この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ソウル・コレクター。

2009-12-09 23:07:08 | 読書
 ジェフリー・ディーヴァー著、『ソウル・コレクター』、読了。市立図書館蔵書。


 何とか貸し出し期限内に『ソウル・コレクター』を読み終えました(最後の100ページはイッキ読み。笑。)。
 これで安心して週末を迎えることが出来ます。
 結末を知らずに返却することになったら最悪!!とか思ってましたからね。

 さて、日本では1999年の『ボーン・コレクター』から刊行が始まったリンカーン・ライムシリーズも本作で第八作になります(スピン・オフが一作)。
 リンカーン・ライムシリーズといえば、終盤に待ち受けるドンデン返しが売りだ、といっても過言ではないと思います。
 はっきりいって、ドンデン返しの見事さがそのまま作品の評価に直結している、ともいえるのではないでしょうか。
 当然本作もそうに違いないと思って読み進めていったのですが、、、驚きましたよ、ほんと、本作にはドンデン返しがないんですから。
 ドンデン返しがあるに違いないと思わせて、それがないというのもある意味読み手の意表を突いてはいますが、やはりシリーズの売りがないのはどうにもこうにも寂しいものがあります。

 しかもアメリアが真犯人にたどり着くのが偶々なんですよね。偶々聞き込みに行った先が真犯人の家でした、って展開なんです。
 偶々真犯人の家にたどり着いてりゃ世話ないよ、っていいたいです。

 つまり、本作を純粋にミステリーとして読むとずいぶん低い評価をせざるをえません。ストーリーのつまらなさでいえば、シリーズでも一、二を争うといっていいでしょう。

 じゃ、本作は読む価値がないかというと決してそんなことはありません。
 っていうか、インターネットの恩恵を受けているものであれば、誰もが必読であるといってもいいかもしれません。
 恩恵を受ける一方、インターネットにはこんな危険も潜んでいるんだということを我々に教えてくれる、警告の書といえると思います。
 本作におけるデータ社会の描かれ方は、些か演出過剰であることは否めなくても荒唐無稽と切り捨てることは誰にも出来ないはずです。
 本作を読み終わった直後に、インターネットの通販サイトで買い物を出来るという剛の者はそうそういないのではないでしょうか。
コメント (3)
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