Goo・ちょき・パーで、なに作ろう!

定年退職してしまいましたが、再任用でまだまだ老後の蓄えをしなくてはなりません。それでも悔いのない人生にしたいと思います。

害獣の食べるものは2つに分類される!

2018年05月25日 22時44分51秒 | Weblog

2018年5月21日

益城町にて、鳥獣被害防止対策事業基礎研修を受講してきました。
午前中は、震災後に建てられたプレハブ工法の益城町役場仮庁舎の会議室で、講義が行われました。
講師は、この分野で有名な、井上雅央(いのうえ まさてる)先生です。

元(独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター専門員
先生のプロフィール  http://www.ruralnet.or.jp/ouen/meibo/366.html

なぜ、益城町が会場になったかというと、益城町はスイカの産地ですが、近年『アナグマ』による出荷前のスイカの食害が急に増えて来たからです。

以下、先生の板書や、しゃべりの要点のみまとめました。

『被害対策は、次の4つの行程を、飛ばすことなく順番に実施すること。
①集落みんなで勉強する。(自分たちで餌付けしている事に気づく。)
②守れる田畑・集落にする。(住民が主役となり餌付けを止める。)
③囲いや追い払いを行う。(ここでやっと、電柵・ワイヤーメッシュで囲い、声・ロケット花火・モデルガンで追い払う。)
④個人ではムリな事は、行政に頼る。(防除資材の購入・補助事業・ハコ罠や、殺すこと。)』

『たった4つ。これを飛ばすことなく順番に実施すれば、害獣は居なくなり、被害はなくなるのに、すぐに③に飛びつくから、減らないで、やられっぱなし!こういった勉強会に、男だけ参加するところはダメ!③の補助金ばかり期待して集まって来る。その点、女性は違う。①②をちゃんと勉強し、家に帰ればすぐにでも取り掛かる。また、我が家の柿がやられていなくても、近所の柿の木にサルが来たら、知らせたり、追い立ててやるのも女性。』

『電柵・ワイヤーメッシュを設置するにしても、その外側には人が歩ける幅の余裕がないと、ダメ!また上に、枝が出ているのもダメ!シカもイノシシが夜行性と勝手に思っているが、人が居なくなれば、ノソノソと出てくる。電柵は一日中通電すること。また、稲刈りや収穫が終わったからと片付けたらダメ。シカはヒコバエで味を覚えたら、田植え苗を食べるようになる。特に最近の稲の品種は早生的になり、時間があるからヒコバエに花が咲き実が成る。だいたい10a当たり、1俵にもなる場合もある。これが、害獣を太らせる。シカやイノシシが増えるのは、冬季に飢えないで死なないのも一因。電柵等は中に食べるものがあるなら1年中電源を入れて効かせること。ワイヤーメッシュの裏表を間違っている設置がある。イノシシが入る外側が縦、内側が横のワイヤーにしなければ、ガブッと横ワイヤーに噛みつき、グッと引いたら、あの溶接はバリバリっと外れる。間違わなければ、縦が受けて、外れない。』

『熊本県の調査で、冬草10a当たりで、4.6頭の害獣を養えると出ています。以前は林道や崖崩れ修復後の法面(ノリメン)は、牧草の吹き付けが一般的だった。まさに害獣の餌を作ってやっていた。畜産農家の牧草地は面積も広いので対策も大変だが、1ha当たり46頭とか、本命の牛よりも多くの害獣を養っていることになる。実際に食害が見られる牧草地は、対策をしなければならない。あと、畦や土手の草刈りの時期を間違えている。冬に、枯れた草と、青い草はどちらが美味しいかと言うと、青い草です。9月以降、10月とかに草刈りすると、草の種類が変わり、寒さに強い冬でも枯れない草が育ちます。8月から9月上旬まで刈ると、伸びはするが、低温では枯れる草となり、枯れ草の冬景色の野山になります。冬でも野山の土手、法面に青々とした草が生えているのは、害獣を越冬させるために草刈りしたことになります。もし、日本型直接支払(多面的機能支払交付金、中山間地域等直接支払交付金及び環境保全型農業直接支払交付金)の交付金がらみで、草刈りをするなら、その年最後の草刈りは、8月から9月上旬まで刈る終わるべき。』

『私が集落に入ると、田畑だけでなく家の周囲を見ただけで、ここにはタヌキ等を飼っている集落と分かる。高齢化して子どもたちも居なくなり老夫婦・独居世帯になると、屋敷周りの果樹や生け垣はボーボーとなり、その下には湿った暗い住処(スミカ)が出来る。屋敷周りの収穫しない柿やミカンは、良いエサ場となっている。まさに自分で飼っているのです。納屋を見ると、奥には何十年も入ったことがない空間があり、古い耕運機等が押し込んである。夜になるとタヌキが出るとか騒ぐが、アンタが飼っているんです。人間が手を入れないところは全て、他の動物たちの安住の住処になります。だって住み心地が良いんです。隠れ家、エサ場、これがそろえば、安心して子育て出来ます。』

『みなさんに問題です!害獣には、何種類のエサがあるでしょうか?ハイ、アナタ!』
当てられたのは僕!
『100種類くらいでしょうか?』
『ブーッツ!!害獣の食べるものは、2つ!それは、人間にとって、①食べられて腹が立つもの。②食べられても腹が立たないもの。このたった2つに分類されます!害獣を減らしたいなら、このどちらも害獣の餌になる(区別がない)ことを理解して、守るか、処分しなければならない。』




午後は、益城町のスイカ団地の中。この日は凄い強風でした。
『田畑を基盤整備した後、法面に木を植えることはしませんが、竹・桑・柿・センダンとかが木になっています。あそこは潜み場ですね。』



『今日は、絶好の研修場所を準備してくれました。この法面には、桑・センダンとかが大木になっています。木が生え出すと、鳥がとまります。糞をします。そうすると、いろんな植物が増えてきてジャングルになります。あの、根本の空間を人がのぞき見ることはありません。アナグマはエサを見つけると、ここまで運びあそこで、食べます。』



『ここには、ネットが張ってありますが、このビニルの束の上から、ぴょんとこちらに飛び込めますね。それに、ここは側溝の上に、板やトタン板など渡し、その上に・・・これは、ゴミでしょうね。どれだけの空間があるでしょう。アナグマにとって、高級ホテルです。人間の行動を、車の音から、人の声までちゃんと判別しています。』



『農業の基本は、どんなだったでしょうか?畦草が茂っていたら、恥ずかしかった!人の目を気にするのも意味があった事なんですね。一般の製造業で、機械の回りにこんなにゴミを積んでいるのは考えられません。草も木も全て物語っています。こんなネットを補助金使って張っても、なんにもなりません。エサ場・住まい、これらを排除しないと、高級ホテルはそのままです。』



農薬の空き缶、排水パイプとネット裾の隙間。問題だらけです。
ハウスの中では、残されたスイカがスクスクと育っています。





3本仕立ての蔓に、残すのは1個のスイカだけ。他の2個は摘果して通路に投げ捨てられます。中のスイカを食べられると人は頭に来ますが、摘果スイカを食べられても頭に来ません。

『害獣を減らしたいなら、中のスイカも守るけど、外のスイカもエサにならないよう処分しなければならない。』



井上先生は、自分の刈り払い機で、土手を刈り始めました。



『ホラ~!アナグマがスイカをここまで持ち込んでいますよ!土手を目を細めて眺めると、筋が見えてきます。その下は獣道として踏まれ、草の生育がちょっとだけ違うので、筋っぽく見えます。この土手には、上の畑に続く道、ハウスからこの大木に続く道、横断道路の少なくとも3本が見えます。草を切り、明るくすると、怖がって来なくなります。しかしながら、この側溝を片づけないと、解決しませんね。』



最後に、ハウスの持ち主さんに、直々にアドバイスがされました。
害獣防除のネット等の設置には補助金が出ますが、基本的なほ場管理が伴わないといつまでも被害は続くことになります。



今回は行政機関を対象とした、研修会でした。
補助金申請を受け付ける業務担当者も多く受講しましたので、
①集落みんなで勉強する。(自分たちで餌付けしている事に気づく。)
②守れる田畑・集落にする。(住民が主役となり餌付けを止める。)
③囲いや追い払いを行う。(ここでやっと、電柵・ワイヤーメッシュで囲い、声・ロケット花火・モデルガンで追い払う。)
④個人ではムリな事は、行政に頼る。
の手順を指導してもらいたいものです。

最後に、投票ボタンを、『ポチッ!』とお願いします。 

お願いイイネなら、『熊本情報』をクリックして、投票して下さい。

にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 熊本情報へ

 ランキングに参加中です。

現在 表示圏内、17位に返り咲くことが出来ました。
 
~クリックして応援お願いします!


counter

無料・カウンター
Today:

Yesterday:


出会い出会い系出会い系結婚相談ライブチャット 無料