昨日、東京神保町の日本教育会館で、 毎年行われる海音寺潮五郎記念館主催の文化講演会が開催されました。 今年は作家で日本文学者でもある林望先生の講演。 演題は「源氏物語を読む、とはどういう営為か」でした。 リンボウ先生の本は本当に読みやすく面白いけど、 源氏物語はグジグジとした高貴な社会の恋愛小説。 私は高校の古典で習っただけで、 大っ嫌いで読む気もしないと思ってました。 だから、今回の講演会は退屈で眠くなっちゃうだろうけど、頑張って聴こうなんて思っていたのです。 ところがところが、素晴らしく面白い講演でした。 源氏物語は平安時代の中流貴族の間だけで広まった流行話で、 (読まれたのではなく、語られたもの) 源氏物語を知っていたのはほんの少数の人たち。 そしてその後も、読み継がれてきたものの読者はずっと一握りの人々でした。 現代がこれまでで一番たくさんの人々に読まれているのだということです。 何故、読み継がれ、現代も多くの人が読むかといえば、 そこに書かれていることは、人が生きていれば誰もが経験する喜び、悲しみ、苦しみなど、 自分自身を投影できる名作だからというお話でした。 省略が多く、難しいようだけど、当時の中流貴族の人たちには常識的なことだから省略されているので、 その常識を知って読めば、楽しく読めるものだそうです。 原文を見ながら、先生の現代語訳を読み聞かせて頂いて、 さらに解説を付けて頂くと、 人間の心を描いている本当に面白い小説を読んでいる気分にさせて頂いて、 私でも先生の現代語訳は読めるのではないかという気分になりました。 いらして下さった皆さんも 「とても面白い話で、よかった」 と言って下さる方が多く、嬉しいことでした。 最後に先生に花束をお贈りしたのは我が娘(娘の曾祖父海音寺潮五郎の写真の前で)! さらに嬉しいことでした。 |
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