この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

アバター。

2009-12-26 14:23:51 | 新作映画
 ジェームズ・キャメロン監督、サム・ワーシントン主演、『アバター』、12/26、Tジョイ久留米にて鑑賞。2009年49本目。


 ジェームズ・キャメロン、劇場映画としては十二年振りの待望の新作。
 普通それだけ待たされたら、期待が高まるだけ高まって、実際観に行くと期待外れになることも多いのだけれど、『アバター』はその期待に充分応える、いや、その期待をさらに上回る出来でした。
 さすがは完璧主義者キャメロン、と唸らされるばかりです。
 
 過去にも多くのSF映画において様々な惑星、衛星が創造されてきました。
 しかし、映画『アバター』におけるパンドラほど細部にまで緻密な設定がされた星はないでしょう。
 何しろパンドラに棲む原住民ナヴィのために新たに一つの言語すら作り出しているのですから、ひたすら恐縮するしかありません。
 個人的にはどうしてナヴィの手足は四本なのに、地球の馬に似たダイアホースやヒョウに似たサナターの手足が六本なのか気にはなりますが(同じ星で進化したとは思えない)、まぁそれは不問にしてもいいです。
 ナヴィの手足が六本だったら、さすがに観客は感情移入しにくいでしょうからね。笑。

 本作の見所はやはりそのヴィジュアルなのでしょうが、自分が感心したのは、キャメロンの、他作品の取り込みの巧みさでしょうか。
 普通自分が好きな作品の一部を自作に取り込もうとすると、どうしたって無理矢理感が際立つじゃないですか。その顕著な例がニール・マーシャル監督の『ドゥームズデイ』だと思います。
 あの作品を観ていると、あぁ、監督はあの映画が好きなんだな、ということが強く伝わり、そのことでニヤリともさせられますが、純粋に一本の映画としてはどうしたってバラバラ感が否めません。

 それが『アバター』では、どこかで観たようなシーンはあっても、そこに不自然さは感じ取れませんでした。
 例えばクオリッチ大佐がオーガスティン博士たちの反乱に気づき、酸素マスクもつけずに司令室の外に飛び出し、博士たちの乗るヘリを撃ち落とそうと銃をひたすら撃ち続けるシーンがありますよね。
 自分はあのシーンを観て、あ、ナウシカだ、と思いましたよ。
 もちろん『風の谷のナウシカ』において腐海でナウシカがマスクを外したのは、パニックに陥った仲間たちを静めるためですけどね。
 間違いなくジェームズ・キャメロンはナウシカが大好きなんでしょうね。

 本作は三部作の構想があると聞きました。
 パート2が本作と同様のクオリティで作られるならば、三部作構想は歓迎ですが、パート2の公開が十二年後、というのは勘弁して欲しいところです。笑。

 お気に入り度は★★★★☆、お薦め度は★★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (2)
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