『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』をDVDで見ました。
自分はおそらくスティーグ・ラーソンのミレニアム三部作を最も低く評価する人間の一人です。
いや、別に読むに値しないなんていってるのでなく、ただこの三部作に対してあまりに絶賛する声ばかりを耳にするので、そこまではないんじゃないかなぁという意味で。
確かに面白いことは面白いんだけど、ヒロインのリスベットを襲う危機が何か作為的というか、無理矢理感が否めないんですよね。
例えば『ミレニアム2 火と戯れる女』でリスベットは殺人事件の容疑者となるんですけど、その根拠が現場に彼女の指紋がついた拳銃が落ちていたから、なんです。
自分は真犯人がどのようにして彼女に罪をなすりつけたのか、言い換えれば真犯人がどうやって彼女の指紋がついた拳銃を入手したのか、興味津々で読んでいきました。
で、その真相が、偶然拳銃にリスベットの指紋がついて、偶然真犯人がその拳銃を入手して、偶然真犯人がその拳銃で凶行に至り、偶然真犯人が現場に拳銃を落としていった、というものなんです。
すごいよ、この偶然の嵐。ありえんっちゅーの。
そもそもリスベットというキャラクターは誰かの部屋に侵入したとしても、痕跡をまったく残さない、という設定なんです(彼女が意図的に残さない限りは)。
そんな彼女がべたべたそこら中に指紋をつけたりしますかね?ましてや拳銃に素手で触ったりする?
痕跡はまったく残さずとも、指紋に関しては頓着しなかった、というのであれば、そのキャラクター設定は破綻しているといわざるを得ません。
他にもいろいろ感心しないことがあって、そんなわけで原作の三部作への評価が低いのです。
なので原作の第一部を映画化した本作も劇場公開時には観に行きませんでした。
今回鑑賞してみる気になったのは、三連休でこれといってやることがなかったのと、準新作であるにも関わらず一週間レンタルが八十円だったからです(ゲオはときどき信じられないぐらい激安のキャンペーンをするなぁ。おかげで近くのローカルなレンタルショップが潰れちゃったけど。)。
で、鑑賞しての感想ですが、、、いや、悪くない。というか、異常殺人ものを取り扱った作品としては上出来の部類じゃないでしょうか。
いくつか原作との改変点が見られて、それがことごとくよかったです。
例えば、失踪したハリエットの残した暗号を解くのは原作では主人公ミカエルの娘なんですが(正確には暗号を解くためのヒントを与える役目)、映画ではリスベットが暗号解読に一役立ちます。
また、ミカエルをはめた実業家の不正証拠を提供するのは原作では産業界の大立者ヘンリックであるのに対し、映画ではやはりリスベットがその役目を担います。
どちらの改変もリスベットの重要性が増し、納得できるものです。
それから原作のミカエルは初対面との人間ともまるで挨拶でもするようにセックスをする、セックス依存症のキャラクターだったのが(しかもそのことを正当化するために、長々と作者は彼のセックス観を説明していたが、正直読んでいて辟易した)、映画ではセックスをする相手がリスベットだけなので、このことにも好感が持てました。
しかし、とりわけよいと思った原作からの改変点は、何といってもヒロインであるリスベットの外見(からのイメージ)でしょうか。
原作では見方によってはローティーンにも見えるという設定だったのが、映画での彼女はとても十代には見えず(ぶっちゃけ見た目はドニー・イェン)、しかしそれがよかった。
映画『悪人』でヒロインを演じた深津絵里がモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞したことが記憶に新しいですが、自分にはあの映画での深津絵里の演技のどこがよかったのかさっぱりわかりませんでした。
しかし、本作でヒロインのリスベットを演じたノオミ・ラバスの演技はすごいな、と思いましたよ。
リスベットという複雑怪奇で魅力的なキャラクターを見事に演じていましたよ。まぁ原作とはイメージが異なりますが。
彼女の演技を見るためだけでも本作は一見の価値があるといってよいと思います。
自分はおそらくスティーグ・ラーソンのミレニアム三部作を最も低く評価する人間の一人です。
いや、別に読むに値しないなんていってるのでなく、ただこの三部作に対してあまりに絶賛する声ばかりを耳にするので、そこまではないんじゃないかなぁという意味で。
確かに面白いことは面白いんだけど、ヒロインのリスベットを襲う危機が何か作為的というか、無理矢理感が否めないんですよね。
例えば『ミレニアム2 火と戯れる女』でリスベットは殺人事件の容疑者となるんですけど、その根拠が現場に彼女の指紋がついた拳銃が落ちていたから、なんです。
自分は真犯人がどのようにして彼女に罪をなすりつけたのか、言い換えれば真犯人がどうやって彼女の指紋がついた拳銃を入手したのか、興味津々で読んでいきました。
で、その真相が、偶然拳銃にリスベットの指紋がついて、偶然真犯人がその拳銃を入手して、偶然真犯人がその拳銃で凶行に至り、偶然真犯人が現場に拳銃を落としていった、というものなんです。
すごいよ、この偶然の嵐。ありえんっちゅーの。
そもそもリスベットというキャラクターは誰かの部屋に侵入したとしても、痕跡をまったく残さない、という設定なんです(彼女が意図的に残さない限りは)。
そんな彼女がべたべたそこら中に指紋をつけたりしますかね?ましてや拳銃に素手で触ったりする?
痕跡はまったく残さずとも、指紋に関しては頓着しなかった、というのであれば、そのキャラクター設定は破綻しているといわざるを得ません。
他にもいろいろ感心しないことがあって、そんなわけで原作の三部作への評価が低いのです。
なので原作の第一部を映画化した本作も劇場公開時には観に行きませんでした。
今回鑑賞してみる気になったのは、三連休でこれといってやることがなかったのと、準新作であるにも関わらず一週間レンタルが八十円だったからです(ゲオはときどき信じられないぐらい激安のキャンペーンをするなぁ。おかげで近くのローカルなレンタルショップが潰れちゃったけど。)。
で、鑑賞しての感想ですが、、、いや、悪くない。というか、異常殺人ものを取り扱った作品としては上出来の部類じゃないでしょうか。
いくつか原作との改変点が見られて、それがことごとくよかったです。
例えば、失踪したハリエットの残した暗号を解くのは原作では主人公ミカエルの娘なんですが(正確には暗号を解くためのヒントを与える役目)、映画ではリスベットが暗号解読に一役立ちます。
また、ミカエルをはめた実業家の不正証拠を提供するのは原作では産業界の大立者ヘンリックであるのに対し、映画ではやはりリスベットがその役目を担います。
どちらの改変もリスベットの重要性が増し、納得できるものです。
それから原作のミカエルは初対面との人間ともまるで挨拶でもするようにセックスをする、セックス依存症のキャラクターだったのが(しかもそのことを正当化するために、長々と作者は彼のセックス観を説明していたが、正直読んでいて辟易した)、映画ではセックスをする相手がリスベットだけなので、このことにも好感が持てました。
しかし、とりわけよいと思った原作からの改変点は、何といってもヒロインであるリスベットの外見(からのイメージ)でしょうか。
原作では見方によってはローティーンにも見えるという設定だったのが、映画での彼女はとても十代には見えず(ぶっちゃけ見た目はドニー・イェン)、しかしそれがよかった。
映画『悪人』でヒロインを演じた深津絵里がモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞したことが記憶に新しいですが、自分にはあの映画での深津絵里の演技のどこがよかったのかさっぱりわかりませんでした。
しかし、本作でヒロインのリスベットを演じたノオミ・ラバスの演技はすごいな、と思いましたよ。
リスベットという複雑怪奇で魅力的なキャラクターを見事に演じていましたよ。まぁ原作とはイメージが異なりますが。
彼女の演技を見るためだけでも本作は一見の価値があるといってよいと思います。