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画像をパクッて偽造する中国政府

2020-04-29 09:40:00 | メモ帳

産経新聞(4月28日)に面白い記事があった。(赤字)

中国マスク外交 欧州反発
【パリ=三井美奈】新型コロナウィルスの感染拡大が続く欧州で、中国への警戒論が浮上している。中国が医療品不足の国を支援する「マスク外交」に乗じ、メディアや政治家の対中批判を封じ込め、欧州に対する「中国の優位」を喧伝しているからだ。

■無関係の映像
イタリアでは3月、中国外務省がマスク支援について公表したツィッター映像に、偽造疑惑が沸騰した。

住民がベランダで歌い、拍手する映像で、「中国国歌が演奏される中、『ありがとう、中国』と声をあわせるイタリア人」と紹介された。だが、同じ映像が伊紙のウェブサイトにあったことが、報道で判明した。伊国民が、ウィルスを闘う医師や看護婦に拍手を送った様子を報じたもので、中国とは関係がない。

EUのボレル外交安保上級代表は声明で、「『寛容な政治』と見せながら、影響力拡大を狙う動きがある。欧州は自衛すべきだ」と中国を牽制した。(以下省略)

つまり、中国政府はイタリーの新聞社のウェブサイトにあった映像をパクッて、中国に都合のいい写真説明をつけた、ということになる。

中国がマスクを無料で供給したからといって、コロナウィルスに20万人感染し、2万7千人(28日現在)もの死者を出したイタリーが、発症源である中国に感謝して、中国国歌を歌って称えるなど考えられない。マスクを寄付したこと自体は善行だが、さんざん迷惑をかけたことを思えば、お詫びとして当然の行為である。

よくもまぁ、すぐばれる嘘を臆面もなく発信するものだ。国民の気分を高揚させる目的で、国内向けに発信したのであれば、まだわからぬでもないが、中国外務省が発信した映像となると、これは国際社会へのプロパガンダを意図したものであることは明白だ。

ところが、そのプロパガンダが見え見えの偽造では、かえって反感を買うことになる。反感で済めばまだしも、中国の異質性を曝け出したとして失笑されるのがオチである。

ここは憤慨するのではなく、中国政府の発信はやや遅れたエープリルフールだったと位置づけ、ユーモアとして笑いとばす方が精神衛生上ベターだろう(笑)。