この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ナイロビの蜂。

2006-05-14 17:44:08 | 新作映画
フェルナンド・メイレレス監督、ジョン・ル・カレ原作、『ナイロビの蜂』、Tジョイ久留米にて鑑賞。

実はこの日は一日で二本の映画を観ました。
といっても同じ映画館でハシゴをしたわけでなく、昼間Tジョイ久留米で『ナイロビの蜂』を、イオン佐賀大和のレイトショーで『陽気なギャングが地球を回す』を観るという、ある意味無茶な強行軍を決行しました。まぁ日曜は日曜で用事があったので。大した用事じゃないけど。
この二作はどちらも原作つきという共通点があるのですが、けれど自分には製作者のスタンスが真反対のように思えました。
一つは「あの流行りの作家の小説はまだ一作も映画化されてないから、映画になったらそれなりに受けるだろう、とりあえず映画化しとけ」みたいな感じのものと、「次の作品でこそ映画作家としての真価が問われるであろう自分が、今本当に映画にすべき題材とは?」という製作姿勢です。
言うまでもなく前者は『陽気なギャングが地球を回す』ですし、後者は『ナイロビの蜂』です。
スクリーンから発せられる作品に掛ける製作者の熱意、気合い、意気込み、とにかくそういったものが二作ではまるで比べ物にならないように感じられました。無論ジャンルも製作費もまったく違う両者ではあるのですが。

実はここだけの話、『ナイロビの蜂』という映画のことを最初に耳にしたとき、正直あまり観る気は起こりませんでした。
亡くなった妻の正体を探るために行脚する男の話なんて何だか陰鬱そうな話だなぁ、そう思ったんです。
ただ、その映画の監督が『シティ・オブ・ゴッド』のフェルナンド・メイレレスだと知って、若干話は違ってきます。
あの『シティ・オブ・ゴッド』の監督の新作ならば、これは観に行かなくっちゃいけないな、と思い直しました。
そして今、『ナイロビの蜂』を鑑賞を終えて、その直感は間違っていなかった、と自負しています。
『ナイロビの蜂』はおよそ『シティ・オブ・ゴッド』から想像できるような作品ではなかったですが、これは『シティ・オブ・ゴッド』でメイレレスの名を知った者であれば誰でもそうだと思います、けれどこれだけは断言できます。
メイレレスの才能は本物だ、と。
自分は『陽気なギャングは地球を回す』のレビューを、
>本作の監督である前田哲監督の作品はもう二度と観ない
などと子供じみた宣言で結びましたが、本日のレビューでも同様に宣言したいと思います。
今後フェルナンド・メイレレスの作品は必ず劇場で鑑賞するつもりです。
彼が作品を発表し続ける限り。
コメント (8)
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