大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・TSREDUREエッセー『月のあかり 桑名正博の死』

2012-10-29 08:07:45 | エッセー
TSREDUREエッセー
『月のあかり 桑名正博の死』




 ――桑名正博が死んだ――

 ボクは、音楽のことは、まるで分からない。でも桑名正博の名前ぐらいは知っていた。
 ひょっとしたら、と思って調べてみたら、出身は同じ大阪市だった。ボクよりは三ヵ月若く、悪友の滝川浩一とは4日しか違わない生まれだった。

 息子さんの美勇士さんは、三十路にはいっておられ、父と同じ道を歩んでおられるらしい。わたしの息子は、やっと十六で高校生。
 
 ボクは、音楽のことは、まるで分からない。息子は中学のころから、いわゆる軽音に目覚め、あっと言う間に、アコステ、エレキをマスターし、ボーカルをやるためにボイトレにも通いだした。ボクは、小中学校9年間いながら、リコーダーも吹けなかった。音符が読めず。音楽のテストの日は、朝からお腹が痛くなった。
 息子は、幼児のころからやすやすと音符を読み、七歳で始めたピアノも、まだ続いている。

 ボクは音楽のことは、まるで分からない。でも、息子の、ギターはともかく、歌がまるでダメなことぐらいは分かる。息子の歌に、なんのメッセージもエモーションも感じない。先日は文化祭で、初めて息子のライブを聴いた。観客をさえ意識していないことに驚いた。ボクは芝居が少し分かる程度だけど、音楽も芝居も同じエンタメである。最低伝えたいという気持ちが無ければ、それは空回りしているだけで、ダメなんじゃないかと思う。

 ボクは音楽のことは、まるで分からない。でも伝えることの大事さと難しさは分かっているつもりである。息子は、いつか、そこにぶつかって頭を抱えるだろう。みんな、そうやってエンタティナーになっていく……いければいいが。

 『月のあかり』を聞いてみた。しっかりメッセージもエモーションある。下戸なのでアルコールはダメだけど、静かに、コーヒーを飲んでもいいなあ、と、感じた。
 夜道を歩いていて、月のあかりのありがたさを感じることは、まず無い。
 しかし、澄んだ秋空に月のあかりがなければ、夜空は、ひどくとりとめがないものになってしまう。
『月のあかり』を、聞いて、あ……どこかで聞いたことがある。と、思い出した。
 月のあかりの無い秋の夜空は、寂しい。寂しいに決まっているじゃないか。


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