頑固爺の言いたい放題

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菅首相退陣の原因とその影響

2021-09-04 16:03:53 | メモ帳
菅首相が近々行われる自民党総裁選に出馬しないと表明した。後に控える総選挙で菅首相では勝ち味がないと懸念する若手議員がかなりいることもあり、総裁選で敗れる可能性が高いと踏んで、不出馬を決めたのだろう。菅首相としては当然の決断である。

これに対し、野党は「首相は無責任」(立民党の枝野氏)とか「首相の政権投げ出し」(共産党志位氏)と批判しているが、もし菅氏が自民党総裁選で敗れて退陣した場合は、「無責任」とも「投げ出し」とも言えないはずだ。相変わらず、論理性に欠ける人たちである。

さて、首相はGO TOキャンペーンや緊急事態宣言のタイミングで迷走したが、誰であっても大差なかっただろう。ワクチンの一日百万回接種の枠組みを作ったことは評価できるが、肝心のワクチン入手が滞っては、“仏作って魂いれず“である。

ワクチンの入手遅延については、供給側としても日本だけ優遇するわけにはいかないだろう。これまでワクチンの国産化を怠ってきたツケが回ってきたわけだが、それは菅首相の責任ではない。

そこにもってきて、従来型のアルファ株が、感染力が強い変異株にとって代わられるという不測の事態が発生した。

要するに、菅首相はツキに見放されたのである。

こうした中、外出自粛に応じない人々が増えた。健康維持は国民が自分自身で判断すべきことだが、マスコミは一斉に“首相の言葉が国民の心に届いていないからだ”と首相を批判した。これは国民を批判したくないマスコミが、首相を悪者にしただけの印象操作である。

結論を申せば、運がなかったこと、そしてマスコミに印象操作されたことで、菅首相は退陣を余儀なくされたのである。

さて、菅首相は密室の中での長老たちの話し合いで選出されたが、今度は自民党総裁選によって民主的に選出される。国民は関与できないが、候補者たちの政策論争は大いに国民の関心を呼ぶだろう。そして、その後に行われる総選挙では、自民党は次期総裁の政策を旗印に掲げるだろうから、国民はその時、じっくり考えて臨めばいい。

菅首相の退陣は、日本の政治を本来あるべき姿にするいい機会をもたらしたと考える。