平成25年の熊本県農業大学校 研修部 新規就農研修生の麦収穫が終わった
麦の品種は、チクゴイズミ(中力:麺類用)や、ミナミノカオリ(準強力:パン類用)を作った。
麦は米と違い、粉にしないと食べられない。
そのため、製粉する必要がある。
収穫が終わると、少量だと農大の製粉機でするが、100kgを超える大量だと、毎年お世話になる『大村彦しゃん水車』(大津町矢護川)に運び込んでいる~
『製粉が終わった~』の連絡で、取りに行った
到着すると、キジ猫のミィーが気持ちよさそうに、日なたぼっこでお出迎え
約100m離れた矢護川の頭首工(トウシュコウ)から川の水を引き込んで、縁側を幅80cmの水路が横断し、これが水車小屋へ向かっている。
自宅横の納屋が水車小屋(製粉・精米所)
おばあちゃんが、精米具合を見ている
近づくにつれ、あの独特の穀物の粉っぽい香りがしてくる
~子どもの頃、近所に精米所があったので、あの匂いが思い出された
いろいろな穀物の、製粉・精米加工の手数料・販売単価がベニヤ板に書かれている
こちらは、販売価格の一覧表~いづれにせよ、この種類ごとに機械を使い分ける訳だから、機械類も多数となる。
機械室に入ると、今年の新米の精米がされていた
さっき、ばあちゃんが見ていたところ
カメラには写っていないが、薄い粉の舞たちが漂っている~これが、懐かしい匂い
荷受伝票等も粉だらけ
大村彦しゃん水車は、文化9年(1812年)、創業者 大村彦次郎
つまりちょうど、201年間稼働中ということになる
直径3.2mの水車が、1.8mの水の落差の運動エネルギーを受け
5馬力の回転運動に変えている
多分、ヒノキ板の水車羽根車
近づくと『ピシャピシャピシャザーザーザー』の輪唱が聞こえる
位置エネルギーを運動エネルギーに転移した水は、また元の矢護川に戻される~なんてエコな利器だろう
さて、ここで水車からの回転駆動が、どのように多種な機械に伝達されているか順追ってみた
水車の中心軸(回転軸)は、地面から1.5m位の下にある。
その回転は、横水平では絶対に機械に伝達出来ない
だから、地下1.5mの地下水車の中心軸(回転軸)に、直径80cmくらいの大きなプーリーが付いており、10cm幅のベルトで地上に伝えられている
ベルト脇の机に置いてある、滑り止めのベルトワックスが懐かしい
回転しているベルトの内側に、この羊羹みたいなベルトワックスを押し付けて、ベタベタ状態の面にすると、プーリーとのスリップを止める役割がある
~子どもの頃は役割として、発動機と製粉機を結ぶベルトにこれを塗りつけていた
ベルトに垂直方向に当てないと、ベルトがズレてプーリーから外れてしまうのだ
いったん天井に回転動力が上げられて(右のベルト)、地面に固定された各機械に回転運動が下ろされる(左ベルト)。柱の向こうに、それで動いている機械がある。
天井の梁(はり)には、大きく長いシャフトが8mくらい真っ直ぐに通っており、要所にプーリーが取り付けられている
下に設置してある機械へ、天井のプーリー回転が導かれる関係の配置になっている
機械によっては回転が逆が必要なところもあるので、奥のベルトの様に ∞ 捻ると逆回転にできる
ちなみにこれは製粉機の篩で、箱の中で小さな目の古いが横に振られている
様々な機械があるが、どれも昭和初期の製造品~
これも古い~
頼んでいた小麦粉は、ここに完成していた
機械を観察するのは、ホームセンターと同じで時を忘れる~
しかし、車に積み込んで帰らなきゃ
ふと覗いた別の納屋に『米価格歴』があった
明治元年から平成4年までの60kg当たりの価格だ~僕が生まれた頃は、3,966円だったのか~歴史を感じる
なかなか良いことを書いてある額もあったのでパチリ~
ならぬ事はなりませぬ~こう生きたいものだ
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