2010年4月15日(木)
==忍野から山中湖平野へ==
夜半からかなりの雨音を感じていたが、起きたらやはり雨。でも、雨音と思っ
たのは、宿の池に落ちる小さい滝の音だった。
今日は、鳥居地峠から稜線を高座山、杓子山、鹿留山、立の塚峠、二十曲峠、
石割山を経て、山中湖畔に下る予定だった。
でも、一日中雨の予報で気温も10度以下、稜線では積雪も予想されるので、
午前中は山ろくの忍野村の集落などを回り、二十曲峠以降を予定どおり進むこ
とにする。
雨の完全装備をして、7時50分に鱒の家を出る。そばの駐車場のトイレは、
かやぶき屋根の建物だった。
近くのコンビニで、昼食などを仕入れる。
まずは、朝食前に、やまさんが雨の中回って見つけたというお勧めの道、桂川
沿いを昨日来た下流の方に戻ることにした。
忍野八海のすぐ西には、流れに沿ってスイセンが咲く。
右岸を進むと、釣りをしている人がいる。東京・八王子からよく通っているという
方で、このあたりはルアーフィッシングという擬餌針(ぎじばり)による釣りのメッ
カともいうべき釣り場らしい。その先でも何人かの釣り人が、糸を流していた。
流量豊富で、きれいな流れの両岸は、芽吹き始めた広葉樹林が多く、緩やか
なカーブを描く自然堤防のままの、昔ながらの穏やかな流れが続いている。
昨日休憩したさかな公園の先まで1㎞前後進み、橋のところで北側の車道に
上がる。広い自然公園のようなところに入ると、大きな建物があった。
岡田紅葉写真美術館と小池邦夫絵手紙美術館の看板があり、開館は10時と
なっている。時刻は9時5分頃なので入館できないと思っていたら、玄関を空け
て、「入館できます」と声をかけてくれた。
定刻より1時間近くも前に、開館してくれたことに感謝して入館し、岡田紅葉の
富士山のモノクローム時代からの写真と、絵手紙の第一人者、小池邦夫の絵手
紙の数々を観覧した。
桂川沿いをコンビニのそばまで戻り、さらに忍草集落を東に、流れに沿って進
む。小さい花びらの桜があちこちにあり、冷たい雨に下を向いて咲いている。
川沿いを離れて山すそに回り、ソメイヨシノが見ごろの東園寺へ。
山門の2階が鐘楼になっていて、本堂の前も、ソメイヨシノに彩られていた。
山すその道を東に進むと、蛇頭疫神社の由来が示されていたが、神社には寄ら
ずに通過する。
忍草集落を東に抜け、畑作地帯を通過して忍野中の横から南に回り、忍野村役
場を訪ねる。窓口での対応はとおり一ぺんで、とりたてて新しい情報は得られな
かった。
内野集落の三差路の角にあった、承天寺の本堂の屋根下を借りて昼食をする。
気温は5℃前後か、歩いているとさほど感じないが、食事中は手がかじかんで
寒い。
役場前の通りの一本北の旧道を東に進む。「純手打渡辺うどん」の看板の前に、
車が何台も止まっていて、味が評判の店らしいことが知れる。
何軒かの家の軒先に、見たことのない布製の飾り物が下がっていた。何のため
のものだろうか。
集落を抜けて、田園地帯を東北に進み、カーブの続く車道を緩やかに上がり、二
十曲(にじゆうまがり)峠に着いた。標高は1150mほどあり、雨は雪に変わった。
峠には水神様や山の神が祭られ、しっかりした休憩舎やトイレなどがあり、富士
山や忍野高原、アルプスなどの展望のよいところのようだが、今日はガスに煙り、
全く展望は得られない。
稜線を南東へ、石割山に向かう道には雪が積もり始めて白くなり、枯れ枝には
樹氷がついている。
送電線に沿ってゆっくりと上がり、4つ目の塔のところを右折すると、すぐ上が山
梨百名山の一つ、石割山頂。山頂はもっと上かと思っていたのが、拍子抜けの感
じだった。
標高1412.5mの三等三角点があり、富士山の展望台のはずだが、雪で展望
は閉ざされていた。
ここからは方角を南西に変えて稜線を下って行く。滑らぬよう注意して進むと、次
のピーク平尾山(1318m)は近い。草原の山頂は広く、ベンチが二つあった。
下りは丸太の階段が続き、うっとうしい。さらに稜線を下り、芙蓉台別荘地の上部
に出た。別荘地に沿って鉄条網が張られているが、手前の東側を少し下がる切れ
目があって別荘地に入れた。
等高線に沿ってくねくねと続く、別荘地内の道路を少しずつ下り、山中湖畔に近
い不動坂集落にある、コテージペンションまりもに、15時40分に着いた。
食堂の温かいストーブの回りに濡れた雨具や靴などを干して乾かし、冷えた体
を円筒形のひのき風呂に入って温める。
【コースタイム】鱒の家7・50ー岡田紅葉写真美術館9・05~10・00ー忍草・東園
寺10・30~内野・承天寺(昼食)11・35~12・00ー二十曲峠13・15~30ー石割山
14・10~20ー平尾山14・45~50ー芙蓉台団地上(稜線)14・58ー不動坂・コテージ
ペンションまりも15・40
(天気 雨後雪、距離 18㎞、累積標高差 約1,130m、地図(1/2.5万)
富士吉田、御正体山、歩行地 忍野村、山中湖村、歩数 32,200)