すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

「役に立たなくてもいいよ」で役に立っちゃう。

2009-07-01 | 素老日誌

6月28日(日)より

母:はるこーぉ、何したらええんやろ?

娘:自分のしたいことしたらええやないの。

母:それがさ、何したら役に立つんやろと思ったら、
     わけがわからんようになってくるんやわ。

娘:役に立たたんでもええやん。
  今、自分のしたいことしようよ。

母:そうやなあ、役に立たんでもええなあ。

娘:85年ずっと役に立ってきたんやもん。
  ニコニコとおれたら、十分よ。
  だから、無理に役に立つことしようと思わなくてもいいんやない?

母:あれ~、そう言うてもらうと、気が楽やわぁ。

娘:で、今何がしたいの?

母:今なあ・・・そうやあなあ・・・・

じっと考えている母を残して、私は別の部屋に行った。

しばらくして、戻ってきたら、
母は、ゆっくり丁寧におもむろにテープルの上を布巾で拭いていた。

娘:あれ~、きれいにしてもらって、ありがとう!

母:あれ~、嬉しいわ。
  ほな、一休みしてくるわな。

母は、ベッドに横になると、すぐ眠りについた。(^_^;)

 

「考えて、自分で一つのことをする」

これが、母にとっては大仕事なのだろう。

「役に立ちたい」と望むからこそ、指示を待つ。

しかし、「役に立たなくていいよ」と言われると安心する。

安心して指示されずにしたことは、「役に立つ」ことだった。


母に
「役に立つように」という心持が身についていたからだろうか。

そもそも人間というもが、
「役に立ちたい」と思い行動する生き物だからだろうか。

母に
人間というものに
愛しさがこみ上がってくる。

 

コメント
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