頑固爺の言いたい放題

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朝日新聞の印象操作

2018-01-31 15:19:25 | メモ帳

前回、朝日新聞をアホ呼ばわりしたついでに、同紙の印象操作について論じたい。これもHanada 3月号に掲載された論文からである。

有本香氏の論文“典型的なスラップ訴訟だ”の中に次のような記述がある。

1月11日午前、中国海軍のものと見られる潜没潜水艦とフリゲート艦が尖閣諸島の周辺の日本の接続水域に入り、日本政府はこれを公表した。過去に中国海軍の水上艦の入域はあったが、潜水艦が尖閣諸島沖の接続水域に入ったことを確認したのは初めてである。

問題はこの事件の紙面における取り上げ方である。読売、毎日、産経は第一面の最上段にこの事件を報じたが、朝日は第3面に小さく掲載した。「そんなことは大したことではない」と言わんばかりである。

さらに、有本氏の同論文によれば、同様の問題が2016年にも起きたらしい。6月9日に中国の軍艦が尖閣諸島の接続水域に入ったことを他紙は翌日大きく取り上げたが、朝日だけは1日遅れて社説で報じた。そして、その社説の見出しは〈尖閣に中国艦、日中の信頼醸成急げ〉だった。他紙は〈軍艦〉と表現したが、朝日だけはただの〈艦〉だったことに注目したい。

要するに、朝日は中国の脅威をできるだけ矮小化したいのだ(とは有本氏は言っていないが)。では、なぜ朝日は中国の脅威を小さく報じるのか(沖縄タイムスと琉球新報も同様と聞いている)。朝日が他国の軍事的脅威を矮小化するのは、日本の安全保障に問題がないことにしたいのだろう、そして、その根底に憲法改正阻止があるのは明白だ。

憲法改正に反対なのは構わない。しかし、読者を印象操作で惑わせ、自社が望む方向に世論を誘導しようとするのは一流紙のやるべきことではなかろう。

ことによると、朝日の編集者は自分の価値観をフェアなものだと信じているのかもしれない。それならなにをか言わんやだが、せめて朝日の読者はしっかり眉唾で読んでいただきたいと願う。