頑固爺の言いたい放題

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映画評「オリエント急行殺人事件」

2017-12-24 14:57:43 | メモ帳

 推理小説は、誰が犯人なのか読者が推理することがミソ。しかし、この作品は何回か映画化されていて、私も1974年版を見たことがあるし、アガサ・クリスティの原作は読んだことがあるから、結末はおぼろげながら記憶に残っている。したがって、犯人当ての面白さはない。

それではなぜ、結末を知っている推理ドラマを見るのか。それは古典落語を聞くようなもので、筋も落ちもわかっていながら、何度聞いても(見ても)面白いから。こうした古典は安心して観ていられる。サプライズはないが、期待はずれもない。

観ての結果は予想通りで、重厚なドラマを十分楽しんだ。ただし、前作はイングリッド・バーグマン、ショーン・コネリー、リチャード・ウィッドマークなど配役が豪華だったのに比べると、かなり地味なのは残念(といっても、これは観る前からわかっていたこと)。

さて、何年か前に原作を読んだときには気づかなかったが、この映画を観て、ストーリーの構成に一つ不自然なことがあるのに気づいた。それは、登場人物はお互いに知らぬ間柄であるはずなのに、どのようにしてこの列車に乗り合わせたのかという点。“小説なんだから、そんな固いことは言いなさんな”ということならそれでいいが

映画を見ないと、私がなにを言わんとしているのかわからないかも知れない。しかし、これ以上書くと、結末を知らぬ人に叱られそうだから、やめておく。ともあれ、もう一度、原作を読んでこの点を確認してみたい。