2011年3月30日
人事異動も無いと明らかになって始めての包丁会~生徒の2人は異動し、辞めることになった。
自分は後1年は安心して次の作品に向かう事になった。
この日先生に、『腰ナタを作りたい~』と言うと、近くにあった紙に、『ナタはな~ギャン菱形◇に切りだして、ぎゃん延ばして~ぎゃん・ぎゃんして、形を整えてナタにしていく。こら~難しかバイ~しきるかな(出来るかな)』ってな調子で始まった。
長い鋼材に温石で菱形に線を引かれたが、何やら計算してこの長さが決まったらしい、鋼材の厚さと、出来上がりの長さで切り出しの長さが決まるらしいが、そこまで習得する必要はない~。
その間僕は、命じられたのが燃料の廃油の『サラサラ化』段ボールを刻んで缶の中で燃やし、温める。4月も近いが夜は寒くてドロドロ廃油ではうまくバーナーが燃えない。
温まった廃油を仕掛けて、コンプレッサーのスイッチオンで、一気にうるさくなる作業場。『ブシュ・ブシュ・ブシュ』と空気を吸い込むような音がして~なかなかうまくバーナーが燃えない。
白い煙が立ち上ったと思ったら、『ボン・ボーワーッ』とバックファイヤーみたいに炎が爆発的に噴き出して燃え出した。臭いやら、怖いやら、面白いやら~。
先生は長い鋼材のまま、真っ赤に焼き、菱形の線に楔を当て、ハンマーでクビレを入れた。
次いで、熱いまま押切で菱形を切り出した。
ハンマーで形を整え準備OK
こんな形になった。写真は先生ばかり写っているが、何度も言う様に自分がする時には自分を写し様が無い先生のお手本の後、交代し自分でもやってみるという繰り返し。
僕から先生に交代する時には、『これで、良いですか~』みたいな視線を送るが、決まって『イカンな~、これじゃ、ナタにはならんばい。先生の言う事を良く聞かずに、勝手にするからこんなになっちゃうんだな~』と、本当か冗談か分からない棘ある一言があって、交代実演の繰り返し。
そうこうしながら、なんとなく形になって行く。
『どれどれ、カーブの付け方は分かるかな右側を余計に叩き延ばせば、左に曲がる~けど、叩きすぎると薄くなるから良く考えて叩く~』
微妙な修正は、ヤットコで固定し、ゲンノウハンマーでやる。
なかなか思う様にはカーブが付かない。先生は修正に追われる。
金床の下にあるナタは市販のもので、この時点では取っ手の部分は軟鉄を溶接して長くするつもりでもあった。
2011年4月6日
今日はグラインダーで形を削り出した。マジックで目安の線を描き、だいたいの形を出していく。ゴーグル必携の目には危険な作業
先生のアイデアで、背の部分に刃を付けつことになった。
調子良く削って、こんなもんかなと先生に持って行ったら、『アチャーっ背の刃は、せめてここから上だもん(マジックで横線を2本)~また、先走って勝手なことして、これじゃ取っ手の際からポキッと折れやすくなるバイ~どうかな、前の刃が狭くなるけど、こんな感じで斜めに切るかな』
『そんな事、最初の内に早く言っててもらいたかった~』と内心落胆『まあ、乱暴な使い方を控えたら、使用には耐えるだろう』と自分を慰めた。
腰ナタの完成②へ続く~
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