2009年10月25日(日)
宿泊した嬬恋村三原の逢友荘の玄関先で記念撮影後、昨夜ごちそうに
なったスッポンの養殖場を見せてもらう。
2つの水槽に、長さ30㎝前後のスッポンがたくさんうごめいていた。宿の
ご夫妻とワンちゃんに見送られ、8時35分に逢友荘を後にした。
万座・鹿沢口駅のバスターミナルに行く前に、過半数の人が群馬銀行そば
の交差点際から草軽電鉄の廃線跡をだという細めの道路を確認に回る。
確かに、緩やかなカーブは鉄道の廃線跡と知れる。地図上の道路が終わ
る辺りで、ヘヤピン状に折返す道路を少し戻り、さらに上のバス道路へ。
このあたりが草軽電鉄ではスイッチバックになっていて、高台の岩井堂方
面に向かっていたという。
バス道路を下って吾妻川を渡り、万座・鹿沢口駅前のバスターミナルに行
き、9時36分発草津温泉行きに乗る。先ほど確かめたバス道路である県道
59号を上がって岩井堂の先の湯窪バス停で降りた。
バスはこの先も草軽電鉄の廃線跡を拡張した車道を上がるのだが、この辺
りは車の交通量が多いので、われわれは左手に残る旧バス道路を歩くこと
にする。
紹介が遅れたが、草軽電気鉄道は大正15年(1926)に軽井沢~草津間
の全線が開通した軽便鉄道。「カブトムシ」の愛称で親しまれた電気機関車
デキ12形が、浅間山麓を平均時速15㎞というのどかな速度で客貨混合列
車を牽引し、地元客や避暑客、湯治客などに利用された。
しかし年間利用客は、終戦直後の昭和21年(1946)の46万人をピーク
に、その後は減少し、台風被害で鉄橋が流されたり線路の寸断などもあり、
昭和37年(1962)1月31日に、最後まで残った上州三原~草津温泉間が
廃止された。
今回、この最後の区間の大部分を歩こうというのが、担当のMさんの企画
である。
湯窪バス停からは、草津温泉まで全コースを歩く早足グループと、途中の
谷所(やとこ)まで歩いて、後はバスで草津に向かうゆる足組とに分かれた。
以後は、早足グループの足どりである。
もとはバス道路だったので舗装されてはいるが、バスのすれ違いは難しそ
うな細い道が北に向かって緩やかに上がる。松やカラマツなどもあるが、多
くは広葉樹林下、ほどよく色づいている。
しかし今日もどんよりとした曇天で陽が差さず、紅葉の彩りはいまひとつ
なのが惜しまれるところだ。
右側の樹林が開けた辺りからは、東側対斜面の紅葉が眺められる。沿道
には、ミズナラやホウノキ、黄葉のガマズミ、ダンコウバイ、実を付けたマユ
ミなどの木々が確認できた。
ところどころに現れるモミジが鮮やかな彩りを見せる。
石津原まで上がると、高原キャベツがあったのだろうか収穫後の畑が現れ、
その上の石津には民家がかなりある。
集落の終わる辺りで廃線跡を走る県道59号のバス道路に合する。合流
点に地元生産農家の直売所があり、白菜やカボチャ、山芋、柿、山栗など
を安価で販売していた。
今井川の橋を渡ってヘヤピン状に回り込むと緑が一杯の牧草地が広がり、
その背後に紅葉の彩り鮮やかな斜面が開けてきた。
気持ちよい展望が広がるのでここで小休止とする。キャベツ畑もわずかだ
が残っていた。
少し先には、かなり広い花豆の畑があり、収穫期を迎えて褐色の彩りを見
せている。
赤川の橋を越えると、さくの続く西武の別荘地の間を抜けるが、別荘らし
い建物は見あたらない。そのまま進むと確認できぬ間に廃線跡と分かれて
前口へ。
草津カントリークラブ関連のものかと思われる建物のそばの、大きなモミ
ジが鮮やかな彩り。
ザゼンソウ公園入口横を過ぎて中原集落に入る。沿道のモミジもよい彩り。
再び廃線跡である県道59号に合し、谷所(やとこ)集落は旧道を回る。長野
原町から草津温泉に上がる国道292号に出た。
車の交通量が多く、そば処などの店が幾つか並んでいる。県道59号との
交差点に12時11分にに着き、この先進む廃線跡の砂利の敷かれた土道
に入って昼食にした。
上空のガスが少しずつ下がり、食事を終える頃からポツポツ雨が落ちて
きた。雨具を着けたり傘を差したりして12時35分に出発する。
この先、草津までは5㎞余り、上り道なのだが廃線跡だけあり等高線に
沿うようにカーブが続き傾斜は緩やか。色づいた広葉樹林の下の気持ちよ
い落ち葉道である。
「熊出没注意」の標識があるが13人でにぎやかに進むので、熊も引っ込
んでしまうだろうと思われる。
林道を横切る所には、「むかし道(電車道コース)案内図」があり、少し先
の落ち葉の間に、思いがけず枕木が見つかった。
ほぼ平坦になった辺りで右カーブしたら、50mくらい前方に黒い動物が
立ってこちらを見ている。
どうやら熊ではなくカモシカらしい。近づいたら右側の林にゆっくりと入って
行った。
Mさんの廃線跡シリーズで、ずいぶんあちこちを歩いたが、このような林
間の道は始めて。しかも傾斜が緩やかなので歩きやすく、たっぷりの落ち
葉を踏みしめながらのウオーキングが楽しめるお勧めコースだった。
ガスがかかった一角を抜け、2つ目のU字状のカーブのある一ノ沢から
三ノ沢を通過、大きな岩ノ下を回ると間もなく林が終わり、本白根農場の
交差点に出た。標高は1,196あり、手が冷たく感じられる。
人家が増え、真っ赤なドウダンツツジの生垣を巡らした家の横を通過、
マンションだろうか、高層の建物も現れた。
草津温泉街の入口に小公園があり、その隅に「草津温泉駅跡」の標石が
あった。ここが終点だったと分かり記念撮影をする。
本町で国道229号に入ってすぐ先で右の旧道へ。14時15分にJRバス
草津温泉駅に着いた。
谷所からバスで来たゆる足組みも、少し前に着いたばかりらしい。14時
30分発のバスでJR吾妻線の長野原草津口駅まで行く。15時12分発高
崎行き電車で帰途についた。
(天気 曇後雨、距離 2㎞(宿~廃線跡確認~万座・鹿沢口駅)+14㎞
(湯窪~JRバス草津温泉駅)、地図(1/2.5万) 上野草津、歩行地 群馬
県嬬恋村、草津町、歩数 29,200)、
宿泊した嬬恋村三原の逢友荘の玄関先で記念撮影後、昨夜ごちそうに
なったスッポンの養殖場を見せてもらう。
2つの水槽に、長さ30㎝前後のスッポンがたくさんうごめいていた。宿の
ご夫妻とワンちゃんに見送られ、8時35分に逢友荘を後にした。
万座・鹿沢口駅のバスターミナルに行く前に、過半数の人が群馬銀行そば
の交差点際から草軽電鉄の廃線跡をだという細めの道路を確認に回る。
確かに、緩やかなカーブは鉄道の廃線跡と知れる。地図上の道路が終わ
る辺りで、ヘヤピン状に折返す道路を少し戻り、さらに上のバス道路へ。
このあたりが草軽電鉄ではスイッチバックになっていて、高台の岩井堂方
面に向かっていたという。
バス道路を下って吾妻川を渡り、万座・鹿沢口駅前のバスターミナルに行
き、9時36分発草津温泉行きに乗る。先ほど確かめたバス道路である県道
59号を上がって岩井堂の先の湯窪バス停で降りた。
バスはこの先も草軽電鉄の廃線跡を拡張した車道を上がるのだが、この辺
りは車の交通量が多いので、われわれは左手に残る旧バス道路を歩くこと
にする。
紹介が遅れたが、草軽電気鉄道は大正15年(1926)に軽井沢~草津間
の全線が開通した軽便鉄道。「カブトムシ」の愛称で親しまれた電気機関車
デキ12形が、浅間山麓を平均時速15㎞というのどかな速度で客貨混合列
車を牽引し、地元客や避暑客、湯治客などに利用された。
しかし年間利用客は、終戦直後の昭和21年(1946)の46万人をピーク
に、その後は減少し、台風被害で鉄橋が流されたり線路の寸断などもあり、
昭和37年(1962)1月31日に、最後まで残った上州三原~草津温泉間が
廃止された。
今回、この最後の区間の大部分を歩こうというのが、担当のMさんの企画
である。
湯窪バス停からは、草津温泉まで全コースを歩く早足グループと、途中の
谷所(やとこ)まで歩いて、後はバスで草津に向かうゆる足組とに分かれた。
以後は、早足グループの足どりである。
もとはバス道路だったので舗装されてはいるが、バスのすれ違いは難しそ
うな細い道が北に向かって緩やかに上がる。松やカラマツなどもあるが、多
くは広葉樹林下、ほどよく色づいている。
しかし今日もどんよりとした曇天で陽が差さず、紅葉の彩りはいまひとつ
なのが惜しまれるところだ。
右側の樹林が開けた辺りからは、東側対斜面の紅葉が眺められる。沿道
には、ミズナラやホウノキ、黄葉のガマズミ、ダンコウバイ、実を付けたマユ
ミなどの木々が確認できた。
ところどころに現れるモミジが鮮やかな彩りを見せる。
石津原まで上がると、高原キャベツがあったのだろうか収穫後の畑が現れ、
その上の石津には民家がかなりある。
集落の終わる辺りで廃線跡を走る県道59号のバス道路に合する。合流
点に地元生産農家の直売所があり、白菜やカボチャ、山芋、柿、山栗など
を安価で販売していた。
今井川の橋を渡ってヘヤピン状に回り込むと緑が一杯の牧草地が広がり、
その背後に紅葉の彩り鮮やかな斜面が開けてきた。
気持ちよい展望が広がるのでここで小休止とする。キャベツ畑もわずかだ
が残っていた。
少し先には、かなり広い花豆の畑があり、収穫期を迎えて褐色の彩りを見
せている。
赤川の橋を越えると、さくの続く西武の別荘地の間を抜けるが、別荘らし
い建物は見あたらない。そのまま進むと確認できぬ間に廃線跡と分かれて
前口へ。
草津カントリークラブ関連のものかと思われる建物のそばの、大きなモミ
ジが鮮やかな彩り。
ザゼンソウ公園入口横を過ぎて中原集落に入る。沿道のモミジもよい彩り。
再び廃線跡である県道59号に合し、谷所(やとこ)集落は旧道を回る。長野
原町から草津温泉に上がる国道292号に出た。
車の交通量が多く、そば処などの店が幾つか並んでいる。県道59号との
交差点に12時11分にに着き、この先進む廃線跡の砂利の敷かれた土道
に入って昼食にした。
上空のガスが少しずつ下がり、食事を終える頃からポツポツ雨が落ちて
きた。雨具を着けたり傘を差したりして12時35分に出発する。
この先、草津までは5㎞余り、上り道なのだが廃線跡だけあり等高線に
沿うようにカーブが続き傾斜は緩やか。色づいた広葉樹林の下の気持ちよ
い落ち葉道である。
「熊出没注意」の標識があるが13人でにぎやかに進むので、熊も引っ込
んでしまうだろうと思われる。
林道を横切る所には、「むかし道(電車道コース)案内図」があり、少し先
の落ち葉の間に、思いがけず枕木が見つかった。
ほぼ平坦になった辺りで右カーブしたら、50mくらい前方に黒い動物が
立ってこちらを見ている。
どうやら熊ではなくカモシカらしい。近づいたら右側の林にゆっくりと入って
行った。
Mさんの廃線跡シリーズで、ずいぶんあちこちを歩いたが、このような林
間の道は始めて。しかも傾斜が緩やかなので歩きやすく、たっぷりの落ち
葉を踏みしめながらのウオーキングが楽しめるお勧めコースだった。
ガスがかかった一角を抜け、2つ目のU字状のカーブのある一ノ沢から
三ノ沢を通過、大きな岩ノ下を回ると間もなく林が終わり、本白根農場の
交差点に出た。標高は1,196あり、手が冷たく感じられる。
人家が増え、真っ赤なドウダンツツジの生垣を巡らした家の横を通過、
マンションだろうか、高層の建物も現れた。
草津温泉街の入口に小公園があり、その隅に「草津温泉駅跡」の標石が
あった。ここが終点だったと分かり記念撮影をする。
本町で国道229号に入ってすぐ先で右の旧道へ。14時15分にJRバス
草津温泉駅に着いた。
谷所からバスで来たゆる足組みも、少し前に着いたばかりらしい。14時
30分発のバスでJR吾妻線の長野原草津口駅まで行く。15時12分発高
崎行き電車で帰途についた。
(天気 曇後雨、距離 2㎞(宿~廃線跡確認~万座・鹿沢口駅)+14㎞
(湯窪~JRバス草津温泉駅)、地図(1/2.5万) 上野草津、歩行地 群馬
県嬬恋村、草津町、歩数 29,200)、