魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!
48『もうひとつ別のライオン』
ノドチンコむき出しで叫んでやがったのは新聞配達のジョルジュだ。
「どうしたの、ジョルジュ!?」
「大変なものに出くわしてしまった……あ、こっちこっち!」
ハタハタと手を振ってジョルジュはミファとマユを道路脇の大きな岩陰に連れて行きやがった。
「いったいなによ、なにがあったのよ!?」
「いいか、いいか、驚くなよ……」
「シッ……!」
息を整えながら話を続けようとしたジョルジュをマユは制止した。
岩の向こうの道を町長が歩いてくるのが見えたんでな。
道は、岩のところで曲がっていて後ろから来た町長は気づいちゃいねえ。いつもの町長なら、目の前を歩いていた二人の姿が見えなくなれば「おかしい」ぐらいは思うだろうけど、この時は気づきもしなかった。それほどサンチャゴとライオンのショックが大きかったんだ。
町長の気配が完全に無くなるまで息をひそめ、さらに三つ数えてからジョルジュは話し出した。
「さっき、ライオンに遭ってしまった……(-_-;)」
「「え!?」」
「新聞を配達し終えて、家に……帰ろうとしたんだ、そして北……の、町はずれのイガイガ林の……ところまで来た……ら……オレの上……上を、大きな影がよぎったんだ……」
息を整えながら話を続けようとしたジョルジュをマユは制止した。
岩の向こうの道を町長が歩いてくるのが見えたんでな。
道は、岩のところで曲がっていて後ろから来た町長は気づいちゃいねえ。いつもの町長なら、目の前を歩いていた二人の姿が見えなくなれば「おかしい」ぐらいは思うだろうけど、この時は気づきもしなかった。それほどサンチャゴとライオンのショックが大きかったんだ。
町長の気配が完全に無くなるまで息をひそめ、さらに三つ数えてからジョルジュは話し出した。
「さっき、ライオンに遭ってしまった……(-_-;)」
「「え!?」」
「新聞を配達し終えて、家に……帰ろうとしたんだ、そして北……の、町はずれのイガイガ林の……ところまで来た……ら……オレの上……上を、大きな影がよぎったんだ……」
「あの(……)のとこは、人目を気にしてるんだろうけど、分かりにくいから」
「とりあえず、イガイガ林まで行って話してくれる。ただでもお喋りなあたしたちが、人前で黙り込んじゃ、かえって怪しまれるわよ」
「それもそうだ」
ということで、イガイガ林に着くまで、三人はバカ話ばかりした。おかげで、マユのこともジョルジュは自然に理解した。年頃の少年や少女は改まった話は苦手だ、バカ話の中で話したほうが、お互いに通じやすい。
ということで、イガイガ林に着くまで、三人はバカ話ばかりした。おかげで、マユのこともジョルジュは自然に理解した。年頃の少年や少女は改まった話は苦手だ、バカ話の中で話したほうが、お互いに通じやすい。
「ところでよ、マユは悪魔なんだ(^▭^;)」
話の途中で正体をバラす。いっしゅんビックリだったけどミファが「小悪魔なんだけどね」と付け加えると「そ、そうか小悪魔なんだ(^△^;)」と、半分ビビッて半分親しみのこもった笑顔になりやがる。まあ、正直でいいけどな。
薮を三つ、小川を一つ越えるとイガイガ林の前に出て来た。
「で、ライオンはどうした? どこにいやがるんだ?」
「林の、あるところに閉じこめてある……」
「ジョルジュが、閉じこめたの!?」
「あ、ああ、町に出られちゃ大騒ぎだからさ。オレだってやるときゃやるよ!」
「で、どこに閉じ込めたんだ?」
「こ……ここ(''◇'')」
「こ……ここ(''◇'')」
ジョルジュはカチコチになって目の前の薮を指差しやがった。
そこは一見薮に見えたけど、それは木の枝を切り積み重ねたカモフラージュだ。三人でカモフラージュの薮をどけると岩肌が現われて、そこには人一人ががやっと通れるくれえの割れ目が開いていたぞ。
割れ目の奥から気配がした……たぶんライオンの気配……でも、サンチャゴじいちゃんのライオンの気配とは違っていたぞ。
ちょっと暗い……マユは魔法で明るくしてみた。
割れ目の中は意外と広く、奥の方で「く」の字に曲がっているようで、気配は曲がった「く」の字の奥の方からしてきやがる。
割れ目の奥から気配がした……たぶんライオンの気配……でも、サンチャゴじいちゃんのライオンの気配とは違っていたぞ。
ちょっと暗い……マユは魔法で明るくしてみた。
割れ目の中は意外と広く、奥の方で「く」の字に曲がっているようで、気配は曲がった「く」の字の奥の方からしてきやがる。
マユを先頭に、ゆっくりと奥に進んでいくと、後ろの方で、ガラガラガラと大きな音がした。
ウワーーー( >Д<)!!
崩れてきた岩で入り口がふさがれてしまった。
ウワーーー( >Д<)!!
崩れてきた岩で入り口がふさがれてしまった。
ミファとジョルジュは思わず抱き合ってしまってやがる。
「おめえたち、友だち以上の仲なのかあ」
「おめえたち、友だち以上の仲なのかあ」
「あ……思わずよ、思わず。手近にいたから!」
「そ、そうだよ(^O^;)!」
「ま、どうでもいいけど……先に進もうか」
「「あ、うん((''◇''))!」」
マユは、今のが(二人が抱き合ったことじゃなく、岩が崩れたこと)ライオンの仕業であることに気づいていたぞ。
気配はいきなり「く」の字の角を曲がって現れた。
「「あ、うん((''◇''))!」」
マユは、今のが(二人が抱き合ったことじゃなく、岩が崩れたこと)ライオンの仕業であることに気づいていたぞ。
気配はいきなり「く」の字の角を曲がって現れた。
それは身の丈二メートルは超えるライオンだった!
ん……身の丈?
そう、ライオンは二本の足で立っていやがった!
「やあ、わざわざすまないね」
そのライオンが口をきいた……!?
そう、ライオンは二本の足で立っていやがった!
「やあ、わざわざすまないね」
そのライオンが口をきいた……!?
☆彡 主な登場人物
- マユ 人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
- 里依紗 マユの同級生
- 沙耶 マユの同級生
- 知井子 マユの同級生
- 指原 るり子 マユの同級生 意地悪なタカビー
- 雅部 利恵 落ちこぼれ天使
- デーモン マユの先生
- ルシファー 魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
- レミ エルフの王女
- ミファ レミの次の依頼人 他に、ジョルジュ(友だち) ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)
- アニマ 異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
- 白雪姫
- 赤ずきん
- 狼男
- 黒羽 英二 HIKARIプロのプロデューサー
- 光 ミツル ヒカリプロのフィクサー
- 浅野 拓美 オーディションの受験生
- 大石 クララ オーディションの受験生
- 服部 八重 オーディションの受験生
- 矢藤 絵萌 オーディションの受験生
- 片岡先生 マユたちの英語の先生