時事通信のソウル特派員を長らく務めて、現在韓国専門の評論家として活躍している室谷克実氏の著作、「反日種族の常識」(飛鳥新社2020年2月刊行)には、日本のマスコミが報じない興味深い話が数多く紹介されている。
中でも頑固爺が興味を持ったのは、養子に関する話である。日本では養子といえば、後継者がいない家に男性が婿入りすることを思い浮かべるが、韓国の養子は赤ん坊が多いらしい。以下、第4章「赤ん坊輸出大国」からかいつまんで引用する(青字)。
「米国が2015年に世界中から迎え入れた養子は、5,648人で、その内訳は中国2,354人、エチオピアが335人、韓国318人」(朝鮮日報2016年5月6日)
韓国は中国よりも格段に少ないように見えるが、中国の人口規模を考えると、かなり多いと言える。一方、韓国の外国向け養子送り出しは年間500人ぐらいだから、米国が約6割ということになる。
韓国には養子ブローカーがいて、生みの親から「以後、この子どもとは一切の関係を持ちません」という念書を得て、赤ん坊を得てカネを支払う。そして、実の父母がわからない孤児であるという戸籍を得て、子どもを欲しがっている外国人に斡旋して手数料を稼ぐ。「赤ん坊の輸出」である。「赤ん坊の供給者はシングルマザーが87%、親の離婚で養育困難になったケースが13%」(朝鮮日報11年12月25日)。
注目すべき点は先天性障害を持つ赤ん坊が多いこと。中央日報の「03年~08年の養子縁組資料」(09年5月11日)によれば、海外養子4,678人(5年間)、うち障害児3,428人。ちなみに、同期間の国内養子縁組は1,441人、うち障害児135人だから、海外養子が76%を占める。
【頑固爺所感】
欧米の富裕層(白人)が慈善事業的感覚で孤児を引きとって育てることは知っていたが、黄色人種の赤ん坊でもいいとは知らなかった。肌の色が親と違う子どもが虐めに会うことも容易に想像できる。彼らがハッピーな人生を送ってほしいと願う。
それはともかく、ここに書かれている養子は、事実上の人身売買である。そして障害児の比率が高いこと(3,428÷4,678=73%)に驚く。
乳幼児は精神障害があるかどうかは分からないから、「障害」とは肉体的なものだと想像でき、里親は障害児だとは知らされていないと想像する。五体満足の赤ん坊だと思っていたところに障害児が送られてきたら、里親はどんな気持ちだろうか。
一方、生みの親は、生まれた赤ん坊が障害児だと知りつつ、養子に出したと推測できる。適切な例えとは言えないが、これは欠陥商品であることを知っていながら、知らん顔して納入するに等しい。品質クレームは起きないのだろうか。ずいぶん無責任な話である。
そして、韓国人は慰安婦や徴用工問題で「人権擁護」を謳っているが、赤ん坊の人身売買は人権無視ではないのか。
「反日種族の常識」にはこのほかにも、日本人には理解し難い話がいくつも紹介されている。例えば、公衆の面前(国会や労働争議など)で、憎む相手に人糞を投げつける話とか、塩田で知的障害者を奴隷として酷使した話など。
韓国人のメンタリティーはわれわれ日本人とずいぶん違うことを痛感する。