あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

埼玉県民の日・川越の美術館や博物館など巡る②(埼玉・川越)

2024-11-20 10:16:52 | 美術館・博物館・展覧会等の観覧
 2024年11月14日(木)(1/3)  =川越市立美術館と市立博物館=

 川越市の蔵造りの街並みを巡り川越まつり会館を観覧後、市役所通りを東進して、川越
市立美術館前へ。



 10月26日(土)~12月8日(日)、特別展「江戸のお洒落装身具」展を開催中だ
が、当館も県民の日の今日は無料公開なので入館して観覧する。(通常の入館料600円)。


   特別展の狙いなどについて、リーフレットから。


   
 江戸の装身具として、袋物や髪飾り、そして江戸風俗の世界が紹介されていて、撮影禁
止なので、リーフレットでそのわずかな一端を。
      

 会場は「1 袋物さまざま」 「2 女性のお洒落・男性のお洒落」 「3 オランダ好み」
「4 お洒落アイテム逸品・稀品」の4つのコーナーに分かれている。

 展示されていたのは、縫袋、煙草入れ、守り袋、袂落とし、鏡入れ、懐中鏡入れ、箸差
し、千代紙、飾り箸など、あわせて252点という多数の小物などで、江戸の人達のお洒
落のための持ち物などが多彩だったことが伺えた。

 常設展示室では「小特集:中村一美 相原求一郎の画業3」という展示を開催していた
が、こ地らも撮影禁止だった。

   
 1階の小さい展示室のひとつでは「古民家惠比壽屋 織り工房 英」の展示があり、美し
い反物などを展示していたので、観覧して撮らせてもらう。
  





     

          

     

          



 さらに、向かいのタッチアートコーナーで展示の「有田有紀展 おもちゃカラー」展も
一巡して観賞した。
   









     



 12時10分頃、川越市立美術館を出た。建物の南側に展示されていた鉄製のアート。

 「オニムシの夢」という金沢健一氏の作品のよう。


 隣接して並ぶ、美術館と同様な和風の建物が川越市立博物館。ここは入館したことが
ないが、美術館同様に今日は無料公開なので入館することに。(通常の入館料200円)


     リーフレットに掲載の、当館の案内とレイアウト
     



 最初に常設展示室へ。入口を入り正面が「《近世》小江戸 川越」展示コーナー。江戸
を支えた城下町川越の特色を、町と村、文化、新河岸川(しんがしがわ)の舟運などの
テーマでの展示している。

 展示物は沢山あるが、ほかの各コーナーとも目についた展示の一部を紹介する。


     





 この後行く喜多院の前身、北院の第27世住職・天海僧正(1536?~1643)

     









 次は中央部北側の「《近・現代》近代都市川越の発展」というコーナーへ。






     



     

          

 奥まで進んで南側の「《原始・古代》川越のあけぼの」コーナーに回る。








 さらに「《中世》武士の活躍と川越」コーナーへ。
     
          太田道灌
          

     
          
 一番奥の「《民俗》川越の職人とまつり」というエリアは省略した。

   
 常設展示の観覧後、右手の特別展示室で開催中の「第51回企画展 ノガタとサトカタ 
-武蔵野の農業と技術-」会場へ。
     






 水塚の家










 代掻き(しろかき)の写真





 私も、県内小川町(当時は隣村)での小学生時代、旧暦10月10日の「とうかんや」
に用いたことがある「ワラデッポウ(藁鉄砲)」。
  
 これを庭先で叩き、音に驚いたモグラを追い出すという行事だった。 
                                

 武蔵野の落ち葉堆肥農法の用具など               


 明治43(1910)年8月、市中心部を流れる赤間川(あかまがわ)が氾濫した様
子だという。                            



 企画展を観覧後に中庭に出た。

 庭にはたくさんツワブキが咲き、その中ほどにある水琴窟(すいきんくつ)のところで
石に水を流して軽やかな音を聞いた。




 入口付近まで戻って思い返し、省略した左手奥の展示、「《民俗》川越の職人とまつり」
コーナーをざっと一巡して観賞した。                
     





     
 
 13時12分に川越市立博物館を出て、南側にある川越城本丸御殿に向かう。〈続く〉




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埼玉県民の日 川越の美術館や博物館など巡る①(埼玉・川越)

2024-11-17 22:04:21 | 美術館・博物館・展覧会等の観覧
 2024年11月14日(木)(1/3)  =蔵造りの街並みと川越まつり会館=

 「埼玉県民の日」の今日は、県内の公立の博物館や美術館などが無料公開されているの
で、それらを複数観覧できる川越市内を訪ねることにした。

 西武新宿線下り電車で、終点の本川越駅に定刻より3分遅れた9時44分に下車した。


     
 改札を出て斜向かいにある「本川越駅観光案内所」で川越市内のパンフレットなどを
入手して、9時52分に東口をスタートする。

 北側の広場では来る本位置を開催中で、幾つかのテントに古書店が出店していた。


 その先には、写真入りの立派な観光案内パネルが。

 
 北進して、以前より拡幅された通りを少し進むと蔵造りの建物が残っていた。





 連雀町交差点の先は、以前と同じ片側1車線ずつの車道で歩道も狭いが、着物レンタ
ル店や趣ある店舗も幾つか目につく。
     

          

 川越七福神のひとつ、「連馨寺(れんけいじ)」には参拝せずに通過する。


     


 仲町交差点を過ぎると蔵造りの町並みとなる。
 

 市の伝統的建造物に指定されている洋館「山吉ビル」。もとは呉服店や山吉デパート、
丸広百貨店として使われていたよう。

 
 その先にも、古い洋館が幾つか目につく。



 蔵造りの建物が増えてきた。






 その中心辺りの交差点際にあるのが、国の登録有形文化財の「りそなコエドテラス」。
   
 大正時代に建築された旧八十五銀行本店で埼玉銀行の時代が長く、最後は埼玉りそな
銀行川越支店だった建物を活用した施設で、現在は1階にカフェのみオープンしていた。


 さらに蔵造りの通りを進む。


   2つめのT字路を入った東北側には、川越のシンボルともいえる「時の鐘」が。
   






 蔵造りの家並の終わりに近くに「川越まつり会館」がある。

 いままで何度も川越に来ても通過していたが、県民の日の今日は無料公開(通常の入
館料300円)なので入館した。


    館内は、今年3月1日にリニューアルオープンしたという。
   




 
     
 廊下を進んで突き当たりを左折すると、天井の高い広いエリアにユネスコ無形文化遺
産や国指定重要無形文化財になっている川越まつりの山車が2台展示されている。
 
      
     照明が低めで撮りにくいが、周辺の飾りもの幾つかとともに。
                  

      右の山車は、旭町3丁目の「松平信綱の山車」
     

          

     

          

     左の山車は、菅原町の「菅原道真の山車」    
       

          

     

 周辺のディスプレイも。


 展示室の左手の映写室では、3面スクリーンで川越まつりの魅力を伝える映像を定期
的に上映しているが、この先で幾つもの建物などを回る予定なので観覧は省いた。

 2階に上がってこちらでの展示も順次観覧する。






 10時52分頃、川越まつり会館を出て、すぐ先、北側の札の辻交差点で右折して市役
所通りへ。


 川越名物「芋ようかん」の店など。


 市役所の方からは、環境に優しい電気ボンネットばすが。



     次の交差点の北東側が川越市役所で、敷地の西南端には太田道灌立像がある。
     


 さらに進むと、南側に「川越城中の門堀跡」が復元されていた。







 

 「道灌まんじゅう」の店の前を過ぎると、川越市立美術館が近い。〈続く〉




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「大仏師 松本明慶 仏像彫刻展」と川越八幡宮などへ(埼玉・川越)〈後半〉

2024-10-17 17:18:58 | 美術館・博物館・展覧会等の観覧
 2024年10月11日(金) 〈後半〉

 =川越八幡宮から小江戸蔵里へ=

 丸広川越店での「大仏師 松本明慶 仏像彫刻展」の観覧と西雲寺を経て、クレアモールを
南下し、みずほ銀行の横から一番町通りを東へ、次の十字路を右折して八幡通りに回る。

 川越八幡宮はすぐ先で、境内南西側に鳥居と来週末の10月19日(土)と20日(日)
開催の「川越まつり」に出ると思われる新富町二丁目の山車蔵(だしぐら)がある。


 改修工事で囲まれた鳥居の横を回り、西側参道を入る。


 参道両側には、この秋収穫された稲穂がたくさん奉納されていた。これが「初穂」とい
うのだろうか・・


     

          

 東側広場の東端には神楽殿があり、川越女子高書道部が年頭に奉納した大きな文字が。


 南側には、川越一中の美術・文化総合部が奉納の大絵馬も。


 川越八幡宮は、平安時代の長元3(1030)年に源頼信による創建という古社。祭神
は第15代応神天皇で、古来から安産・厄除の神様として崇められているよう。

 境内の、2本のイチョウが寄り添い1本に結ばれたご神木「縁結びの木」は、全国的に
有名だという。

     
     東向きの拝殿前にも幾つかの稲穂が奉納され、そのひとつを鳩がついばむ。
          


 拝殿前の手水鉢には、キクの花の花手水が。




 拝殿に参拝する。境内には七五三詣での家族連れが何組か見られた。


 拝殿前には何種かの絵馬が並んでいる。


     さらに、拝殿左手奥の幾つかの摂社などにも参拝することに。
     

          
     サイカチ(再会)の木。当社の祭神、応神天皇の母 神功皇后がサイカチの木
     を植えて、親しい人々との再会を祈念されたと伝えられているよう。     
     
     サイカチに向かって、好きな人との再会や良縁、まだ見ぬ人との出逢いを祈れ
     ば、きっと願いが叶うと信じられているとか。

 稲荷神社の祭神は、倉御魂神(うけのみたまのかみ)(保食神(うけもちのかみ))で、
衣・食・住の総てを守って下さる神様のよう。
     

     石積みの上には、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこ
     と)を祭神とする川越三峰神社が。
     
     川越八幡宮創建から千年の記念事業として令和2(2020)年に遷座されたという。

          西参道側にあるのは「ぐち聞きさま」。
          
          「ぐち聞きさま」は、一度に十人の訴えを聞き分けたといわれる聖
          徳太子のお姿という。

     その左手には菅原道真が祭神の菅原神社と目の神様が。
     
     菅原神社は学業成就・受験合格の守り神。

          
          目の神様の祭神は、大国主命(おおくにぬしのみこと)と小彦名
          命(すくなひこなのみこと)という。
               

     
     八幡宮の拝殿横には、桃をかたどった祭神と厄除桃の若木がある。


 境内北側中央部には門構えのような建物があり、「榊原宮」の表札が。


 摂社のエリアの前には、民部稲荷神社があり、衣食住の総ての守り神であるとともに、
足腰の健康にもご神徳があるとされているという。


     
     その横に立つイチョウは、根本から男イチョウと女イチョウの2本に分かれて
     いて、安産・子宝を祈願する多くの人が人々が手を合わせる縁結びのご神木。
          

 境内を一巡し終えたので、西参道から川越八幡宮を後にした。


 参道に咲き残はアサガオのような花


  八幡通を少し北進、丸広百貨店より北側の交差点でクレアモールに戻ってさらに北へ。
     


 新富町一丁目に入り、新富町一丁目の山車蔵もある川越市の産業観光館「小江戸蔵里(こ
えどくらり)」に入る。
     

 小江戸蔵里のリーフレットから


 ここには4つの建物があり、道路側が明治中期建設の「おみやげ処」


 次は大正初期に建設の「まかない処」


     突き当たりは昭和6年建設の「ききざけ処」
     

 その奥にもう一つ、「つどい処」と呼ぶ展示蔵があったのを帰宅後にパンフレットを見て
知り、今回は入らず。以前も何回か来たが、入った記憶が無い。

 13時30分頃になっていたので、まずは「まかない処」で昼食をすることに。入口を
入ったところにある大きな壺
     


 中は仕切りのない広い空間で、小江戸川越が誇る地産地消の食をふんだんに用意してい
るよう。




 とろろ蕎麦を注文し、美味しくいただいた(1,150円)。
 

     
          店内にはつるし雛がいくつか下がる。
          

 食事を終えて14時頃、そばの「ききざけ蔵」へ。


 ここでは、日本酒の生産量が全国第4位の埼玉県内にある全蔵の日本酒が用意されてい
て、有料の試飲器などから飲み比べが出来、醤油や味噌など発酵食品を取りそろえた発酵
グルメコーナーもある。










     













 一巡したが、日本酒は普段愛飲していないので利き酒や購入は省いた。


     最後に道路側にあり一番大きな建物の「おみやげ蔵」へ。
     

 ここでは、小江戸川越ならではの菓子や食品、民芸品などを中心に、様々な土産品が販
売されている。







 館内には、修学旅行で川越を訪れたらしい女子高生が多かった。

     





 買いたいものはたくさんあったが、川越芋ペースト使用という「川越芋きんつば」(税
込1,188円)のみを求める。
     

 14時30分頃、「小江戸蔵里」を後にして、本川越駅に向かう。近くで目についた古
い商家


 周辺の店舗には、10月19日(土)・20日(日)に開催され、「ユネスコ無形文化
遺産」にも登録された「川越まつり」のポスターが。
     

 次の交差点際にも、古い商家が目に入る。

 
 クレイアモールを戻り、こちらの商店でお好みのかき餅久助を求めた。


 本川越駅に戻り、14時57分発 西武新宿行の上り電車に乗る。



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「大仏師 松本明慶 仏像彫刻展」と川越八幡宮などへ(埼玉・川越)〈前半〉

2024-10-16 17:36:33 | 美術館・博物館・展覧会等の観覧
 2024年10月11日(金) 〈前半〉

 =「大仏師 松本明慶 仏像彫刻展」から西雲寺へ=

 標記催しを埼玉新聞のサイトで知り、今日観覧に行くことにした。

 西武新宿線 新所沢駅から下り電車に乗り、11時02分に終点 本川越駅に下車する。


  駅構内の本川越駅観光案内所で、川越市の観光パンフレットを幾つか入手した。
     

 川越には、2021年11月5日に市立美術館での吉田博展の観覧などに来て以来で、
ほぼ3年ぶりになる。

     
 東口駅前の信号を渡り、1本東側を南北に延びる通り、クレアモールを少し南下して、
丸広(まるひろ)百貨店前へ。
     
 店内はリニューアル工事中のよう。


 目的の展覧会のほかに、「北海道の物産と観光展」も開催中。


 エスカレーターで会場の5階催し場へ。



 入口に展示されていた、この像のみが写真撮影可能だった。

        
 入場料800円にて入場券を求め、パンフレットを入手して展示会場に入る。
     

   パンフレットの表紙裏に掲載の「ごあいさつ」と「松本明慶先生略歴」




 会場には、300点を超えるという精巧な木彫の大小さまざまな仏像彫刻が展示されて
いた。それらの一部をパンフレットから。

     
        大黒天(ねずみ付き)

          
             阿弥陀如来

     
        烏枢沙間明王


     布 袋

       
        毘沙門天

          
             雷神

     
        延命地蔵尊

          
             不動明王

     
        大日如来

          
             弘法大師

     
        薬師如来

          
             聖観音菩薩

     

     
        聖観音(蛙付き)

   
        鬼に金棒(蛙・てんとう虫付き)




        
 仏像は何れも精巧で緻密に刻まれていて、彩色された仏像はその繊細な彩りにも感嘆さ
せられる。

 すべて合掌したくなるような見事な作品ばかりで、運慶や快慶など慶派の流れをくむと
いう松本明慶先生とご子息など、スタッフ総ての技の詰まった仏像彫刻展だった。

 40分ほど観覧して、12時過ぎに会場を後にする。


 丸広川越店の前は何度も通過して、本川越駅と東武東上線の川越市駅間を行き来してい
たが、店内にはほとんど入らなかった、

 そこで今日は、フロア案内で気になった7階までエスカレーターで上がり、さらに階段
で屋上の「エンジョイ広場」へ。








 中央部にあるベンチと植栽。



 四方の展望が得られるが、南側と北側は川越の中心市街地なのでビルで遠望は利かない。


                                      武甲山  

 西側に回ると奥武蔵や秩父の山並みなどが望まれ、ズームアップすると日本二百名山で
秩父のシンボルともいえる武甲山(ぶこうさん)も。

 さらに遠い山並みなどは霞み、はっきりとは見えない。



     エンジョイ広場の北西側には、民部稲荷神社が祭られていた。
     


 東側眼下には、丸広の駐車場などが見下ろせる。



 東南東方向には、さいたま新都心かと思われるビル群が望まれた。


 上空には秋の到来を告げるような雲が。




 ほかのフロアも少しだけ回り、12時30分頃に丸広川越店を出た。


 店の前、クレアモールを挟んで西側に西雲寺(さいうんじ)の山門が見えたので、参拝
して行くことにした。


 山門を入った左手に、いま観覧してきた「大仏師 松本明慶 仏像彫刻展」のリーフレッ
トがあり、なんと招待券も付いていたので1枚いただくことに。
     
 なお、いただいた招待券は、翌日連れ合いが観覧に出かけて有効に使わせてもらった。


 山門を入り突き当たりに本堂があり、左手前には鐘楼などが。
     




   本堂に参拝し、境内北側にある三体地蔵尊堂にも手を合わせ、山門を出た。
     

 この後、丸広百貨店の東南側にある川越八幡宮へも何年ぶりかで回ることにして、クレ
アモールを少し南へ、

     
 のどの渇きが気になっていたが、すぐ先の天然鯛焼き店でアイスクリームを販売してい
たので懐かしいアイスもなかを求め、南側にある みずほ銀行の角でのどを潤す。〈続く〉
 
 



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府中市美術館で「吉田初三郎の世界展」を観覧(東京・府中)

2024-07-01 13:24:30 | 美術館・博物館・展覧会等の観覧
 2024年6月26日(水)

 地図に興味のある方ならご存じ、大正時代から昭和にかけての鳥瞰図作家、吉田初三郎
の作品を紹介する企画展が府中市美術館で開催中だが、会期も残り少なくなったので今日
観覧に行くことにした。

 10時04分に自宅を出て、西武池袋線から新宿線、国分寺線へと乗り継ぎ、国分寺駅
に11時06分に着いた。

 南口に回ると、乗車予定の11時14分発 府中駅行(東八道路経由)の京王バスは、も
う1番乗り場に来ていたのですぐに乗る。


    美術館に最寄りの天神町幼稚園バス停には、 11時30分に着いた。
     

 少し戻って交差点を東へ、一本木通りに入る。


 下りた停留所名の府中天神町幼稚園は、次の十字路の東北側にあった。



 住宅街をさらに進み、やや斜めに交差する小金井街道との交差点の南側一帯が「都立府
中の森公園」で、交差点際には人工の滝が数カ所から落下している。



 その東側が、今日の目的地の府中市美術館。入口は回廊の少し先で、11時50分頃入
館した。




    
  1階ホール吹き抜けの2階から下がる企画展の幕↑と企画展の↓ポスター
 

 受付カウンターでチケット(800円)を購入し、2階の企画展示室へ。
  

 展示室内は撮影禁止なので、企画展「吉田初三郎の世界」展の折込リーフレットから


 折込表面の右↑から左↓へ


  この企画展についての紹介
  

 吉田初三郎について、同じリーフレットから

 『吉田初三郎〔明治17(1884)~昭和30(1955)年〕は京都に生まれる。
友禅の図案絵師への奉公等を経て、洋画家・鹿子木孟郎が主宰する画塾で学び、鹿子木よ
り示された商業美術の道に進む。

 大正3〔1914〕年に「京阪電車御案内」が皇太子(後の昭和天皇)の目に留まり、
「奇麗で解り易い」との言葉を受ける。

 鉄道省による旅行ガイドブック「鉄道旅行案内」の挿絵と装丁を手がけ、また観光誘致
を盛んに行った鉄道会社からの依頼による沿線名所案内を数多く描き、「大正の広重」と
呼ばれた。

 昭和5(1930)年には鉄道省国際観光局によるポスター「Beautiful Japan」を描く
など、大正期から総和戦前期にかけて観光グラフィックの分野で幅広く活躍し、生涯手が
けた鳥瞰図は1,600点以上ともいわれている。』

 以下は、この企画展について、同じリーフレットから

 『大正から昭和戦前期、日本各地を空から見下ろす視点で描いた吉田初三郎(1884
~1955)が、独自のデフォルメによって広い範囲が一望できる鳥瞰図面は、細部まで
描き込まれ、まるで絵の中を旅するように見飽きることがありません。

 本展では肉筆鳥瞰図を中心に、絵画・ポスターなど様々なメディアで展開された、吉田
初三郎の姿を紹介します。』

 企画展の折込リーフレット内面に手紹介されていた、吉田初三郎の作品の幾つかも。

      
     ポスター Beautiful Japan 「駕籠に乗れる美人」

          
          油彩画「地獄谷の渓流」

  
  ポスター 「霧島・林田温泉」


 屏風 「犬山之春」↑と「蘇川之秋」↓



 肉筆画「筑波山神社を中心とする名所図会」
 

 肉筆画 「神奈川県鳥瞰図」


 印刷折本「神奈川県観光図絵」

 これら作品のほか、会場では「1章 初三郎の時代」として電鉄案内、鉄道旅行案内、
鉄道開通記念、さらに明治天皇像、大東亜戦争鳥瞰図、靖国神社絵葉書、資料「旅と名所」
など55点。

 「2章 魅力に迫る」では、箱根山鳥瞰図、京都市洛北名所図絵、高千穂名所図絵、京
王電車名所図絵、大大阪市街電車路線図、日本鳥瞰近畿東海大図絵、樺太、日本交通鳥瞰
図、富士須走口駿河登山道案内ほか28点。

 「3章 制作に迫る」では、天下の絶勝 日本ラインご案内、箱根名所図絵、旭川市鳥
瞰図、豊橋市とその付近、岩手県観光鳥瞰図、長野電鉄沿線温泉名所案内、観光信州など
23点。

 あわせて100点を超す多彩な作品や案内図、絵図や資料などが多数展示されていて、
予想以上に興味深い充実した企画展だった。

 いまスマホでは、簡単に現在位置を確認したり行く手を探したりできるが、見える範囲
は極めて限られていて、ミクロ情報しか見られないように思う。

 これに対して、吉田初三郎の描いた地図は広い範囲を網羅し、周辺の様子や行く手の情
報なども容易に理解できる工夫に満ちており、広い範囲をマクロで俯瞰していて、見てい
るだけでも楽しく、当時の諸情勢も分かり見飽きることがない。地図ファンとしては満足
できる展示の数々だった。

 会場を出た2階ロビーに「京王沿線すごろく」が置いてあり、一人1枚ずつもらえると
いうのでいただく。A3サイズを左右分けてスキャンしたので、中央の接続面がずれたが。


 このあと、2階の「府中市美術館コレクション展」も一巡する。

 会場内は、「たまマップ」と呼ぶエリアに「F市」「街道と鉄道」「河川と湧水」「多
摩霊園の美術家たち」「街を歩く、地図を描く」の6つのセクションが、さらに「画家が目
指した美術」「展示室で遊ぼう! すきかって連想ゲーム」の2つのエリアに分かれていた。

 最初の「たまマップ」には、吉田初三郎が関西美術院で学んだ洋画家・鹿子木 孟郎(か
のこぎ たけしろう)の作品を中心に、明治後期から昭和20年代にかけての多摩の風景が
中心に描かれ、

 次の「河川と湧水」でも、多摩川や井の頭、小金井など明治から昭和の多摩の風景を、
「多摩霊園の美術家たち」は、ここ府中の森公園からも近い多摩霊園に眠る岸田劉生、中村
不折、熊谷守一、梅原龍三郎、岡本太郎などの作品が。

 「街を歩く、地図を描く」には、地元府中の地図や大國魂神社、市民球場などの作品が
並ぶなど、こちらの展示も興味深い作品が多かった。

   観覧を終えて2階吹き抜けから見下ろす1階
   

     

 こちらはミュージアムショップ
    

 13時30分を過ぎたので昼食をしなくてはと1階に下り、南側に回ったら突き当たり
に「府中乃森珈琲店」があったので入る。


     
 メニューのトップは「気まぐれ店長のプレート」(1,070円)、季節の料理や地場野
菜などが味わえるよう。今日は「茹で鶏のスイートチリソースがけ」というので注文し、
ボリュームたっぷりの茹で鶏などを美味しく味わう。




 14時に店を出た。そばのロビーにある奇妙な椅子は、田原良作作の「彫刻家具(可動
ベンチ)」だという。

 
 美術館を出て、南側の「都立府中の森公園」の主要部を一巡することに。





 中央部を南北に延びる園路際に咲くのは、カシワバアジサイだろうか。


 桜並木が続くので、春は花見の市民で賑わいそう。


  東側はグランドで、その向こうには航空自衛隊航空総隊司令部のアンテナ塔も見える。 
  
 
 水辺のそばまで進むと、こんな彫刻が。保田春彦作「球を囲う幕舎」という作品のよう。 


  




 水辺の間を南に抜けると日本庭園なので入る。





 東側の梅林では造園技師の卵が実習中


 公園の南口付近へ。


 南側一帯は「府中の森 芸術劇場」のようだが、工事中だった。


 ここから折り返して樹林帯を抜ける。


     「道標・鴉(からす)」 柳原義達作品 1968年
     

 
     こちらの建物のそば↓の作品名は不明
       
 
  
  水のあるロータリーにはカルガモが。


 桜並木の中央園路を戻る。


 都立公園の東北端に戻り、府中の森公園交差点から西へ、往路の一本木通りへ。

 

 少し先に7月7日投票の都知事選の掲示板がある。立候補者数は56人のはずだが、張
られた候補者のポスターは8枚だけ。




 近くの畑に咲くのはダリアだろうか・・



 いちょう通りとの交差点に戻り、少し北にある天神町幼稚園バス停に14時55分頃着
いたら、すぐに国分寺駅行バスが来たので急ぎ乗る。
    

 国分寺駅南口には15時11分に着いた。

 

 西武国分寺線の国分寺駅発15時23分発に乗り、東村山と所沢で乗り換え、16時05
分に帰宅した。

 



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「第24回 水繪会合同展」観覧後「歴史と民俗の博物館」へ〈後半〉(さいたま市)

2024-06-08 18:45:56 | 美術館・博物館・展覧会等の観覧
 2024年6月1日(土)  〈後半:県立歴史と民俗の博物館へ〉


 午前中に埼玉会館での「第24回 水繪会合同展」の観覧を終え、JR京浜東北線下り電
車で大宮駅に12時20分に着いた。



 東武アーバンパークラインの大宮駅12時27分発に乗り換え、12時30分に2つ目
の大宮公園駅で下車した。


 
 大宮公園に向かう道筋にあるこの店は人気のようで、若い人の長い列が。


 

 大宮公園の北側にある「埼玉県立 歴史と民俗の博物館」に12時45分頃着いた。


 入口近くにある弥生時代の復元住居



 現在開催中のは企画展はないので、何度も観覧しているが常設展示を一巡することに。


     
     第1室 旧石器~弥生時代







         
     第2室 古墳時代



   

     

          

               

     
     第3室 奈良・南北朝時代


  

     

     
     第4室 美術展示室

     

          

     


     
     第5室 室町~戦国時代







 この後は地階に下り、次の展示室へ。

     
     第7室 江戸時代Ⅰ













     

 第6室 板碑




     



     

     
 民俗展示室



     



     



 第8室 江戸時代Ⅱと第9室 明治時代~現代の展示は撮影を省く。


 一巡したので1階に戻る。第1室の外柄壁面には近郊の展覧会のポスターがたくさん。




  エントランスロビーから南側には、豊富な新緑などが望まれる。
  


 13時50分過ぎ、館の西側2階にある無料休憩コーナーに上がり、喫茶でビーフカレ
ーとアイスコーヒーセット(650円+300円)を注文、いつものように遅い昼食に。


 
 14時10分頃、休憩コーナーから退館して大宮公園の北側へ。↓眼前のクスノキなど。


 
 舟遊池の北側沿いに、周辺を展望しながら園路を東進する。




 舟遊池の東端付近からふり返る池周辺の眺め
 

     池の南側にある売店際で、アジサイが咲き出していた。
     

 樹林下の園路を南へ向かう。

     
     「記憶の扉」 高岡典男作


 児童遊園地横を南進し、日本庭園に北東側入口から入る。


     

          







   

 南西側に抜けて、東側の門から武蔵一宮の氷川神社拝殿を囲む回廊内へ。


      
     東門を入った周辺には、たくさんの絵馬やおみくじなどが。





 拝殿↑に参拝して舞殿↓の横を進んで楼門を出た。


 拝殿前に置いてあった「氷川神社 社報 第三十九号 武蔵一宮」によれば、今年、令和
6年正月の参詣者は1日が約90万人、2日が約50万人、3日が約60万人で、三が日
の初詣参詣者は約200万人だったという。 

 ふり返る楼門



 神池の橋を渡って三の鳥居を後にする


  
     ケヤキなどの高木の並ぶ参道を南へ。
     

  
  二の鳥居を出た。

  一の宮通りを南西へ。
    

     さらに飲食店などの並ぶ細い通りを抜ける。
     

 大宮劇東口に15時10分過ぎに着いた。


 15時15分発頃JR大宮駅中央改札口を入り、15時29分発埼京線上り電車に乗る。

 武蔵野線、西武池袋線経由で帰路へ、途中で買物もして16時45分に帰宅した。
 



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大宮スケッチ会 作品展と埼玉県立 歴史と民俗の博物館へ(さいたま市北区)〈後半〉

2023-12-11 22:42:25 | 美術館・博物館・展覧会等の観覧
 2023年11月22日(水) 〈後半・大宮公園と県立歴史と民俗の博物館〉

 大宮スケッチ会作品展を観覧してから武蔵一宮の氷川神社に参拝後、東側の門を出て、
12時30分頃、県立大宮公園に入る。

 そばの白鳥池の、中の島にある2本の大イチョウがよい彩り。

 
     池の東側にも2本、かなり色づいたイチョウが。
     


 公園の中央部に向かって北へ、売店の横を通過してアカマツやソメイヨシノの多いエリ
アへ。



 
     樹齢150年を超えるというシダレザクラは、もう葉を落としていた。
     

          近くに「皇后陛下行啓記念碑」がある。
          
 大正9(1920)年10月15日に、当時の皇后陛下が氷川神社に立ち寄られた記念
して建てられたよう。


 背後の、舟遊池の南側沿いの園路を西進する。 対岸の広葉樹は色づきが進む。
     

     池の北端付近の背後には、県営水泳競技場のスタンドが望まれる。
     



 池の北西端まで進むと、近くの大ケヤキがよい彩り。


   

 駐車場の中を抜けて、東側にある「埼玉県立 歴史と民俗の博物館」へ。
 

 構内に入ると、右手には復元された弥生時代の住居がある。



 館内では、特別展「縄文コードをひもとく」を開催中。
      

      入館して、まずはこの特別展会場へ向かう。(観覧料600円)
               


 特別展示室の手前の季節展示室では、最近配布を始めてらしい「埼玉縄文カード」関連
の展示が。








 特別展の会場近くで埼玉縄文カード6枚↑をもらい、特別展会場の特別展示室へ。

 県内の、ほかの博物館での配布場所と配布カードは以下の通り。




 配布期間は2024年1月14日(日)までだが、なくなり次第、配布終了とのこと。 



 さて、「縄文コード」とは何のことだろうか・・・ この特別展のリーフレットには、
以下のように記されている。

『埼玉県には多くの縄文時代の遺跡があり、発掘調査で膨大な数の縄文土器が見つかって
います。本展では埼玉県を代表する縄文遺跡や最新の調査で出土した縄文土器を一堂に展
示し、形や文様、衣装に注目して縄文土器にこめられた縄文人の思想〔縄文コード〕をひ
もときます。』

 最初の展示コーナー「プロローグ モースが見た縄文コード」から


















 「Ⅱ 縄文コードをひもとく」の展示から


































     
     『エピローグ 最後の縄文土器』のコーナー




 一巡したが、たくさんの縄文土器や説明資料があり、さほど縄文土器について理解して
ない自分としては、よくこれだけの資料と実物を集めたものだと感心するばかりだった。

 会場で入手の「展示資料一覧」によれば、展示された資料数(土器や深鉢など)265
点、取り上げた遺跡は49遺跡で、何れも埼玉県内のもののよう。



 13時40分頃、特別展会場を出た。まだ昼食前だったので、とりあえず昼食をするこ
とにして、2階西側にあるレストランに回る。

 もう、テーブルには1グループしかいなかった。

 品切れのメニューもあり、チャーハン(650円)を注文して遅い昼食を済ます。


 このあとは、何度も観覧してはいるが常設展示室もひととおり回ることに。目についた
展示をいくつか。




     





     

          

     













  


 一番上は、昭和20(1945)年8月14日深夜から15日未明にかけての熊谷空襲
で米軍が投下した爆弾中の不発弾。

 ちなみに、当時私は熊谷市の南西10㎞余りの農村に住んでいて、あの夜、熊谷空襲で
東北の空が一面赤くなっていたのを覚えている。 



     



 14時35分頃、県立歴史と民俗の博物館を後にした。

 

 県立大宮公園の北部、舟遊池の北側沿いの黄葉、紅葉を眺めながら園路を東進する。
     





 池の東端付近まで進んだ。いままでは、いつも大宮公園を南に抜けて大宮駅に戻ったの
だが、加齢に伴いかなり疲労が感じられるので、今日は最寄りの大宮公園駅に向かう。


 北に向かって進み、15時06分に東武アーバンパークライン(野田線)の大宮公園駅
に着いた。



 15時08分発、大宮行き上り電車で帰途につき、JR京浜東北線、武蔵野線、西武池
袋線と乗り継ぎ、暗くなった16時48分頃帰宅した。
  



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醤油の町 野田の茂木本家美術館と郷土博物館など(千葉・野田)〈後半〉

2023-12-03 18:29:46 | 美術館・博物館・展覧会等の観覧
 2023年11月16日(木) 〈後半:野田市郷土博物館と市民会館の観覧〉

 茂木本家美術館の観覧後、流山街道沿いのそば店で昼食を済ませ、郷土博物館などの観
覧に向かうことにした。

 昼食をしたそば店の隣に、古い洋館が目につく。「興風会館」で、昭和3(1928)
年に建設されたロマネスクを加味した近世復興式の建物。当時は、千葉県庁に次ぐ大建築
物といわれていたとか。
     
 現在は、最大652人の観客席の大講堂や集会場などがあり、講演会や展覧会、映画会
などが開催されるようで、平成9(1997)年に国の登録有形文化財になったという。

 この日は「野田美術会チャリティー展」を開催中だったが、入館は省く。

 流山街道をさらに北北西進み、キッコーマンンの本社ビル前を通過する。

 その先にも、古い洋館の建物があった。入口には「(株)千秋社」の表札があり、平成
19年(2007)度に経済産業省から認定された「近代化産業遺産」のパネルもあるが、
詳細は記されてない。


 次のT字路を右折して東へ、ファミリーマートやキッコーマン環境分析センターの先で
T字路を左折すると、北西側は野田児童遊園公園になっている。

 公園の北西側、大イチョウの奥に小さいが鎮守の森があるが、柵があり入れない。

 金寶殿本社と呼ぶ建物で、キッコーマン一族の茂木佐平治家のものらしい

 その説明パネル


 柵の外から金寶殿の精巧な木彫を眺めた。



 傾斜した手水舎にも、精巧な木彫が施されている。


 一角には、大きく傾くクスノキの老木も立つ。


 交差点の東側や北側には長い塀が巡らされ、東側すぐ先に寺院のような立派な門がある。


 その広い敷地内に野田市郷土博物館と市民会館があるようなので、13時55分頃に門
を入った。 





 「野田市郷土博物館 野田市市民会館」リーフレットから↑地図と↓敷地全体図

 
 門内は豊富な植栽があり、ここが郷土博物館や市民会館とは想像しがたい。


 まずは、門を入り左手奥にある野田市郷土博物館↓を観覧することに。


 郷土博物館の手前にあった、醤油のもろみをしぼる際に使われたという吊り石。


 郷土博物館前には、醤油のもろみをかき混ぜるために使われたという空気圧縮機が。


 野田市立郷土博物館のリーフレットに掲載の館の概要(入場無料)




 受付の左手にある展示コーナーでは、今年度の特別展「野田の剣術・剣道史」を開催し
ていた。
     
     そのリーフレットの表↑と裏面から




















     



 詳細に観覧したわけではないが、明治から昭和にかけて、野田では剣術や剣道が隆盛だ
ったことがよく理解できた。




 このあとは2階に上がり、回廊状の常設展示「野田に生きた人々の生活と文化」を観覧
する。




     


 目に着いた展示を幾つか。やはり醤油に関する展示が多い。




























     
 第二次大戦を終戦に導いた首相・鈴木貫太郎は、市内の関宿(せきやど)に住んでいて、
以前のウオーキングでその自宅横を通った記憶がある。
           



 この郷土博物館の建物は、2年前に国登録有形文化財となったという。

 最後に観覧したコーナーで紹介されていた、当館の設計者・山田守の設計した都心の大
手町にあった建物が、私の昭和30(1955)年代前半の勤務先だったことも思い出す。

 一巡後、受付の方(館長さん?)に話したら大変興味を示され、当館でも近年に山田守
氏関連の特別展を開催したと教えいただいた。

 開館は、現在の上皇ご夫妻の結婚翌年の昭和34(1959)年とのこと。その上皇ご
夫妻の結婚式当日には行列を見たことも申し上げる。

 私が所沢から来たことも受付時の記名でご存じで、ご実家の墓地が埼玉県中部にあると
も言われ、私が中学生まで近くの町で育ったことなど話し、思いがけずの縁に話が弾んだ。

 14時40分頃郷土博物館を出た。私の入館中、ほかに観覧者の来館は無かったよう。

 館前にはこんな展示も。(醤油仕込桶の底板)


 このあとは、東側にある市民会館の観覧に。

 市民会館というと、コンクリート造りのビルが想定されるが、なんとここは野田の醤油
醸造家だった茂木佐平治氏の邸宅で、市民の文化活動の拠点として活用され、合わせて見
学施設(無料)にもなっている。  リーフレットから↓


 玄関を入ったところに掲示の建物のレイアウト


 建物は、登録有形文化財と近代化産業遺産に認定されている。


 まずは玄関を入ったところの展示






 レイアウトに従い、廊下沿いに反時計回りに一巡する。目についたものを展示物などを
含めて順次紹介する。

 当館では将棋のタイトル戦も実施されたとか。これは第26期竜王戦対局者のサイン。








     






















 建物内を一巡後、玄関を出て左手の門を入って庭園へ。庭園も国登録記念物である。
















 ゆっくりと市民会館とその庭園の観覧を終え、15時05分に門を出た。同じ時間帯の
観覧者は4~5組の10人前後だったかと思われる。

 日没が早くなっているので今日の観覧はここで終え、駅に向かうことにする。
 
 東に向かい、T字路を右折してスーパー・コモディイイダ前を通過し、次のT字路を左
折すると空き地の向こうに駅が見えてきた。


 
 間もなく開設と思われる改築された高架下の駅舎前を進み、15時17分に野田市駅の
仮駅舎に着いた。


 2階のホームへ向かう連絡通路に、昼食前に寄った野田せんべいの「大川や」のシンプ
ルな広告がある。



 2階のホームに上がると、西方に夕暮れの近づく気配が望まれる。アンテナ塔は、野田
市下町交差点の南側にあるNTT東日本のもの。
     

 15時26分発の急行電車で大宮に向かい、大宮、南浦和、新秋津から秋津へと乗り継
ぎ、すっかり暗くなった17時33分に帰宅した。                

 


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醤油の町 野田の茂木本家美術館と郷土博物館など(千葉・野田)〈前半〉

2023-11-29 08:25:25 | 美術館・博物館・展覧会等の観覧
 2023年11月16日(木) 〈前半:茂木本家美術館の観覧〉

 野田市の茂木本家美術館で、版画家 川瀬巴水(かわせはすい)の特別展を開催中という
ので、わが家からは少し時間がかかるが観覧に行くことにした。

 自宅を9時前に出て、西武池袋線、JR武蔵野線と京浜東北線で大宮へ、さらに東武ア
ーバンパークライン(野田線)へと乗り継ぎ、11時10分に野田市駅に着いた。

 野田市駅周辺は高架化工事が進み高架下の駅舎もほぼ完成しているようだが、現在は柏
駅寄りの仮駅舎になっていた。


 広々とした駅前広場は大規模な再開発中で草の生えた空き地が広がり、県道46号・野
田牛久線の南側には醤油のキッコーマンの大きな工場がある。

 
 県道に面したその工場の正門前を進み、駅から500m余りで信号のある交差点を右折
し、右カーブ点の突き当たりにある『茂木本家(もぎほんけ)美術館「MOMOA」』に、
11時30分過ぎに着いた。


     入口横のイチョウがかなり色づいている。
     

 茂木本家美術館「MOMOA」は、キッコーマン創業家である高梨・茂木一族8家の茂木
本家の、12代茂木七左衛門が収集した作品を中心とした地元貢献型美術館で、もともと
は茂木本家のしょうゆ工場があった場所に建てられたもの。開館は2006年1月とか。

 茂木家邸宅や神社との位置関係を考慮したランドスケープや、周りに溶け込む建物のデ
ザインにも注目するとよいという。

 ちなみに「MOMOA」は、MOGI-HONKE MUSEAM OF ART の略のよう。 


 開館は水曜~日曜で予約制だが、予約なしでも余裕があればすぐ入館できるよう。予約
せずに来たが、すぐに入館できた(入館料700円)
       

 まずは、受付に近いファウンダーズ・ルームの展示を観覧する。


   横山大観  霊峰富士  


   中島千波  竹図


   梅原龍三郎  鯛


   小倉遊亀  古九谷鉢葡萄


   小倉遊亀  青梅


        小倉遊亀  古九谷徳利と白椿
     

 同じ部屋の小品の展示


 庭の一角の眺め


 次に入ったのは一番広いギャラリー1、ここには富士山の作品が並ぶ。




   

   中島千波  朝霧富士


   松本哲男  一宇一月明


   坪内滄明  秀峰


   大山忠作  黎明飛翔


   竹内邦夫  寂光




   松本哲男  富嶽

  
   梅原龍三郎  富士山



 この部屋の隅の表示、上を見上げると↓

 
     
          部屋の外の彫刻2点
          

 今日来た目的の「生誕140年 川瀬巴水 版画の旅」展は、庭に突き出たような位置の
細い部屋・ギャラリー3で後期(10月25日~12月10日)の作品を展示していた。
     

 川瀬巴水は大正・昭和期に活躍した版画家。今年は生誕140年の節目の年にあたとい
うことから、館の収蔵作品から巴水の初期から晩年までの代表的なシリーズから約100
点を前期・後期に分けて展示しているよう。



 現在は後期で、1923年の関東大震災で作品や版木、写生帖などを焼失した巴水が、
失意のなかから新たな創作意欲を掻き立て取り組んだ《旅みやげ第三集》のシリーズや、
復興に向かう東京の風景を取材した《東京二十景》、富士山を描いた風景画や戦後の晩年
の作品などを紹介しているという。

 展示は壁面とテーブル上にあり、最初は壁面の作品を左手から右へと一巡してそれら作
品の幾つかを。

     房州太海




     秋田空巣沼
     

          秋田土崎
          

     別府の朝 
           

 吉田の雪晴  
 

     西伊豆木負 
     



     東海道風景選集から 品川  
      
 
          三保の松原 
          

    田子の浦之夕
    

          元吉原の朝   
          

     平泉金色堂
     

 ここからは机上の展示を、真上から撮れないので画面は歪むが・・

 東京二十景から 芝増上寺


 神田明神境内  


 明石町の雨後  


 滝之川    


 荒川の月(赤羽)   


 新東京百景から 弁慶橋の春雨    


 佃住吉大社    

 
 日本風景集から 八之戸鮫   


 札幌中嶋の夕月     



 
 北海道洞爺湖    


 二見ヶ浦


 紀州瀞 


 ほかの作品を含め、あわせて48点が展示されていた。

 川瀬巴水の作品は、これまで美術館やデパートで何度か鑑賞しているが、今回は初めて
見た作品もあり、来た甲斐があった。  

     
 


 北側には、茂木本家の稲荷神社の森が。


 観覧後、東側のカフェの隅から外に出て、広い芝生地の庭園や稲荷神社などを巡ること
にする。
    


 庭からの建物左手↑から右手↓を。


 庭先の木柵の門を越えて稲荷神社方面へ。


     小さな社
     

          神社の森周辺のケヤキの彩り。
          

 うっそうとした樹林に囲まれた稲荷神社


 手水舎には、精巧な木彫が施されていた。


 江戸時代に作られたもので、屋根下の彫刻には「きつねの嫁入り」もある。






     社殿横のケヤキの高木 
     

 境内を一巡して建物方面へと戻る。


 12時40分過ぎ、茂木本家美術館「MOMOA」を出た。このあとは流山街道沿いで昼
食をして、北側近くにある野田市郷土博物館に向かうことにする。

 県道との交差点に戻り右折、すぐ近い次の交差点を右折して県道17号・流山街道へ。
まずは、交差点の西北側にあった須賀神社に寄る。


 須賀神社は、醤油業で栄えた人々が、鎮守様を祭ろうと元禄時代(1688~1703)
に上町から氏神を移して建立されたとか。社殿は全国でも珍しいという土蔵造り。


     小さめの社殿内には、みこしが保管されていた。
     

    
 すぐ先、右手にあった「大川や」というせんべい店は、駅構内のシンプルな広告を目に
していたので入り、久助せんべいを求めた。





 その先には手づくりそば店「古奈金」があり、昼食を終えた人が何組か出てきたので入
り、とろろそばを(920円)を注文して昼食とした。

 「古奈金(こなきん)は明治初期の創業。変わった店名は、初代の金藏さんが粉屋だっ
たことからとか。北海道産のそば粉で打つそばは細切りでシコシコ、つゆは醤油の香り高
い野田ならではの風味です。」と、かなり前の東武鉄道の「東武沿線さんぽ」(平成18
(2006)年6月発行)に記されていたとおり、おいしかった。


                                     〈続く〉



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埼玉県民の日 無料公開の「所沢航空発祥記念館」へ(埼玉・所沢)

2023-11-23 21:15:14 | 美術館・博物館・展覧会等の観覧
 2023年11月14日(火)

 好天の今日は「埼玉県民の日」。県内各地の公共施設などが無料公開されるが、4年ぶ
りに地元「所沢航空発祥記念館」の観覧に行くことにした。


 昨日と同様に西武新宿線航空公園駅の西口から東口へ回ると、駅前広場に展示している
国産旅客機YS-11も、今日は機外見学のみだが公開されていたので見学することに。


 後方左手の入口から入って左側主翼下から前面へ、さらに右手を後方へと一巡できる。




     左側主翼下の車輪回り
     
 
          前方から機体下部を
          

 右主翼前方から後方へと進む






 一巡したので柵内から出て航空記念公園に向かう。そばの交差点を横断してふり返る。


     

 昨日も見た市役所駐車場のイチョウは、幾分黄葉が進んだ感じ。

     
 東南側の市役所別館前では、毎月第二2火曜日に開催する「とことこ市」のテントが並
んでいた。

 ここでは、地元の野菜や飲食物などを直売している。



 野菜の直売テントでこの時期しか出ないハヤトウリを購入し、焼だんごのテントで焼だ
んごを求めた。


 市道を挟んでその南側から航空記念公園の西北部に入る。


 南側の広い芝生広場には、県民の日で休校の小学生家族など多くの市民が。


 芝生広場の東北側に航空発祥記念館があり、近くの芝生広場には航空自衛隊で使われた
C-46輸送機が。





 航空発祥記念館は開設30年を迎え、記念の展示もあるよう。11時15分近くに入館
した(県民の日は無料、通常は展示館520円、大型映像館630円、セット840円)。


     





 入口を入ったエントランスの右手はミュージアムショップ


 左手上には、この場所にあった所沢飛行場で初飛行した会式一号機のレプリカが。


 まずは右手の1階展示ホールへ。

 
     
     入って右手壁面沿いは、生誕120年&航空120周年記念の「堀越二郎回顧展」。
          

 第二次大戦時の戦闘機・零戦設計者として知られる、堀越二郎(ほりこしじろう)がた
どった航空の道を概観するという企画のよう。
   



     




 
 何枚ものパネルと資料などの入ったケースとも反射が多くて見にくいので、ザッと見た。

 ホールいっぱいに並ぶ実機の展示されている航空機展示へ。

 黄色い塗色のノースアメリカン T-6G 

 1955(昭和30)年に輸入され、自衛隊で10年にわたりパイロット養成などに使
用され、1969(昭和44)年に全機退役したという。

 シコルスキーH-19

 中型実用ヘリコプターで1949(昭和24)年に初飛行し、日本では三菱重工業がラ
イセンス生産して自衛隊に66機導入され、災害派遣、離島・僻地からの緊急患などに、
全日空など民間が旅客・貨物輸送機に使用されるなどして、初期のヘリコプターでは最も
成功した機種のよう。


 
 セスナT310Q

 1945年に生産開始した、米国セスナ・エアクラフト・カンパニーの双発機。

 当時の双発機のベストセラーとなり、1979年までに4,500機生産され、これは
当初よりパワーアップされた1970年製で、本田航空で使用されたものとか。

     
 ホール南面に沿って、開館30周年記念特別展『30年を翔(かけ)る』のひとつで
ある「2023年特別展の旅」として、毎年開催された特別展のパネルが並んでいる。












 1階再奥の一角には「記念館30年のあゆみ」のコーナーが。


 上空に吊されたパイパー L-21機  (黄色単発の機)


 富士 T-1Bジェット練習機 

 日本で第二次大戦後初めて独自開発し、量産した純国産エンジン搭載機

 北側の建物内、天井から下がるニューポール 81E2機のレプリカ

  
     
     こちらの建物内で展示されているものの幾つか。

 
 展示ホールに戻って入口近くの階段から2階へ上がり、天井から吊された機体などを。


 2階の展示コーナーでは、「所沢メモリアルギャラリー」というコーナーが設けられて
いたので一巡する。



 「所沢の空を舞った飛行機たち」の写真












 「空の管制」コーナーには、現在も航空記念公園の東側にある東京航空交通管制部で、
実際に使われていた管制装置が展示されている。


 もう一度、展示ホール内の飛行機やエンジンなどを眺めた。




    



 1階に下りて、南側に並ぶ開館30周年記念特別展「30年を遡る」のパネルを一覧す
る。
     

          

     

          

        

 何度か来館しているのでおなじみの展示が多く、県民の日で来館者も多かったのでラン
ダムにあちこち巡り、12時過ぎに退館した。



 館前の芝生広場を東へ。C-46輸送機の前には「航空発祥の地」碑があり、輸送機を
囲む柵沿いのピラカンサがたくさんの実をつけている。









 バラ園を経て中央園路を南へ進んで公園を後にして、西新井町交差点から所沢駅方面に
向かった。
 
 



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