日本政府は地域限定の緊急事態宣言を発出し、新型コロナ問題は次の段階に入った。
頑固爺の次の関心事は、各世帯に2枚ずつ配布されるマスクが間に合うのか、である。新型コロナウイルスが収束してしまったあと、または国民が皆なんとか手に入れてしまったあとに配布されても無意味であり、税金のムダ使いになるからだ。爺自身も2枚持っているので、無料配布は必要ない。
各世帯に漏れなく2枚ずつ配布するより、マスクを各自治体に配布し、国民はそこで必要な枚数をもらえばいいのではないか思うが、これについては論じない。
ここでは、マスクに対する国民の意識と言う側面を考えてみたい。
4月1日に日本政府がマスクの無料配布を発表したとき、WHOが「健康な人にはマスクは不要」と言明していたこともあり、欧米では「エープリルフールか」と冷笑したメディアもあった。
朝日新聞も“布マスクは有効? WHOは「どんな状況でも勧めない」”という見出しの記事で、政府の政策を批判した。安倍攻撃を社是とする朝日新聞としては、またとない味方を得た思いだったろう。立憲民主党の蓮舫議員は、「(この政策は)国の恥だ」とツイッターした。
https://www.youtube.com/watch?v=U7hkk5Dfqso
政府の政策を批判する一方、朝日新聞はネットで不織布のマスクを2枚3,300円で販売していたことを批判されるという失態を演じた。
https://www.youtube.com/watch?v=IbEpbsC89ZQ
ところが一転して、欧米諸国でマスクの着用は感染拡大を防ぐ効果があるという意見が優勢になった。トランプ大統領も国民にマスク着用を推奨し、WHOも4月3日、「他人に感染させる可能性は低くなる」として、前言を翻した。
ネットで調べてみると、3月中旬から欧州の一部(スロヴァキアとチェコ)ではマスク着用が始まっていたようだ。スロヴァキアの女性新大統領は3月中旬の就任式典に、服と同じ赤いマスクを着用した。疫病予防だけでなく、ファッションも考えているとは恐れ入った。
こうした状況変化で、朝日新聞はさぞバツが悪かろう。朝日新聞の尻馬に乗った蓮舫議員も、赤っ恥をかいた形である。
さて、欧米諸国の方針変更は科学的根拠よりも、アジア諸国で比較的、感染拡大が抑えられているという結果を見ての判断だろう。
そして、各国のメディアは「アジア人はなぜマスク着用に慣れているのか」を解説し、分析する記事を相次いて掲載した。韓国の聯合ニュースは「日本では花粉症対策のため1970年代からマスクが使用されてきた」と報じた(4月5日、産経新聞)。
爺のマスクの効用に関する見解は次のようである。
日本では1930年代またはそれ以前から、マスク着用の習慣があった。爺は6歳か7歳の頃、親に命じられて、風邪を引いたとき硬質の布製マスクを着用させられた記憶があるのだ。そのマスクの色はダークブラウンで、前から見ると菱形、横から見ると前面が膨らんでおり、通気口が二つか四つあるものだった。爺が着用したのは子ども用だったが、大人用もあったと思う。
要するに、風邪を引いたら人さまに迷惑をかけぬよう、そして咳がでたときに、人さまに嫌がられないようにという配慮であり、日本人独特の精神文化である。戦後、このタイプのマスクは消えて、白い布を使用するマスクに変わったが、考え方は同じである。
こうした背景があるから、日本人は花粉症対策やスッピン隠しにマスクを抵抗なく着用する習慣が根付いていた。今回のコロナ騒動で、日本の感染者・死者が少ないのは、衛生観念が強いこともあるが、マスク着用の習慣が功を奏したのではあるまいか。