関東百駅巡礼歩行の第74番に参加した。集合は、西武秩父線の西吾野(にしあがの)駅。
1日中雨の予報か、参加者は4人と少な目。でも、宇都宮や茅ヶ崎からも来られたので、参
加の可否はその人の気持ち次第ということか…。
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10時50分、標高約250mの西吾野駅をスタートした。
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駅周辺は、奥武蔵の山に囲まれた谷間にあり、豊富な新緑が広がり、ツツジやシャクナゲ
などが雨に濡れて咲いている。
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駅近くの天神社に立ち寄り、国道299号に出て南に向かう。国道に面した民家に「ロック
ガーデンカフェ」の看板が出ていた。
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国道を500m足らずで、「子(ね)の権現」の看板のところから、細い流れに沿った谷間の
狭い車道に入る。道沿いは湿気が多いのか、花の咲き出したユキノシタが至るところで見ら
れる。
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道路沿いの大岩ノ下に、六面体の古い石仏が立つ。この谷間でただ一つの集落、小床(こ
ゆか)には寺もなく平地が少ないので、山林に個々の家のものらしい墓地が点在している。
墓地の一つに、可愛らしい2体のお地蔵さんが立っていた。
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民家の庭先にコデマリが咲き、路傍にはシャクヤクや花菖蒲、ヤマアジサイなどの花が見ら
れる。
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クリンソウの咲く一角もあり、シャガもあちこちで目についた。
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集落の一番奥に、朱塗りの鳥居が立つ小さい社があり、その手前左手から杉木立の山道に
入った。杉はまださほど太くはないが、よく枝打ちされ、幹のかなり上部まですっきりしている。
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少しずつ高度を上げ、右からの山道と合した小さい峠の三差路に、自然石に「天寺へ十二
丁」と刻まれた古い道しるべが残っていた。
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少し下ってからさらに緩やかに上りが続く。下久痛集落からの山道と合したあたりからは、高
度が上がって一面濃いガスに包まれ、幻想的な風景となる。
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やがて車道に出た。青葉戸からの登山路の先から斜面の山道を上がると、車道と合流して
子の権現天龍寺境内へ。13時5分に到着した。
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山門の手前に、見事な大杉が立つていた。県天然記念物、二本杉のひとつで、樹齢およそ千
年といわれているという。横に並ぶもう1本は枯れていた。
山門の先、両側に大きな仁王像が屋根無しで立ち、さらに進むと正面に、かやと杉皮とを交互
に重ねて葺(ふ)いた、重厚な屋根が特徴的な本坊がある。
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子の権現・天龍寺は、延喜11年(911)年に子の聖(ねのひじり)が十一面観音を祭って創建
したという。当時から足腰守護の神仏として信仰されているようだ。
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標高は約630m、境内には、日本一の黄金色のわらじや、大きな下駄2足が奉納されている。
十一面観音を祭る観音堂には本物のわらじが、その前にも、ミニわらじがたくさん奉納されていた。
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そばに、開放された閻魔(えんま)堂があり、えんまさんがにらんでいた。観音堂の背後に回り、
広い屋根の下で雨を避けて昼食にした。
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13時50分に下山にかかる。雨は幸いずっと小降りだが、ガスは相変わらず濃い。
山門近くに土産店が1軒開いていて、奥武蔵の土産物や山菜、農産物などを販売している。女性
お2人は、山菜などを求めた。
帰路は、東側の青葉戸へのコースへ。やはり杉木立に覆われた林間の山道だが、往路より斜度
が幾分急なので、滑らぬよう注意しながら慎重に下って行く。
山道の最後は、石段を降りて降摩橋を渡り、車道に出た。青葉戸最奥の住宅があり、さらに下って
行くと、数戸の住宅の一角に「浅見茶屋」と呼ぶ茶店があった。
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昔の茶屋の風情がたっぷりの店なので、入って小休止することにした。やまさんが購入した手造り
の草餅をごちそうになり、お茶をいただく。
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建物は築150年を超え、店も3代続く家族だけで運営している。分厚い木製のテーブルや、厚い木
の板に張られたメニューも、茶屋の雰囲気をいっそう引き立ててくれる。思いがけぬ店だった。
そばに朱塗りのお堂があり、さらに下って行くと、350年前から住んでいたと記された小さいが一風
変わった家屋があったが、休業となっていた。
高松宮殿下と歌人佐佐木信綱の歌が刻まれた歌碑の立つ、東郷公園の横を過ぎ、高麗川と国道
299号、そして西武秩父線とが平行する芳延橋際に出る。
橋は渡らず、手前の高麗川右岸に沿った狭い道を進む。西武線に接した高見に上がると、中尾の
集落や行く手の線路が見下ろせる。
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山砂を採取する採石場のそばを通過し、駅の近くに咲くモミジの花などを眺めながら進み、15時45
分に吾野駅に着いた。
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かなりの雨を予想したが、始終小降りで済み、土の道も滑ることなく、新緑や初夏の花を一杯眺め
ながらのハイキングを楽しんだ。
(参加 4人、天気 雨、距離 8㎞、地図(1/2.5万) 正丸峠、原市場、歩行地 飯能市、歩数
18,800、累積標高差 約1,040m)
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