キビタキのメス、明るい林に出てきました。
いつ飛んでもいいようにシャッター速度を上げておきましたが…

思いがけず、すぐ近くの日陰の枝に飛んできました。
あわててそのまま写してしまいましたが、偶然、おもしろい場面が撮れました。

激しく鳴いているような表情ですが、声は出ていません。
まるで咳でもしているような感じですね。

撮影時には見えていませんでしたが、どうやら「そのう」から食べ物を吐き戻していたようです。

クチバシの先に、黒っぽい小さな実をくわえています。
カラスザンショウの実でしょうか。近くにたくさんなっていました。

再び実を飲み込んだのでしょうか。すました顔をしています。
「そのう(素嚢)」は、食物の一時的な貯蔵場所で袋状になっています。
口から丸飲みした食物は食道を経てそのうに入り、その後、胃に送られるそうです。
すべての種類の鳥に「そのう」があるわけではないとのこと。
家で飼っている文鳥も時々、粒餌を吐き戻しては口の中でモグモグやっています。
野鳥でも同じような行為を確認できるとは思いませんでした。
肉眼では見られない一瞬をとらえる写真の威力を実感した体験となりました。
「そのう」から食べ物を吐き戻す行為は「吐出」と呼ばれているそうです。
キビタキ(黄鶲)全長 約14cm