KAORU♪の「気ままなダイアリー」

KAORU♪が見つけたステキな風景、出会ったおもしろいできごと、おいしい料理などを“気が向いた時”にご紹介します。

★ “新聞”から届く豊かな時間

2005年10月07日 | KAORUの好きなものギャラリー
【カラフルなアメリカのチラシ】

いつの頃からか新聞が大好きである。
理由はいくつか思い当たる。

少し早く目が覚めたり、身支度が整うと
コーヒーを飲みながら、ゆっくりと朝刊に目を通す。
あるいは夜、夕食の片付けや洗濯、掃除などの家事が終わり
ビール缶を片手にその日の夕刊を読む。

そんな、なんてことはない行為が私にとっては
この上ない贅沢な時間なのだ。

読む順番は、まず1面。そして裏のTV欄から
さかのぼるように前に読みすすめていく。
2面の社会欄や海外情勢まで読めるような時間があれば、
一周したことになり、まるでTVゲームをクリアしたような
充実感と幸せな気分に包まれる。

忙しい日が続くと広告がはさまった、届いたままの
折り目で新聞回収BOX行きとなり、
きれいな新聞がどんどんと積み重なると、
近頃余裕がないんだわ。
少し気持ちをゆったりさせなきゃね。と
我が身を振り返るツールでもあるのだ。

そしてもうひとつの大好きな理由。

読んだ記事に「へぇ~、なるほどね!」とか
「うっそ!すごい!」とか「やだ!信じられないわ!」などと
ひとりでつぶやいていると、息子が「なになに、どうしたの?」と
ほとんどの確率で聞いてくるのだ。

すると、それは思う壺!
内心「きた、きた!」とばかりにその欄を読み上げる。

そして、お互いの感想を述べあったりする。
お母さんはこう思うわ、と付け加えたり、
それってこうなんじゃないの?などと彼なりの意見が
飛び出すこともある。

つまり、新聞は大切な親子のコミュニケーションツールなのである。

********************

そんな風に我が家には欠かせない新聞だが、
時折、洗濯せっけんをこれでもか!と積み上げて
セールスの人がやってくる。

相手の熱意や、泣き落とし、金券。
じゃあ、これもおつけします!のような、
贈答作戦で優柔不断な私はつい
「3ヵ月なら…。」とサインをしてしまう。

そして昨今、私の周囲は新聞を取っていない家庭が本当に増えた。
気になる記事があればネットで見るし、テレビでも見れるしね。
倹約を理由に、それに別に困らないし、と
やめてしまった人もいる。
新聞屋さんの事情を察すると、つい同情したりしてしまう。

でもようやく気がついて、つい先週きっぱりと断った。

子ども時代から親がずっと読んでいた新聞が
本当に読みやすいのだ。

新聞が変わったとたん、めっきり
と読む回数が減るのは単に時間がないから
だけではない、ということがわかった。
ホテルのビジネスプランについている朝刊サービスで
「何新聞にしますか?」と聞かれたり、
飛行機に乗る際に「新聞はいかがですか?」と勧められると
迷いもなく、いつものヤツに手が伸びる。

今まで、人のためを思って読み慣れないものを
なんで取っていたのだろう。押しに弱い自分を恥じた。
そして、もう物欲にも左右されないわ!と心に誓った。

再度、訪れた新聞員は狼狽して
何かうちのサービスが悪かったのですか?
洗剤ならもっとお持ちします!と言うのだが、
断わる理由は今までの新聞が読み慣れているから。
レイアウトが読みにくいとかサービスとかではなく、
ただそれだけなのだと静かに伝えたら
ようやくわかってくれた。

最初はいつものように押しの一点張りだったが、
ほどなくして彼のテンションも落ち着き、
「わかりました。そんな理由は初めて聞きました。
勉強になりました。
そんな方もいらっしゃるんですね。
ほとんどの方が、もっとサービスは何かないの?
こんなんじゃお宅のには変えられないわ。と
言われることばかりで、何もいらないんです。と
言われたのは始めてなんです。ありがとうございました。」と
深々と頭を下げ「また何かご縁がありましたら
ぜひお願いします。」と付け加えて帰って行った。

こちらがきちっと心を伝えたら、
相手の態度もきちっとなることを今回
学んだような気がしている。

それから相手の事を考え過ぎたり、
目先にチラつく物質に惑わされずに、
自分はなにが一番、居心地がいいのかを
見つめる目と心を今一度大切にしていこう



そして…毎日届く、新聞から
私はいつも豊かな時間をいただいている、
ということを再度実感している今日このごろである。


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