百田直樹の『日本国紀』を読了した。日本通史を約500ページでまとめた単行本で、大東亜戦争以降の現代史にけっこうなページを割いている。
たぶん作者がもっとも書きたかったのはこの時期で、さらにGHQの占領政策によっていかに日本が歪められたか、そしてその禍根が現代までつながっていることであろう。
私はネット番組の『虎ノ門ニュース』をよく観るが、その中で作者は、アメリカの歴史教育の目的はアメリカを好きになること、と知って驚き、日本の歴史教科書のなんとつまらないことか、と嘆き、その悲憤が執筆の源動力になった、と述べている。
基本的には事実に基づいているものの、百田史観が散りばめられている。それは学者が書いた歴史本ではなく、やはり作家がものした日本通史だからだ。
現在55万部の大ヒットになっているから、多くの人々に受け入れられた。それが悔しいのか、左系の方々は批判や非難で喧しい。
百田尚樹が書けば当然、右翼的な本とみられる。作者はベストセラー作家の顔とともに、保守系の論客としての顔もあり、そうなるのは当たり前であろう。安倍首相が購入した本にこれが含まれていることで、中国が右翼的だ、と攻撃するニュースを見て笑ってしまった。
ともあれあちこちでヒステリックな反応があるのは必然で、出版界にとっては1800円の本がこれだけ売れたことがビッグニュースになろう。つまり保守論調の本は売れる、ということで、今年はこうした傾向の本が増えそうだ。
内容的には、さほどの目新しさはない。通史として読むには日本の歴史の入門書として格好の本ではあるが、あくまで百田史観として読むべきであろう。
大東亜戦争以降の記述は、左系や中道の方々で、こうした内容に触れて来なかった人々は面食らう面もありそう。産経新聞などはいつも主張している記事ではあるが、そうした見方を載せないメディアを読んでいれば、きわめて新鮮なんだが、反発が出るのもしかたがない。
大切なことは、歴史はいろいろな見方や解釈があることで、これまでは主流の左系の学者が牛耳ってきて、戦前を暗黒社会とみるレッテル、GHQ占領政策の礼賛、GHQが作った憲法九条の神格化などなど、一面的な歴史を多くの国民は押し付けられてきた。それに風穴を開けるには十分な内容であろう。
筆者としては一読することをお勧めしたいが、もし立ち読みするなら、大東亜戦争以降のページを繰るだけでも価値があるといえよう。
写真・カメラの情報はhttp://camerajoho.web.fc2.com/を参照。ユーチューブの団塊SONGSや団塊SONGSエッセーもそのページの下部のアイコンから入れます。お楽しみください。
たぶん作者がもっとも書きたかったのはこの時期で、さらにGHQの占領政策によっていかに日本が歪められたか、そしてその禍根が現代までつながっていることであろう。
私はネット番組の『虎ノ門ニュース』をよく観るが、その中で作者は、アメリカの歴史教育の目的はアメリカを好きになること、と知って驚き、日本の歴史教科書のなんとつまらないことか、と嘆き、その悲憤が執筆の源動力になった、と述べている。
基本的には事実に基づいているものの、百田史観が散りばめられている。それは学者が書いた歴史本ではなく、やはり作家がものした日本通史だからだ。
現在55万部の大ヒットになっているから、多くの人々に受け入れられた。それが悔しいのか、左系の方々は批判や非難で喧しい。
百田尚樹が書けば当然、右翼的な本とみられる。作者はベストセラー作家の顔とともに、保守系の論客としての顔もあり、そうなるのは当たり前であろう。安倍首相が購入した本にこれが含まれていることで、中国が右翼的だ、と攻撃するニュースを見て笑ってしまった。
ともあれあちこちでヒステリックな反応があるのは必然で、出版界にとっては1800円の本がこれだけ売れたことがビッグニュースになろう。つまり保守論調の本は売れる、ということで、今年はこうした傾向の本が増えそうだ。
内容的には、さほどの目新しさはない。通史として読むには日本の歴史の入門書として格好の本ではあるが、あくまで百田史観として読むべきであろう。
大東亜戦争以降の記述は、左系や中道の方々で、こうした内容に触れて来なかった人々は面食らう面もありそう。産経新聞などはいつも主張している記事ではあるが、そうした見方を載せないメディアを読んでいれば、きわめて新鮮なんだが、反発が出るのもしかたがない。
大切なことは、歴史はいろいろな見方や解釈があることで、これまでは主流の左系の学者が牛耳ってきて、戦前を暗黒社会とみるレッテル、GHQ占領政策の礼賛、GHQが作った憲法九条の神格化などなど、一面的な歴史を多くの国民は押し付けられてきた。それに風穴を開けるには十分な内容であろう。
筆者としては一読することをお勧めしたいが、もし立ち読みするなら、大東亜戦争以降のページを繰るだけでも価値があるといえよう。
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