あるきメデス

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NHK総合TV「逆転人生」で話題の三富今昔村へ(埼玉・三好町、所沢市)

2019-07-11 21:06:02 | 所沢だより
 2019年7月5日(金)

 「絶体絶命の危機から奇跡の大逆転!」というドラマチックな人たちを紹介する番組が、
4月からNHK総合TVで始まった。

 月曜夜10時からの「逆転人生」で、その7月1日(月)の放映は、所沢のダイオキシ
ン問題と、その後に起きた奇跡の逆転劇が紹介された「ヤマユリ咲き誇るゴミ処理場」だ
った。

 所沢の野菜がダイオキシンに汚染されているという報道をきっかけに、住民から立ち退
きを迫られた産廃処理場社長・石坂産業の石坂典子さんがこの日の主人公。

 16億円をかけて作ったダイオキシン対策もしている焼却炉を解体する大改革に打って
でたが、住民運動は収束しなかった。

 しかしゴミの清掃や里山保全活動を始めると、次第に住民との関係が好転。やがてヤマ
ユリが咲き、ホタルが飛び交う産廃処理場に生まれ変わったという。

 番組終了後ネットで検索したら、その場所は「三富今昔村(さんとめこんじゃくむら)」。
会社に隣接した里山(平地林)を利用した五感で感じて楽しめるところで、東京ドーム約
4個分の敷地に三富の昔ながらの里山風景が広がっていると分かり、4日後の今日、さっ
そく訪ねてみた。

 西武池袋線・新宿線所沢駅東口の埼玉りそな銀行前から、10時30分発の無料送迎バ
スに乗る。乗客は私一人だった。

 予定より10分早い10時50分に三富今昔村のクヌギの森交流プラザバス停に着き、
正面にあるその「クヌギの森交流プラザ」に入る。

 受付で「楽しく安全に過ごしていただくためのお願い」を読んで了解する。ほかの説明
も聞き、入村料500円を支払い、「専用パス」と「三富今昔村散策MAP」などをもら
う。入村料は森の保全費として使われるという。
 


 交流プラザには受付のほか、お土産SHOPやEATスペース、トイレなどがある。

 村内は、香、風、陽、光など九つのヤマ(エリア)に分かれていて、それらを「五感で
感じて楽しもう!」という構成になっている。
  




 もらったMAPに従い、まずはプラザ裏手から出て、北側のワークショップエリアを抜
けて「風」エリアに向かう。

    
 村内あちこちに道標があり、地図と対比してどの方向に進めばよいか、その都度確認で
きる。

          
 かなりの高木の広葉樹林の間を進み、ゲートを抜けるとワークショップエリア。
     
 自然の素材を使って物づくりをするなどのワークショップが体験できるという。


 その先が「風(かぜ)」エリアで、ここは風の通り道とか。樹齢30~40年の高木も
あり、主な樹木にはその木の説明板が付いている。
     

    


 少しの広場には、椎茸栽培のほだ木のような丸木が積まれていた。

     
 ループ状の散策路が幾つかあり、豊富な落葉広葉樹林の中の緑陰散歩が楽しめる。

     
 途中に三つの「ジャンク・アート」と呼ぶリサイクルの廃材で作った作品があるようだ
が、二つしか確認できなかった。
          


 林の中の公道を横断して、東側の「香(かおり)」エリアへ。「HANAテラス」とも
呼び、一年を通じて花の香りを感じる場所のよう。


         
 ユリやアジサイなどがたくさん咲いているがまだ小ぶり。先日訪ねた「ところざわのゆ
り園」で花盛りのユリの大群を見た目には少し寂しいが、3~4年すると見ごろになるか
と思われ期待したい。
    




 東側の公道を横断し、「やまゆり鉄道」と呼ぶミニ鉄道の踏切を渡り「結(むすび)」
エリアへ。人と人を結び縁をつなぐ場所で、しあわせ神社もあり、人々を見守るという。
     
 やまゆり鉄道の線路は「結」と南側の「集(つどい)」エリアをぐるっと囲んでおり、
12時からミニSLが運行される予定。


 入ってすぐにツリーハウスがあり、その先には蓮池や「こどもの水辺」と呼ぶ池などが
設けられていた。







 ここには「しあわせ神社」と呼ぶ四つの神社もある。東北側の少し高い一角に「北之神
宮社」、近くに「くぬぎ鎮守神」と「苦脱(くぬ)ぎ神社」、が、南西側の滝のそばには
「豊受大御神」と、何れも小さい社殿の新しい神社が祭られていた。


     

     

    

  
 神社の周辺には、フィールドアスレチックを体験できる木製の用具も幾つかある。



 しあわせ神社の高みの横から西側に下ると、東西に長い「陽(あかり)」のエリアで、
柔らかな木もれ陽が差し込む静かで穏やかな時間が流れる場所とか。



 その一角に「アーシング体験」という、板で仕切られた一周約200mの素足で直接地
面に触れて歩ける場所がある。エリアの中央部には、木もれ陽ベンチが設けられていた。



 12時近くになったので、南側の「集」エリアへ。人々が集い語らい、笑顔にふれあう
場所で、たくさんのテーブルと椅子が並ぶ広場の隅には、カフェやパン工房、ピザ小屋な
どがある。



 その広場の南西端あたりが、やまゆり鉄道のいこい広場前駅。

 12時から運行されるミニSLには、入村の時にもらった「やまゆり鉄道きっぷ」で大
人も乗れるというので、乗車した。


 最初の運行に乗ったのは、女性親子と私の3人。運転手のほか、最後尾に説明を兼ねた
車掌も乗車して4分ほどで一周する。

 鉄橋やトンネルを抜けると中間に「ヤマのまんなか駅」があり、ここで途中下車もでき
る。



 一周して下車すると次の列車には大人3人が乗車し、その後も何度か運行された。

 このミニトレインは太陽光発電から得た電気で自走しており、持続可能なエネルギー資
源を利用して、環境に負担をかけない仕組みが体験できる。

 下車後MAPを見て、回ってなかった西側の「育(はぐくみ)」エリアに戻ってみるこ
とにした。

 HANAテラスの南側一帯が「育」エリアで。鉄道の枕木を活用したのか散策路には厚
い木板が敷き詰められ、豊富な落葉広葉樹林下を一巡できる。


 このエリアにはテレビで紹介されたヤマユリも植えられているが、まだつぼみだったの
が残念。来週以降が見ごろになりそうだ。
         

 東側の公道を南に進み、「集」エリアの南側の「光(ひかり)」エリアへ。

 クヌギを主とした植栽に太陽が降り注ぐ暖かい場所で、野菜ガーテンや「オークリー」
と呼ぶお土産ショップも隣接しており、植木などを販売している。


 東側のポートリーガーデンと呼ぶ小屋には、たくさんのニワトリが餌をついばんでいた。



 12時30分を過ぎたので昼食をすることにして、北側の「集」エリアに戻る。自販機
で食券を求め、くぬぎの森カフェで冷やし坦々風うどん(980円)を注文して味わう。
    

 なお、入村時のお願い事項の中に、「ここでは手作りではない弁当(コンビニの弁当や
おにぎり、ファーストフード等)のお持込みはご遠慮ください。くぬぎの森ではペットボ
トルの廃棄を減らすため自販機でのお飲み物の販売はいたしておりません。お飲み物は水
筒をご持参いただくか、カフェの手作りドリンクをお買い求めください。」ということも
含まれている。


 ほぼ全エリアを回ったので、くぬぎの森交流プラザに戻って退村することにした。

 中間の「育」エリアの南側は石坂産業の大きなプラントの建物があり、ゴーゴーと産廃
物を処理する動力の音が聞こえる。ここは、予め予約すれば見学もできる。


 「くぬぎの森交流プラザ」を出て、最後に道路の南東側にある「くぬぎの森環境塾」と
「三富今昔語りベ館」も訪ねることにする。

 石坂産業本社ビル前から、南に延びる生け垣の長いアーチを進んで、くぬぎの森環境塾
そばへ。

 案内図があり、二つの建物のほかに、水車小屋やつるべ井戸、三富今昔おもしろ語りベ
館などがあることが分かる。

 竹林の南側が、くぬぎの森環境塾の建物だが今日は閉館中。その先が水車小屋で、粉挽
き用の石臼(いしうす)があるが、今日は水車だけが回っていた。



 母屋ともいえる三富今昔語りベ館前↑に、つるべ井戸や水琴窟(すいきんくつ)、二つ
の室(むろ)、堆肥作りの場などがある。



 三富今昔語りベ館に入ると、1階には懐かしい家具や器具、衣装、養蚕具、鳥獣のはく
製、などがたくさん展示されている。







 急階段を上がった2階にも、数10年前の暮らしを体験できるようなものが配置されて
いた。



 三富今昔語りベ館の東南側隅は「おもしろ語りベ館」で、江戸時代から昭和時代にわた
る道具が時代別に展示され、直接触れて楽しめるようになっている。







 中には大八車、オート三輪車、軽自動車なども保存されていた。

     
 ちなみに、この辺り一帯は「三富新田(さんとめしんでん)」と呼ばれ、江戸時代の元
禄年代に川越藩主柳沢吉保による大規模な新田開発により生まれたところで、その説明パ
ネルも立っていた。
   

 東側には足湯の建物もあったようだが気づかず、そろそろ帰路に着くことにした。


 長い生け垣のアーチを道路際に戻ると、石坂産業の業態や環境への取り組みを示す大き
なパネルが並んでいる。


 帰りの、所沢駅東口への無料送迎バスは14時30分だが、歩いて帰ることにした。

 14時に三富今昔村を後にして、南西に向かう。今昔村に接した車道はダンプトラック
の通行が多く、歩道も無いので少し先で一つ南側の下富通りに回る。


 三富新田の上富(かみとめ・三芳町)、中富(なかとめ・所沢市)、下富(しもとめ・
所沢市)の三つの集落のひとつ下富集落を西南端の下富片側交差点まで進む。


 南側の神米金(かめがね)から中新井を経て、いつもの市内ウオーキングルートになっ
ている、航空記念公園に近い並木や美原町の町並みなどを通り、15時50分に帰宅した。

(天気 曇、距離 7㎞、地図(1/2.5万) 所沢、歩行地 三芳町、所沢市、歩数
 12,200)


 なお「三富今昔村」のサイトはこちらを
 





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2 コメント

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Unknown (しゃんしゃん)
2019-07-13 15:59:11
こんにちは。
三富今昔村は自然の大切にこだわったテーマパーク化した植物園というイメージに感じます。
テーマに合わせた場所で自然の大切さを感じながら楽しめそうですね。
返信する
自然農法の里山 (saikoroat)
2019-07-14 10:55:38
江戸時代に開発された平地林と畑と住まいの一体化した三富地区で、
自然と密着した農業の大切さを理解させてくれる貴重な場所です。
農業に縁の無い都会の人たちが、たくさん訪れて理解して欲しいと思います。
返信する

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