2015年4月4日
さてさて、早くも4月になりました。
栗園・柿園の溝さらえの後は、筍堀りの季節です
先週から電話で親父(90歳)に状況を聞いていました
『もう、筍は立ちよんな(出始めている)』
『今年は、立っとらん3月に雨ん、少なかったけんだろ』
と言う会話をしていました。でも、ここ2日雨が降ったので、午後から実家に行きました
親父を誘うも~『雨も降りよって、オラ行かんボどうせ立っとらんオラ行かん』
と、全く行く気無し。仕方なく、一人軽トラで竹林に筍掘りに行きました
着いて開口一番~『やられた』 今年も、イノシシに先を越されました
牙と鼻先だけで広範囲にほじくり返し皮さえ残していません
それにあんなに固い、ネブチ(竹の地下茎)まで食いちぎっています
落胆しながらも、せっかく来たんだからと、気を取り直して、長靴の底で探ります
●テク1:筍の見つけ方は、既に地上に飛び出しているものは目で見て分かりますが、1~2日後の発芽を待つ筍は、長靴の足の裏で、尖った頭を踏む感覚で探ります。落ち葉を払いのけると、黄色い頭が確かにありました。
やはり、雨の効果があったようです。アチコチに見つけました。
●テク2:掘る道具は唐鍬(トウグァ)ですが、筍を掘るとは、筍をネブチ(地下茎)から切り離す行為です。その道具をどちらに深く、そして切り離しの最後の鍬を入れるかが体力の消耗にかかってきます
ポイントは、この頭の鶏冠(トサカ)の向きです。
この写真では、左右両方から重なり合って水平方向に並んでいます。
筍はネブチ(地下茎)から萌芽しますが、この鶏冠の方向がネブチの走っている方向と読んで間違いありません
だから、この写真では、左右のどちらかを深く掘り、最後の一刀を入れたら良く、写真の上下側は無駄に深く掘る必要はありません
●テク3:掘る時には筍の頭を跨いで、向こう側を掘らない事です
剣道の面を打つように、向こう側を掘ると、トウグァの柄で筍の頭を叩いてしまい
折れたり、中にヒビが入ったりします
状況に合わせて、360度体を回転させながら、側面だけを掘るようにします
ちょっと小振りでしたが、根付きの位置で掘れました。売り物(JA出荷)なので、赤い根っこのイボが付いていないと荷受けしてくれません
とりあえず、こんな感じで余裕もって根付きで掘り、後で根の赤いイボリングを1~2リング付けてカットします。
この写真で、竹の空いている(密度が低い)10mは所有の竹山ですが、その向こうの密集しているのは、放置竹林です。
過密の竹は倒竹しやすくなり、倒れると寄りかかる枝の少ない、こっちに傾いてくるし、迷惑なものです。
我が家の竹林が、そうならないように、せっせと掘るしかありません
●テク4:堀残しで、掘れないほど大きくなったら、鎌で頭を切ったり、胴切り、踏み倒し、密度を抑制します
●テク5:この写真は何かというと、掘った穴はちゃんと埋めとけということです。
掘り穴をそのままにしておくのは、イノシシと変わりません。
落ち葉や草に覆われると、凹に足を取られ、捻挫する可能性もあります
落ち葉や表土を埋め込んで、土を乗せれば、来年はまたそこから立つ可能性もあり、掘りやすくなります。
●テク6:筍は、ペアやトリオで立つ事も多いです。それも隣接して
最初の1本で滅法やたらにトウグァを打ち込むと、隠れている隣の筍の首を刎ねてしまいますので、半径30cmくらいの周囲を、トウグァで表面を浚えておけば安心です
さっきの、テク2:鶏冠の向きで、ネブチの走り、最後の一刀を入れる側かを読む~の標本みたいな良い写真が撮れました。
今度は、上下に両方から重なり合って鶏冠が並んでいます。だから・・・どっち
●テク7:そうです、この筍はネブチが、上下方向に走っています。
しかも、写真下方向が開いているでしょう
こんな場合には、ネブチから斜めに傾いて萌芽していると読んで間違いありません。
だから、この写真では、上方向にやや傾いて萌芽しているので、写真下側を深く掘ると、生え際のネブチに近く、根っこが現れ、最後の一刀を入れたら良いと分かります。
写真の左右側は無駄に深く掘る必要はありません
50年ほど前の子どもの頃は、ここは6枚の畑が連なる段々畑でした。
カライモや野菜を作っていたのを思い出します。
その後、植林して杉山になりましたが、平成3年の台風19号により、せっかく20年生まで育った杉は壊滅して、皆伐しました~
落胆のあまり、放棄していたら周囲からの孟宗竹の侵入を許し、あっと言う間にこうなって仕舞いました
良い竹林の、適正な立ち密度は、大人の傘をさして自由に歩ける間隔が必要と聞きました。
うちの園は、土手部分は密で、畑部分は疎です。
土手が密なのは、土手グエ(崩れる)防止でもあります。
この写真は、ちょうど土手に生えていたので、地上から根まで良く観察出来るサンプルとして載せました
土手においては、ネブチは土手沿いに張らなければ、空中に飛び出してしまいます。
だから土手に立つ筍の鶏冠は土手の方向(土手に平行)に必ず向いています。
良く見てくださいネブチは見えませんが、鶏冠の向きは左右方向です。
そして鶏冠は右側が開いているでしょ!だから頭は左に傾斜している
そしたら、トウグァは右側に深く入れて、最後の一刀も右側が効率的に切り離せると分かるでしょ
筍堀り作業で疲れるのは、土そのものを掘り動かすより、地表に走る根や絨毯マットの様に絡んだ根にトウグァが取られ、その切り離しに力を奪われるからだと思います
ここで問題:法医学教室ではありませんが、この害者:ガイシャ(筍)は、どちら側から致命傷の一刀を入れられたか鶏冠を見て答えなさい。
答え:左側からです。鶏冠は左が開いています。
そして、根が決定的な証拠です。根は均等に放射状に生えますが、左側がゴッソリ切り取られ無くなって、右には残っています。
まあ、全く素人の場合には、めちゃくちゃに掘りますので、害者:ガイシャは、メッタ刺しになりがちです(笑)
もう探しても見つからないので、今日はこれまで
掘った筍は、肥料袋(ビニル袋)に5~6本入れて、多段の畑の土手を車まで数往復して運び出しました。
これが重い重い腰痛っ
中年親父の僕もヘロヘロになりますので、年寄り(90歳)の親父にはキツイハズです
すでに時刻は6時~皆既月食は諦めていましたが、やっと帰れると焦りがあったんでしょうか軽トラの方向転換をしていて、悲劇が起きました
雨で竹の落ち葉が滑るのと、弛んだ土にタイヤを取られて、ズルズルと尻が落ち、土手に立つ孟宗竹に当たって止まりました
『あああ~最後の最後になって~ドジ野郎さて、どうする』
伐採竹を探してきて、テコの原理でタイヤを土に乗せようとするも、サスペンションが動くだけで、タイヤは全く上がりません。
小雨降る中一気に吹き出した汗と熱気でメガネも曇り、さっきの往復運搬でヘロヘロの上に、もうヘナヘナとその場に座り込んでしまいました
幸い携帯が通じる山ですので、自宅に居る親父にヘルプの電話をかけました
『方向転換で軽トラを畑に、ひゃらせたけん(入らせたから)トラクターと牽引のワイヤーロープを持ってきてはいよ(下さい)』
親父の到着まで、20分~その待つ間に、もう一度見回ったら、追加で3本掘れました。
牽引引き上げの写真は、撮影どころでなく出来ませんでしたが、難なく軽トラは引き上げられました
この竹山では初収穫で、大小30本ありました。
やあ、最後の最後になって、ドッと疲れた休日でした
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お役に立てたなら幸いです。なにせ、小学生の頃から観察と経験により学んだテクニックなので、汎用性があり、コツさえ会得すれば、そう疲れることなくタケノコ堀りが楽しくできると思います。
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