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大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『96時間/リベンジ』

2013-01-11 16:29:39 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『96時間/リベンジ』


 この映画評は、悪友の映画評論家、滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので、本人の了解を得て転載したものです。


 本年一発目は3本です。大事を取って2日に分けました。

 まずは、リーアム・ニーソンの最強(凶)おとんがイスタンブールで暴れまわる“96時間~リベンジ”前回、誘拐されて泣いているしかなかった娘のキムが大活躍! 面白かったし、今作だけでも楽しめるけど…やっぱり事前に前作チェックは必須です。
 邦題の付け方の弱点がモロに出ておりまして、原題“taken”誘拐ってぇ意味ですが、前作ではパリで娘が誘拐され、身の代金目当てでなければ(人身売買)96時間以内に見つけないとトレース不能になるってところで邦題にも意味があったが、今回はタイムリミットにあまり意味無し。さりとて今更「taken2」には戻せない。まぁどうでもよろしいけどね。
 オヤジのアクションが、前作では最上級応用編だったのが、今回は娘共々の戦いとあって全くの基本編。しかし、情報工作現場で実際に使われるテクニックとあって、興味のある向きにはぞくぞくのお楽しみ。前作ご覧の方々には100%オススメの一本です……って事で、以下 妄想的ウダウダです。
 リーマンショックでガタガタに成ったアメリカ……公開される映画が大作である程、資金ショートして中途半端な作品に堕していった。以降作られた作品も「アメリカは悪魔に取り付かれた」だの「何をどうしても無駄だぁ」っつう映画が多数。ゾンビやヴァンパイヤの大流行はその証拠だと言われたりします。  70年代のように「なんとなく左寄り社会」でもないので、ニューシネマ的な物は出て来ない。一部にラディカル左翼が語り口を甘装った映画を作るが、大衆からは相手にされない。 「ノーカントリー」では、アメリカは生活不適応な国として描かれ、バットマンですら闇に消えた。ハビエル・バルデムの“牛の器具を使う殺し屋”やヒース・レッジャーの“ジョーカー”はアメリカを襲う悪魔~アメリカに向けられる悪意(端的にはイスラム原理主義)の仮託であり、それに対してアメリカは無力なんだ…といった気分が横溢していた。

 しかぁし!

 こんな気分のまま いつまでもいられないのがアメリカ人気質、誰もが この閉塞感の破れる日を待ちわびていた。にも関わらず、誰一人そんなものを作れる者は居なかった。007が50周年目指して再起動し始めてはいたがアメリカの復活が「いつ、如何にして、どの程度…」に対する答えが無かったので“カジノ・ロワイヤル”一作をもってリブートとは成らなかった。 続く“慰めの報酬”でリブート終了かと思いきや、結局リブートは今回の“スカイフォール”を持って3部作となったのはご存知の通り。いずれにせよ007はイギリスの話であり、直接アメリカの映画都合には入らない。
 そんな時、いち早く「強いアメリカ、不屈のアメリカ人……しかも、オ・ヤ・ジ!!」を余す所なく描いて見せたのが、誰あろうフランス人のリュック・ベッソンだったってのが、皮肉であります。何の事ぁない、アメリカだって外圧が無ければ身動き取れなかったってのが 痛快なような情けないような……。  前作“96時間”は、そんなエポックメーキング…というよりは、もっと大きな意味を持ってスクリーンに登場したのであり、この規模の作品としては 有り得ないメガヒットとなった。どれだけアメリカ人がこのような映画を待ちわびていたかの証拠であった。
 以降、アメリカは威信を取り戻したとばかりに大作企画が次々に復活した。……とは言え、まだまだ気分的な範囲に止まっているのが現実(こういうタイミングでは共和党政権である事が必須) だから ついでに左翼までが勢いづいてしまっている。アメリカのリベラルなんてな“羊の皮を被った狼”……今回の選挙で共和党が勝っていれば(日本にとっては共和党の方がやりやすいってのもあって)と、今更ながらに残念に思うが あれだけ失政続きのオバマすら倒せないんじゃどうしようもない。
 映画世界でも、殊にドキュメンタリーや短編に左翼の台頭が激しく、未だに「地球温暖化」だの「犯罪者の権利」だのと言っている。始末の悪い事に、まだまだ騙されたままの人々が世界中に多数いて、これらの作品はミスリードを続けている。
 そこで、今回の第二作にこの状況を打ち破る起爆剤になって…なんぞと思っている訳ではない。前作はたまたま前述のようなポジションにはまってしまっただけであって、R・ベッソンにしてもそこまでの覚悟があった訳ではあるまい。
 ただ、彼がどう考えようとも前作にはそれだけの突破力と影響力があった訳で、それからすると本第二作は単なるアクション続編に成ってしまっていると言わざる得ない。もとより脚本・企画(ベッソン)の責任でも、作品の責任でもない。アクション作品としては一級品であり、アメリカでも既にメガヒットをもって受け入れられている。しかも本作は大人が見に来る作品である所から、後日 全く違った意味でのエポックになるのかもしれない。

 以上、多分に舌ったらずのウダウダでした。今年はこの観点から、まず アカデミー賞を再確認してみます。今年は“ユダヤ寄り”復活の予定の年であり、それが果たせないとなると、アカデミー協会への左翼浸透の傾向もあって、そのせめぎ合いが表面化するかもしれません。ノミネートが噂される作品名からも混乱が予想されるので…さて、如何 相成り増すやら。
 しからば、明日『ゲキ×シネ 髑髏城の七人』『ルーパー』にて、ご機嫌お伺い申し上げます。

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