未だに。
未だに居座っている色がある。
それは白と黒。
夏を閉じ込めているこの生と死のベース色が今日も渦巻いて居座っている。
この存在がある限り夏色に光があたらない、
梅雨。雨の季節、私が生きて恋して、失恋して雨の涙を流すのもこの季節。
明け。
いつ夏便りが舞い込むのか気になる一日。
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桔梗
いい名前だね
もう桔梗なんて植えている人いないのでは
そう思っていたから
桔梗見たとき
思わず
この花を植えている人
まだいるのか・・・
どんな女性が育てているのだろう
幻を追い求める
品格
清々しい姿
美しい紫
風にゆれる桔梗を眺めると花の奥ゆかしさを感じる
花言葉は清楚気品
そう言えば見つめるだけで精一杯
無造作に束ねる事の出来ない花かも
紫の気品
白の清楚
活けるだけ
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くちなし
裸身をはだけるように晒し
羽二重の肌をみせて
湯上りの色香を漂わせる
一輪のくちなし
綺麗
いや
素敵
そうかな・・・
香り
いい香りだね
いい女だね
大人だね
男を惹きつける伝を知っているね
いま
白無垢が汚れ色あせ
皺にまみれ
香りは失せ
土に返ろうとしている
加齢臭の匂い
面影の消滅
花の残像がこのとき
フイルムに焼き付けられる。
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