頑固爺の言いたい放題

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韓国は安倍首相の辞任をどう受け止めたか

2020-08-29 17:37:37 | メモ帳

安倍首相が辞任した。彼ないしは自民党の政策に賛成できない部分もあったが、爺としては人間的には好感を抱いていただけに、辞任せざるを得なくなったことは残念である。ある程度、不平・不満はあっても、この8年、彼に代わる人材はいなかったと思う。

さて、韓国の反日デモは最近、反安倍デモに変化していたから、韓国は彼の辞任に深い関心を寄せているだろうと推測し、朝鮮日報の社説を調べてみた。その原文をそのまま引用するが、長いのでお急ぎの方は、下線部分だけでもご覧頂きたい(赤字)。

日本の安倍首相が28日に辞任を表明した。持病の悪化が原因だという。2007年の第1次安倍政権の時も同じ病気で辞任している。安倍首相は24日、連続在任日数2799日を記録し、日本の歴代首相の中で1位となった。

安倍首相は日本国内の嫌韓の雰囲気を政治利用し、それが再び嫌韓を引き起こす悪循環が繰り返された*。安倍首相は日帝による侵略戦争を事実上正当化しながら、首相としての職務を遂行してきた。

*(注)反日を煽って、支持率を上げようとしたのは文在寅である。韓国とは戦争していないのに“侵略戦争”とは、これいかに!

A級戦犯らが合祀されている靖国神社を参拝するという挑発行為も行った。中国人と米国、英国、オーストラリア、オランダの捕虜に対しては謝罪したが、韓国に対しては一言も言及しなかった。2016年には「日本軍慰安婦被害者らに謝罪の手紙を送る意向はあるのか」との質問に「そのような考えは毛頭ない」と答えた。

*(注)慰安婦問題は2015年の日韓合意で終わっているから、それを蒸し返すのは約束を違えたことになるが、それには言及していない。

2018年末に韓国の駆逐艦と日本の哨戒機が対峙する問題が起こった際、安倍首相は日本の哨戒機が撮影した映像をテレビで公開した。この時は実務担当者の反対を押し切ったという。韓米日安保協力を考慮し過去には水面下で解決してきた問題をあえて大きくしたのだ。*

*(注)レーダー照射事件に関し、日本が映像を公開したことを批判しているが、韓国がレーダー照射を認めないから、映像を公開したのであって、それに苦情を言うのは筋違いである。これこそ、韓国得意の諺「盗人猛々しい」をそのまま返したい。

韓国の大法院(最高裁に相当)による日帝強制徴用賠償判決については「国際法違反」と主張し、過去にはなかった貿易報復によって対抗した。安倍首相は国内で政治危機が起こるたびに、露骨な「韓国たたき」を行ってきた。

自らが主催した大阪G20(主要20カ国・地域)首脳会議では、韓国だけとは首脳会談に応じず、韓国政府関係者に会うときは自分よりも低いソファーに座らせたりした。日本の政治家の中には過去にも安倍首相のような人物はいた。しかし日本国内の世論がこれを制御した。*

*(注)この部分は理解に苦しむ。ご存知の方はコメント欄にご教示乞う。

ところが最近は逆に安倍首相のような人物が人気を得ている。韓国からの謝罪要求に対する日本国民の疲労度が高まる中、文在寅大統領が反日を国内政治に利用していることで、「嫌韓」が大きな流れになってしまったのだ。

*(注)それがわかっているのは、せめてもの救いである。

韓日両国はどちらも引っ越すことのできない地政学的な宿命関係にある。北朝鮮の核問題と中国による覇権追求の脅威に対抗するという課題も山積みだ。関係回復が遅れれば、両国のどちらにとってもプラスにならない。次の日本の首相は「嫌韓政治」をしてはならない。韓国政府も「反日政治」の誘惑を振り切らねばならない。

*(注)「日本が悪いが、韓国も悪い」というコメントは、良心的だと評価する。

【総括】

よくまぁ自分勝手な理屈を並べるものだと感じるが、“なるほど、韓国側はそう受け止めるのか”と認識を新たにする部分もある。

こじれた日韓関係を修復する第一歩は、徴用工に対する補償金を韓国政府が肩代わりして支払うことだ、と爺は考えている。しかし、それでは文大統領の負けになるから、現状ではありえない。

日本の次の首相に“「嫌韓政治」をしてはならない”と釘を刺しているが、特に具体的提案をしているわけでもない。名案はないということだろう。

要するに、当分は睨み合いを続けることになるということか。