を付け、落とし、春が終わる藪椿、この花の想い、心中は・・・いつもこの花を見るたびに思う私の想い。
藪椿
春の終盤
朝の陽射しが届かない谷間で出会う
藪椿の赤い一花
妖艶
いや
魅せられ吸い寄せられる女の唇
蕾
恋に目覚めない少女
半開き
恋に喘ぐ一人の女
開く
喜びの悦に陥る一人の女
落下
終わっても冷めず求め足りない熟女
終焉
冷めず火照った体が愛おしい女体
いま人知れずひとつの恋が
誰にも看取られることなく寂しく終わる。
ある意味で極ありふれたひとつの花の一生が終わると言うただそれだけ、藪椿はそんな花のひとつ、そのためか余り人気がない。
花も若く、勢いある知名度の高い花は良いが、散り個体をさらしながら朽ちて行く姿を見ているとつい人の晩年を重ねてしまう、別に重ね合わせるわけではないが、いつもこの藪椿を見ていると、つい、ふと感じる自分の終わり、確かに人は愛する者がいても最後は一人、そうわかっていてもなかなかいつも+2にはならない。
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