大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

大人ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『ヒッチコック』

2013-04-05 20:01:57 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『ヒッチコック』


これは悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に、身内に流しているものですが、もったいないので、本人の了解を得て転載したものです。


 こりゃあ、マニアってかフリークってか……すこぶるつきヒッチコックファン(殆どヒッチオタク)でないと楽しめないかもしれませんねぇ。

 私だって 映画オタクの端くれ ヒッチに関する本の1~2冊は読んではいましたが、彼の妻 アルマがここまで深くヒッチを支えていたとは…本作を見るまで知りませんでした。アカデミー功労賞受賞に際して“私には4人の協力者がいた。そして、その4人の名前は 皆 “アルマ”といいます!”とスピーチしたのは繰り返し映画雑誌に掲載されたので覚えてはいましたけど……てか、そこそこのファン程度だと余りご存知無いみたいです。
 本作はヒッチが“サイコ”撮影中の裏話を縦糸に、ヒッチとアルマの私生活を横糸に書かれた原作(ドキュメンタリー)をドラマ化してあります。
 60歳になったヒッチコックに「もう歳だし 引退するのか?」なんぞと、無礼かつ間抜けな記者やら、ヒッチに画一的な作品を量産させようとするお馬鹿なプロモーターの存在やら、彼が何故アカデミーを穫れないか等、知ってはいましたけど……それでも もう少し この時代背景(映画表現の限界)やら、ヒッチコックのおかれた状況やら 詳しく説明しないと解りにくいですねぇ。
 脚本の欠陥?監督の手腕? 制作のドジ(尺を確保出来ない)のいずれかでしょうか、「この程度は知ってて見に来い」的な仕上がりに成っています。
 そう言われましてもねぇ~ キャストは全く問題ない、まぁ A・ホプキンス/H・ミレンの演技にダメ出しするほど自惚れちゃおりません。ただ、どうも繋がりが宜しくおまへん、なんだか無理に編集しているように思える。根拠は二つ、“サイコ”の中で最も有名なバスルームでの殺人シーンの演出シークエンスの迫力、漸く公開にこぎ着け 劇場のドアの横で観客の悲鳴にしてやったりと爆発しているヒッチの喜び! この2シーンが飛び抜けて良く出来ているので、これからすると 他のシーンの繋がりの悪さが目立ちすぎます。
 とは言っても、もう出来上がっている作品…なら仕方ないんで最低限の下知識をお持ちになって下さい。

1) この時代、アメリカでも女性の裸、露骨な殺人シーンは映せなかった。

2)“めまい”は公開時不評“北北西に進路をとれ”も賛否があった。

3)“ヒッチブロンド”と 揶揄される程ブロンドの女優を使い、彼女たちとの浮気を取り沙汰されたが、この頃は監督と女優の関係以外の何物でもない

4)アルマはずっとヒッチの影に徹しており、たまたまこの時期久しぶりに独自の脚色依頼があり、彼女としてはどうしてもやりたかった以上、これだけ仕込んで見て下さい。これで繋がる筈です。ご存知だった向きには……出過ぎたマネをいたしましたぁ、ごめんなさい。 とにかく、もっと面白く かつ 感動的な映画になっていた筈です、せっかくの名優の名演技を……なんとも勿体無い一本でありました。


『まどか 乃木坂学院高校演劇部物語』        

 青雲書房より発売中。大橋むつおの最新小説! 

お申込は、最寄書店などでお取り寄せいただくか、下記の出版社に直接ご連絡いただくのが、一番早いようです。ネット通販ではアマゾンや楽天があります。青雲に直接ご注文頂ければ下記の定価でお求めいただけます。

青雲書房直接お申し込みは、定価本体1200円+税=1260円。送料無料。
送金は着荷後、同封の〒振替え用紙をご利用ください。

大橋むつお戯曲集『わたし 今日から魔女!?』
 高校演劇に適した少人数戯曲集です。神奈川など関東の高校で人気があります。
 60分劇5編入り 定価1365円(本体1300円+税)送料無料。

お申込の際は住所・お名前・電話番号をお忘れなく。

青雲書房。 mail:seiun39@k5.dion.ne.jp ℡:03-6677-4351

大橋むつお戯曲集『自由の翼』戯曲5本入り 1050円(税込み) 
門土社 横浜市南区宮元町3-44 
℡045-714-1471   
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする