あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

修学院離宮と曼殊院、知恩院など(1)

2006-03-22 19:38:00 | 京都を歩く
 妻も出展しているので、市内の百貨店で開催中の華道展に行って来ました。桜、
サンシュユ、レンギョウなど、春の花がたくさん活け込まれ、華やかな彩りでした。

 昨日の続き、翌日の修学院離宮の拝観と東山山麓の寺社めぐりです。

05年4月19日(火)
 今日も素晴らしい、四条駅から京阪電車で出町柳まで行き、叡山電車
(通称叡電)に乗り換え、修学院駅に降りた。

 今日のメインは、3か月前から予約してあった修学院離宮の参観である。

 受付を済ませ、参観者休憩所で9時まで待つ。1度に30人くらい案内するのか
と思ったら、集まったのは10人だった。

 50代くらいの男性案内人から、参観にあたっての注意を聞く。全体を回るには、
およそ3㎞を1時間15分ほどかかるという。

 修学院離宮は、後水尾(ごみずのお)上皇の雄大な構想により万治2年(1659)
に比叡山の麓に造られた。桂離宮と並ぶ江戸時代初期の代表的な山荘である。

 自然景観を巧みに取り入れた開放的で簡素な造形は、わが国固有の文化遺産
として知られている。

 離宮は、下離宮、中離宮、上離宮の3つに分かれ、その間は松並木で結ばれて
いて、松並木の両側は、民間人が耕作する棚田や畑などの農地になっている。

 まず下離宮へ。玉砂利を踏んでこけら葺きの御幸門をくぐり、モミジの新緑や、
花開く山桜、木々の影を映す池、苔むす足元などを見ながら、寿月観(じゅげつ
かん)の庭先に回る。
 
 案内人から、開け放たれた3つの間に描かれたふすま絵などの説明を聞く。

 東門から下離宮を出て、黒松の間を進んで中離宮に向かう。耕作前の棚田の
東側に、東山の山並みが新緑の借景を見せていた。

 中離宮の建物は楽只軒(らくしけん)と客殿。楽只軒の間(ま)には、狩野探信の
ふすま絵が描かれていた。客殿には、天下の3棚といわれる飾り棚や、円山応挙
の絵などがあった。
 
 上離宮の表門を入り、急な石段を上がり詰めたところが修学院離宮の最高点、
隣雲邸(りんうんてい)である。

 眼下に、松や桜、モミジ、ツツジなどが影を映すU字状の浴龍池が見下ろせ、
鞍馬など洛北の山々や洛中の町並みも見える素晴らしい展望。しばらくはその
展望を楽しんだ。

 深い木立の間から流れ落ちる雄滝の下を下り、シャクナゲの咲く道を進む。
二つの中の島にかかる屋根付きの千歳橋が静かな池に独特の影を映している。

 池の北側はもみじ谷と呼ばれ、何種類ものモミジが新緑の彩りを見せていた。

 船着き場や生垣の横を回って浴龍池を一周、移り変わる池の景観や、生垣越し
に見える棚田や周辺の山並みなど、やわらかな春の彩りを満喫し、参観を終える。

 民家の間を北に抜け、鳥居をくぐってモミジの多い参道を上がり、赤山禅院
(せきざんぜんいん)に行く。

 赤山禅院は、京都の表鬼門にあり、陰陽道の祖、泰山府君を鎮守とし、日本
最古の「都七福神」の寺。比叡山延暦寺の荒行・千日回峰行の800日目の寺
としても知られているという。

 モミジやしだれ桜、つつじなど、樹木の豊富な境内には、地蔵堂、赤山大明神、
七福神など、神仏混淆(しんぶつこんこう)の遺構を残す社殿が幾つもあり、それ
らを周遊できるようになっている。

 もとの道を戻って修学院離宮前を通過、東に進んで曼殊院(まんしゅいん)を
拝観することにした。

 曼殊院は、明暦2年(1656)に現在地に再興された天台宗の門跡寺院。江戸
時代初期の代表的書院建築で、桂離宮との関係が多いという。

 庫裡(くり)から靴を脱いで上がり、狩野永徳のふすま絵のある虎の間など、
幾つかの間と大書院、小書院などを回る。

 それぞれの間にある書や日本画の掛け軸とふすま絵、違い棚などに見るべき
ものが多く、随所にあった生け花が彩りを添えていた。

 大書院前の庭は、樹齢400年の五葉松を中心に、ツツジ、モミジなどが
多く、白砂や石を組み合わせた趣ある景観を見せていた。

 山すそを南西に下がって圓光寺へ。慶長6年(1601)、徳川家康が国内教学
の発展を図るために建立した学校で、多くの書籍を刊行し、わが国出版文化史上
特筆すべき寺院。現在も伏見版版木活字52,000個余りが残っているという。

 山門をくぐり拝観受付に行くが不在、庭にはやわらかな新緑のモミジが多く、
その下に苔が一面に広がり、色鮮やかなシャクナゲが咲いていた。

 山側の墓地には、井伊直弼に仕えた密偵・村山たか女や、広島原爆で死んだ
マレーシア留学生オマール氏の墓があった。(続く)

【参考】修学院離宮を参観したい方は、下記「宮内庁参観案内」をご覧下さい。
http://sankan.kunaicho.go.jp/



 

 、

 

 

 

 



 


 

    
  




 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 花の吉野山 | トップ | 修学院離宮と曼殊院、知恩院... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (むく)
2006-03-23 00:12:30
はじめまして。平出遺跡から検索してましたら出会いました。拝見しましたらいろいろなところにおでかけですね。その中の諏訪大社は地元です。近くまで来られたのですね。特に京都は興味深く拝見しました。また見せてください
返信する
中山道 (saikoroat)
2006-03-23 10:34:10
むくさん、ご覧いただき有難うございます。

私は、グループで中山道を歩いたり、一人で塩の道

を歩いたり、仲間と安曇野を歩いたりしており、

信州を歩くのは大好きです。

これからも、信州だけでなく、あちこちの魅力ある

コースを紹介したいと思いますので、気の向いた

時に見て下さい。
返信する

コメントを投稿

京都を歩く」カテゴリの最新記事