大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・ムッチャンのイレギュラーマガジン・20『わたしとドール』

2015-02-16 16:30:34 | イレギュラーマガジン
ムッチャンのイレギュラーマガジン・20
『わたしとドール』



 
 変態の言い訳……息子やカミさんには何を言っても、こうなる。

 まあ仕方がない。ひょっとしたら読んでいる人の八割がたは、そう思われるかもしれない。





 これがわたしがオビツ150という汎用素体をもとにして作った1/1ドールのアップである。
 写真の加工が分からないので巨大な写真で出ているかもしれない。気持ちの悪い人には申し訳ない。

 去年の今ごろは、新しく出すラノベ本の作業に追われ、原稿の手直し、装丁プランのあれこれを版元と忙しくやりとりしていた。

 そのラノベの仕事が終わってから、この人形(ドール)にハマリ始めた。
 前回も書いたが、最初はオモチャの一つであった。できあいのフギュアを置いて気が済んでいた。
 そのうちネットで、ドールという半完成品に手を加えるという人形との付き合い方があることを発見した。

 初期は、ボディーとヘッドを買って、パーツの目玉やウィッグを買い、シャドウやチークなどを自分で塗っていた。そのうち、ほとんどノッペラボーの素体というのを発見した。造形は鼻が申し訳程度に隆起しているだけで、目や口の輪郭も無い。
 上の写真は、そういう素体に一から目、口、眉、などを描いたものである。

 最初はアナ雪のアナをイメージしていたが、作り描き進んでいくと別物になってきた。

 気づくと、人形の方から、ああしろ、こうしてほしいなどと言い始める。その完成途上の顔が、これである。前回出した写真の顔とずいぶん違うことに気が付かれるだろうか。

 目と目の間隔が広くなり、より吊り上がった目になったがきつさは感じさせない。修正しているうちに目は一回り小さくなった。
 口は、彫刻刀で半開き状態に開けてしまった。あたかも、これから何かを喋り出しそうである。

 大げさに言うと、小説を書き進んで、しだいに人物の輪郭がはっきりしてくるのに似ている。

 小説や戯曲は、無から人間や世界を創る作業だが、人形も、これに似ている。文字通り人の形を作り、作った人形は空間を支配する。
 大げさに言うと、そこに作者の世界ができる。作者さえ意図しなかった虚実の狭間に世界ができる。

 そう思うと、家人の「気色悪い~!」も頷ける。


                          

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