REオフステージ (惣堀高校演劇部)
022・かゆ~いいいいい(>▭<)!!
※ 本作は旧作『オフステージ・空堀高校演劇部』を改名改稿したものです
※ 本作は旧作『オフステージ・空堀高校演劇部』を改名改稿したものです
かゆ~いいいいい(>▭<)!!
寝ていた須磨が飛び起きた。
「どうかしたんですか?」
ワンピース8巻目から目を上げて千歳が聞き、PCゲームの啓介も、マウスをクリックする指が停まってしまう。
「なんか居るんじゃないかなあ……あちこち噛まれてるよ……ウウ、手が届かない。千歳、ちょっと背中掻いてくれない」
「は、はい」
千歳は器用に車いすを旋回させて、須磨の後ろに回ってブラウスの上から背中を掻きはじめた。
「……それじゃ効かない……直接やって!」
「はい」
千歳は、須磨のブラウスに手を突っ込んで、直接背中を掻いてやる。
ポリポリポリ
「たしかかゆみ止めが……」
啓介は部室奥のロッカーをかき回し、数分後に、まとめ買いされていたカユトメンを発見した。
「先輩、これを……」
カユトメンを手に振り返ると、須磨はスカートをたくし上げてマタグラを。千歳もブラウスのボタンを外してボリボリかいている。
「あ……いちおう、オレも男子やねんけど(^_^;)」
カユトメンを手に振り返ると、須磨はスカートをたくし上げてマタグラを。千歳もブラウスのボタンを外してボリボリかいている。
「あ……いちおう、オレも男子やねんけど(^_^;)」
「「あ……」」
さすがに二人の手は停まった。
「オレ、ちょっと外出てるさかい、カユトメン塗っておさまったら呼んでもらえます?」
廊下に出て、啓介は二人のかゆみが収まるのを待った。
「この部室、虫が湧いてるわよ」
「ほんと……キャ、これってダニじゃないですか!?」
「この大きさは虱だろうね……」
血を吸ってまん丸になった虫を掃き集めた。
「ウウウウウ、なんで、こんなのがいるのよ!? ちょっと、啓介せんぱーい!!!」
「え、え、え、なにかなあ……って、その前に服装なおしてもらえませんか(-_-;)」
須磨も千歳も、カユトメンを塗ったり、痒いところを掻いたりで、あられもない姿になっている。
「いや、あの、だーかーらーー(>〇<)!!」
「信じらんないわよ、この不潔さ(>△<)!!」
かゆみとおぞましさと怒りのために、恥ずかしさを忘れて、啓介に噛みつく二人。
「ところでさ、小山内君は、どうして痒くならないわけ?」
「あ、そりゃ、オレは虫除け塗ってますから」
「「なんだってえ( ˂˃ ‸ ˂˃) !?」」
「え……オレ、なんか間違えてる?」
女子二人のジト目に耐えきれなくなってきた啓介であった……。
女子二人のジト目に耐えきれなくなってきた啓介であった……。
☆彡 主な登場人物
- 小山内啓介 演劇部部長
- 沢村千歳 車いすの一年生 留美という姉がいる
- ミリー 交換留学生
- 松井須磨 停学6年目の留年生
- 瀬戸内美春 生徒会副会長
- 生徒たち セーヤン(情報部) トラヤン
- 先生たち 姫ちゃん 八重桜 松平(生徒会顧問)