頑固爺の言いたい放題

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野党はどこに向かうのか

2021-09-16 11:24:25 | メモ帳
立憲民主党の枝野代表は、自民党の現状を「総裁選と称する内部の権力争いにうつつをぬかしている状況」と批判。「適時適切に対応していけば救える命や後遺症を防げるケースがたくさんある。(自民党の)総裁選は午後5時以降にして、きちっとコロナ対策を進めてほしい」と訴えた。(産経新聞より)

最近、マスコミ報道は自民党の総裁選を大きく報じて、野党の影が薄いから焦るのはわかるが、総裁選の選挙活動を5時以降に絞ることは不可能である。それに、立候補者の内で、コロナ対策の実務に携わっているのは河野太郎氏だけだが、それもワクチンの手配が主だから、感染者の命に係るほどの仕事を担当しているとは思えない。コロナ問題の司令塔である菅首相はコロナ問題に重点的に対応していると判断する。つまり、この発言はやけくその言いがかりとしか感じられない。

では、立憲民主党は何を考えているのか。1週間ほど前になるが、もし次の衆議院選挙で政権交代を実現した場合、枝野内閣の初閣議でただちに決定する事項として、次の7項目の政策を発表した。

(1) 補正予算の編成(コロナ対策少なくとも30兆円)
(2) 新型コロナ対策 (司令塔の設置)
(3) 2022年度予算編成の見直し
(4) 日本学術会議で任命拒否された6人の任命
(5) 入管施設でのスリランカ人死亡の関係資料公開
(6) 財務省の文書改ざん問題をめぐる赤木文書関連文書開示
(7) モリ・カケ・桜を見る会問題の真相解明チームの設置

爺は今のところ自民党を支持しているが、岩盤支持者ではなく、保守的無党派である。実際に、政権交代が起きた2009年の選挙では、選択に困って「みんなの党」に投票した。

その立場で、この7項目の政策を見て感じたことは次の通り。
(イ)(1)~(3)の案件に比べて、(4)~(7)の案件は重要度がかなり低い。これらを同列に並べたことには違和感がある。
(ロ)モリ・カケ・桜の案件については、すでに事実関係は出尽くしたのではないか。今さら何を引き出そうとしているのか。

立民党が政権交代を狙うのであれば、いかにして無党派層を取りこむかが最大優先事項のはずだが、上記の発言からはそのように意思が感じられない。少なくとも、爺がこの発言によって立民党支持に変わることはない。

重要度からすれば、コロナ感染の再拡大に備えて経済活動を制限する法案の必要性とか安全保障などの課題があるが、これらはすぐさま閣議決定できる性質の事案ではないということで、はずされたのだろうと解釈する。それならば、この7項目を発表した目的は何だったのか。

枝野代表は野党候補者の一本化によって、当選者を増やすことを画策しているが、だからといって本気で政権交代を目指しているかどうかは疑わしいと思わざるをえない。野党が与党の暴走を防ぐことは歓迎するが、発言力が強くなりすぎると、国の進むべき道を誤らせることになりはしないかと懸念する。