REオフステージ (惣堀高校演劇部)
130・福引・3
ニイチャン、換えたろかあ( ̄ω ̄)
アメチャンのオバチャンが肩を叩く。
「え、換える?」
「温泉は、まえに当たったさかいなあ、テーブルゲームやったら孫とでもできるよってに」
「え? いいんですか!?」
「うん、有馬とか白浜やったら行くねんけどな、南河内は自分らで、なんべんも行ってるさかいなあ」
「せやせや、惣堀高校は商店街のお得意さんやしなあ」
肉よしのオバチャンも薬局のオッチャンも賛同してくれる。
「「「ありがとうございます!」」」
演劇部の三人娘もそろってお礼を言って、温泉ご優待券をゲットした。
部室に戻ってパソコンを開く。現実に行けることになったので下調べをするんや。
須磨:「ホームページで11800円だから、実際は10000円というとこでしょうねえ」
ミリー:「これで、二食付きで温泉入り放題!?」
千歳:「お部屋も悪くないです!」
啓介:「こんなとこに行き慣れてるって、リッチなんやなあ惣堀のオバチャンらは!」
千歳:「ちょっと、いいですかあ」
お部屋に感激した千歳が車いすを乗り出す。
千歳:「ああ、バリアフリー! 洋室もあるから、介助なしでもいけそう!」
なんだかんだで半年になるけど、千歳はやっぱり気にしてるんや。もう、俺たちは自然に千歳の介助は出来るようになってる。でも、口に出しておくことでエクスキューズを表明しておきたいんや。
ミリー:「ハハ、シスコの温泉プールはイマイチやったしね」
うん、出会ったアメリカの高校生はええ奴らやったけどな。
須磨:「じゃ、いつにする?」
ミリー:「啓介、パンフ見て」
啓介:「うん、ええと……来週から一か月」
ミリー:「そかそか、じゃ、テスト期間を外して……候補は三つやね」
ミリーが、カレンダーの三つの土日をチェックする。
千歳:「いつがいいですかねえ(*^^)」
須磨:「ま、慌てて決めてもなんだから……この週末一杯考えて決めよっか!」
須磨先輩の一声で決まった。せいてはことを仕損じるというやつや。
いちおう顧問や担任にも話しておこうということで、オレ一人先に帰ることにした。やっぱ、千歳の事や女生徒の宿泊とかがあるので、あとで苦情が出ないようにという須磨先輩の知恵。
再び商店街を谷町筋に向かって歩く、自然と福引会場に目が行ってしまう。
一等賞品獲得者様ご芳名!
大売出しのポップみたいなのが張り出してある……ということは、残る一本を引き当てた人がいてるのか?
知らん苗字(プライバシーがあるから苗字だけなんやろう)と並んで、似たようなのが二つ……一つは俺たち空堀高校演劇部。もう一つは……船場女学院高校演劇部……!?
船場女学院!?
東横堀川を挟んで立ってる、うちの惣堀高校とは対照的なお嬢様高校や!
須磨:「ま、慌てて決めてもなんだから……この週末一杯考えて決めよっか!」
須磨先輩の一声で決まった。せいてはことを仕損じるというやつや。
いちおう顧問や担任にも話しておこうということで、オレ一人先に帰ることにした。やっぱ、千歳の事や女生徒の宿泊とかがあるので、あとで苦情が出ないようにという須磨先輩の知恵。
再び商店街を谷町筋に向かって歩く、自然と福引会場に目が行ってしまう。
一等賞品獲得者様ご芳名!
大売出しのポップみたいなのが張り出してある……ということは、残る一本を引き当てた人がいてるのか?
知らん苗字(プライバシーがあるから苗字だけなんやろう)と並んで、似たようなのが二つ……一つは俺たち空堀高校演劇部。もう一つは……船場女学院高校演劇部……!?
船場女学院!?
東横堀川を挟んで立ってる、うちの惣堀高校とは対照的なお嬢様高校や!
ドキドキドキ……
自分でも気恥ずかしいほど胸が高鳴った。
自分でも気恥ずかしいほど胸が高鳴った。
☆彡 主な登場人物とあれこれ
- 小山内啓介 演劇部部長
- 沢村千歳 車いすの一年生
- 沢村留美 千歳の姉
- ミリー 交換留学生 渡辺家に下宿
- 松井須磨 停学6年目の留年生 甲府の旧家にルーツがある
- 瀬戸内美春 生徒会副会長
- ミッキー・ドナルド サンフランシスコの高校生
- シンディ― サンフランシスコの高校生
- 生徒たち セーヤン(情報部) トラヤン 生徒会長 谷口
- 先生たち 姫ちゃん 八重桜(敷島) 松平(生徒会顧問) 朝倉(須磨の元同級生)
- 惣堀商店街 ハイス薬局(ハゲの店主と女房のエリヨ) ケメコ(そうほり屋の娘)