拙宅の近所にある医院での出来事。待合室にあるテレビで、新型コロナをテーマにしたニュースショウを映しているが、数人いた年寄りの患者たちは画面には興味を示さず、置いてある週刊誌を眺めていた。コロナにもうウンザリしているのだ。
感染者は減る兆しがなく、緊急事態宣言が発出されても、人出はあまり減っていないようだ。飲食店の営業時間短縮は、接触機会を減らすことが目的であるはずだが、8時までに飲食を済ませればいいと考えているなら、時短の効果は薄れる。
文芸春秋2月号に掲載されている記事「菅『敗戦処理内閣』の自爆」(片山杜秀)は8ページにわたり、菅首相をさんざんこき下ろしている。週刊文春は石破茂氏が多人数でふぐ料理を食べたことを槍玉にあげ、週刊新潮もトップ記事の「菅官邸崩壊」で、首相の支持率低下の主因は首相のコロナ対策の不手際としている。
確かにGO TOをやめるタイミングは遅かったし、首相のステーキ会食もオウンゴールだった。政治家たちの不手際を攻撃すれば、雑誌の販売部数は増えるだろうし、その記事を読めばうっぷん晴らしにはなる。かくいう爺も出版社にうまく乗せられた一人である。
だが、GO TOを中止しようが続けようが、政治家がステーキを食べようがふぐを食べようが、それには関係なく、われわれ国民が活動を自粛すればいいだけの話である。その点で、われわれが氾濫するコロナ情報に飽きてしまい、恐ろしさを感じなくっていることが、感染拡大が止まらない最大の原因のように思える。
困ることは、若い人たちは感染しても重症にならないこと。たとえ感染しても大したことにはならないなら、日常生活を変えようとはしないだろう。ところが、感染して治癒したあとに後遺症がある人がいるらしく、その後遺症の一つは脱毛だという。女性なら(男性でも)脱毛は避けたいだろう。こういう情報はジャンジャン流してほしいものだ(笑)。
ともあれ、この難局を乗り切るには、平凡なことだが人との接触機会を減らすしかない。自分を守ることが、世のためになることでもある。
ここは我慢しようじゃありませんか。