2010年10月11日(月・祝)
今日は、戸隠神社の中社と奥社の間の、標高1200m前後にある三つの池を巡
る予定である。中社周辺には、もう観光客の姿が結構見えている。
県道を挟んで中社の南西にある、そば屋さんの大きな駐車場の横から、まずは
小鳥ヶ池への山道へ。
すぐ先に、移設して集めたらしい古い五輪塔の頭部や墓石などの石塔が20数
基並び、小さな社と鳥居もあった。
広葉樹が主の林の中を15分ほどで、小鳥ヶ池の東南端に出た。色づき始めた
紅葉が、鏡のような静かな池に影を映す。静かなたたずまいの池である。東屋
(あずまや)があったので、小休止した。
池のかなりの部分に、水草がたくさん覆っていて、池の景色に変化を与えてい
る。近くのハゼが、鮮やかな彩り。
池の周囲を一周する遊歩道があるので、反時計回りに回ることにした。半周以上
を過ぎると、山栗の木がいくつかあり、小さな栗の実がたくさん落ちている。今日は
急ぐことはないので、みんなで拾って袋に入れた。
東屋の近くまで戻り、道標に従って次の鏡池に向かう。こちらの道にも山栗が
何カ所かにあり、実は小さいがさらに収穫が増えた。
緩やかな上り道となり、1310.8m三角点のある山の南側を回って行くと、
「硯石(すずりいし)」の案内板があった。信州女傑の一人というおまんの、硯石
にかかる話が記され、そばに硯のような上部に凹みのある岩があった。
少しガスが出て、遠方の視界が利かなくなってきた。落ち葉の間からいろいろ
なキノコが出ているが、食べられそうなのはない。
シラカバが増え、車の音が聞こえて間もなく、鏡池のそばにある駐車場や数棟
のバンガローが現れ、人出も増える。バンガローの先に回ると、池を見下ろす高
台に、売店のある「鏡池どんぐりハウス」の建物がある。
ここは鏡池の南東端で、シャトルバスの停車場もあってひんぱんにバスが着き、
「ここが鏡池でーす」と叫ぶガイドの声が聞こえる。
われわれは、その下の池の畔の芝生にシートを敷き、N会長が沸かしてくれた
温かいコーヒーやココアなどをごちそうになる。
池の向こうにそびえる戸隠連峰の、鋭鋒の山頂付近にかかる雲が次第にとれて、
ほぼ全容を見せてくれるようになった。
来る途中では雲が多く、展望はあきらめていたのだが、この幸運に皆喜ぶ。た
だ風があり、せっかくの鏡池は揺れ動いていて、鏡のような池に山の倒影を見る
ことができないのが少し残念だった。
戸隠連峰や、色づき始めた紅葉をゆっくりと眺め、記念撮影をしたりして1時間
ほど滞在した。
池の東側の遊歩道を北に向かう。緩やかできれいなせせらぎを渡ると、木道が
多くなった。
正午近くなって観光客が増え、木道を下りて行き交わねばならぬところもある。
清流を見下ろしている人がいたので聞くと、イワナだという。少し淵となったとこ
ろに1匹のイワナの姿が見えた。
林間の小広場に朱塗りの鳥居があり、天命稲荷が祭られた小さい社がある。
その前を右折してすぐ先には、女性姿の古い石像が2つ建っていた。
近くには、「ツキノワグマ出没情報」の張り紙があり、このあたりでひんぱんに
目撃されているという。でも今日のような人出なら、熊も遠慮するだろう。
木道が続く湿地林の一帯は、戸隠森林植物園となっていて、小さい流れのあち
こちに、ミズバショウが見られた。
南から東へと緩やかに回り、ダケカンバやカラマツ林の間を抜けて、森林植物
園の一角にあるみどりが池のほとりに出た。
木に絡(から)まったツタウルシの紅葉がよい彩りを見せ、桜の紅葉が池に影を
映す。
近くにある森林学習館の横を進むと、マユミの実が色鮮やかだ。「戸隠小鳥の森」
の石標の横から県道三六号に入り、戸隠神社中社に向かう。
緩やかな下り道だが、観光に来た他県ナンバーの自家用車が多く、歩道が無い
ので右側を、一列で注意しながら進む。
中社近くになると、進行方向の車線は渋滞で車が連なっていた。中社前に戻る
と、朝とは大違いの混雑ぶり。そばのそば屋「うずら家」の前には、道路の両側に
待つ人が並んでいる。
われわれも中社付近で昼食の予定だったが、これでは何時間もかかりそう。13
時十分に旅館に戻り、途中で昼食をすることにして、10分足らずで帰途についた。
【コースタイム】成瀬旅館8・35ー小鳥ヶ池東屋8・50~9・00ー(池一周)ー東屋下
9・30ー鏡池・どんぐりハウス下10・37ー11・36ー天命稲荷11・46ー随神門への
分岐11・56ーみどり池12・22~35ー成瀬旅館13・10~19=黒姫町の長原農園
13・45 ~55=道の駅しなの14・10~19=小布施PA14・37~45=梓川SA
(昼食)15・38~ 16・15=岡谷JC17・00=境川SA18・12~21=大月出口
18・50~19・11=JR藤野駅前20・38 〈注 =自動車 ー歩き〉
(天気 晴一時曇、距離 7㎞、累積標高差 約350m、地図 「山と高原地図
妙高・戸隠 雨飾」、歩行地 長野市)