団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

ネット社会の明と暗

2013-08-28 10:54:44 | Weblog
 結局、このネット社会というのは、なんだろう、という思いを強くしている。ついこの間までは、ネット社会の明の部分ばかりが語られていた。確かに、ネットを使えれば、便利になりいろいろなメリットを受けることができる。
 しかし、CIAのスノーデン氏の告発を気に、明ばかりでなく暗の部分も大きくクローズアップされるようになった。どうしてアメリカはスノーデン氏の確保にあれほどこだわるのだろうか、と考えると、そこに深い闇がありそうな気がする。
 検索大手のグーグルやヤフーなどをはじめとする企業は、日々集積する厖大な情報を国家・政府に提供し、きっとその見返りを受けているのだろう。もともとインターネットにその狙いがあったわけではないだろうが、その可能性を含んでいたことは確かで、もっと便利を、を掛け声に、人々のプライバシーはどこかで暴露されているのだろう。
 むろん私などは、どこのネット情報を探したところで、大してやましいところはない。アダルトページにアクセスしたことぐらいで、日々のショッピングぐらいが公になる程度で心配はいらないが、人によってはやっぱりバレては困ることはあるだろう。
 個人がそうなら企業はもっとそうだろう。ライバル企業が、どこかの検索企業に依頼して、相手の企業秘密を探ることも可能になっているだろう。それができることが、スノーデン氏によって公になってしまったのだ。
 国家もしかりで、スーパーコンピュータを動かして、必要な情報を確実に入手することができる。どこまで検索大手が協力しているのかは秘密であるだろうが、そうしたネット社会が我々が気がつかないうちに現出していたわけだ。
 こうした社会になって、どう我々は向き合えばいいのか、というのが課題になる。つまりネットに上がった情報は、もうプライバシーでも秘密でもなんでもなく、真っ昼間裸で歩いているようなことになるのではないか。
 個人情報だって、押入れに現金を入れておけば誰にもバレないが、株や金融商品、銀行などと取引していれば、秘密を守ることは不可能だ。たぶんいろいろなIDやパスワードもバレバレで、ただその企業を盲目的に信じているだけだ。
 前提として、その信用があるからこそ人々は契約するが、企業がそれを遵守しようとしても、その上で動いているネット情報が、どこかに筒抜けということも考えられる。ネットである以上、完全なクローズドではあり得ないからだ。
 そうした広がりがネット社会であり、クラウドの拡大でもう収拾がつかないまでになっていよう。たぶん後戻りはできない。となれば、ある程度の覚悟をもって、このネット社会と付き合っていくしかないわけだろう。
 ネット社会をさらにスケールアップしたのがスマホで、ひょっとしたらスマホこそがアメリカの陰謀ではないか。日本はガラケーで進化したからこそ孤立化した。なんだか太平洋戦争に様相が似てきたような気がするが、私はまだガラケーである。以上のことを考慮すると、当分はスマホを使う気にはなれない。ううん、最後は負け惜しみか。

 エッセー「団塊SONGS」を配信中。原則的に日曜日にhttp://ameblo.jp/shiratorimn/にアップロードしています。エッセーで書いた歌は「団塊SONGS」(検索)で聴くことができます。カメラと写真の情報は「Web写真人」で。URLはhttp://shashinjin.digiweb.jp

なんでもかんでもきれい事

2013-08-20 10:40:29 | Weblog
 宮崎駿監督の『風立ちぬ』が公開されているが、早速禁煙学会が煙草を喫うシーンが多すぎる、とクレームをつけて批判を浴びている。また戦争に協力している主人公に葛藤がない、といった批評もあるとか。
 まじめに採り上げるほうがバカバカしいが、昭和20~30年代の邦画を見ていると、まあ、煙草をみんなパカパカ喫っている場面ばかりで、かえって呆れてしまうが、それが時代だったのだろう。
 太平洋戦争は国民戦争で、国民はほぼ戦争に協力したろう。それが当時の日本人の生き方だった。軍部の暴走で、最後は極端な全体主義国家になってしまったが、満州事変前ぐらいまでは、それほどひどい社会ではなかったと思われる。
 それが東京裁判で戦犯が裁かれると同時に、昭和前期の日本も否定されてしまった。国民総懺悔で誰が悪いのか、戦争責任はどこにあるのか、が曖昧になってしまった。米軍の非戦闘民への無差別殺戮だって、悪いのは日本だからやられても仕方がない、といった理屈で、これもうやむや。
 まあ、いまさらという感もあるが、そうした無責任体質が平成の世の中になって、またはびこりだしているのではないか。
 例えば『はだしのゲン』が槍玉に上がっている。描写が残酷だから、小中学生の閲覧はふさわしくない、と誰かが決めて、ひとり歩きしてしまっている。
 これらに共通していることは、現代の価値観で過去の時代を裁くことだ。そうした指摘をする人は、正義の味方なのだろうが、多様な価値観を認めない、反対に全体主義に通じるものがあるだろう。
 考えてみれば、我々はずっと正義の押し付けで生きてきたような気がする。言葉狩りもそうだ。差別用語がメディア自身の規制で、表現の自由が奪われた。そういう正義はいい面もあるが、そこから何かが失われることも自覚しなければならない。
 いい例が「援交」だ。なにが援助交際か、立派な売春である。深夜に飲食店従業員が殺される、という事件があるが、要は風俗関係の女性の事件なのだ。広島で女子高生が殺される事件があったが、彼女らがやっていたのは派遣型接待業だそうだ。つまり出張売春だ。
 女性が襲われる事件で、暴行というのも多くあるが、大抵はごうかん(チェックされてカナで書いた)だ。この言葉も聞かなくなってしまった。「覚醒剤」という言葉もあるが、昔は麻薬だった。魔薬とも書いた。いかにも恐ろしげで、近づきたくないだろう。を「集落」というのも、それだろう。
 以上、正義の旗印で、すべてがきれい事になってしまっていることだ。正義とあれば、メディアも積極的で、どんどん実質から離れて言葉だけが先走ってしまう。気がつけば、建前と本音の言葉が成り立つことになる。
 人間も社会も建前だけでは生きられない。表があれが裏があるもので、本音があり本音で生きているからこそ、前に進むことができるのだ。
 なんでもかんでもきれい事にした結果、子供が親を殺す殺伐とした社会になってしまった。きれい事をやめて、しっかりと光と影を見据える勇気を持つ社会にしていきたいものだ。

 エッセー「団塊SONGS」を配信中。原則的に日曜日にhttp://ameblo.jp/shiratorimn/にアップロードしています。エッセーで書いた歌は「団塊SONGS」(検索)で聴くことができます。カメラと写真の情報は「Web写真人」で。URLはhttp://shashinjin.digiweb.jp

KindleWhitePaperを買った

2013-08-07 08:51:29 | Weblog
 アマゾンからKindleWhitePaperを買った。7980円の電子書籍専用のリーダーだ。ある日、電車に乗っていて、中吊り広告にこれが載っているのを見た。その時、フッと前を見ると、若者がそのキンドルを使って読書をしている。
 なんとなく引き込まれるものがあって、帰って来てから調べてみた。値段は確かに7980円で、従来の機種に比べると、G3の無料接続がないだけで、Wi-Fi専用機であることが分かった。
 いろいろとアマゾンのサイトで読んでいくと、レビューの記事が載っていて、Wi-Fi接続をしなくても、パソコンで電子書籍をダウンロードして、それをKindleにコピーすればOK、という記事があった。
 それなら簡単だな、と思って、さらにKindleStoreの電子書籍のコンテンツを眺めていると、左のバーに無料本という文字があって、クリックしてみたら驚いた。昭和前期以前の文学作品が網羅され、トータル数は4万6000冊にのぼっている。
 もともと明治から昭和前期の名作をじっくり読みたい、と思っていたから、これでグラリと来て、即座に購入を決めた。翌々日に届いた。
 梱包を開くと、ほとんど本体のみの内容で、USBケーブルが付属している。すでに充電されており、スイッチを入れると、スタートアップが始まった。これを進めるには、Wi-Fi環境が必要で、手順通り行なってOKとなった。
 画面から無料本を探すとなると、かなりやっかい。そういったメニューが見つからず、やはりパソコンのKindieStoreのサイトで読みたい本を探してみた。
 4万6000冊、ページ数にして400だから、作家名を記入して検索するほうがてっとり早い。それでまず永井荷風の『墨東綺譚』をダウンロードした。これはアマゾンの商品を買うのと同じ手順で、料金は発生しないが購入したことになる。IDとパスワードも必要になる。
 ダウンロードすると、パソコンのダウンロードフォルダに入る。USB接続をして、Kindle本体のドキュメントフォルダにコピーすれば、それでKindleで読むことができるようになる。
 非常に簡単な手順だった。むろんWi-Fiでもできるが、PC画面上のストアで購入して、そのままパソコンにダウンロードしたほうが一貫性がありそうだ。
 とりあえず、永井荷風の『つゆのあとさき』を加え、さらに小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』、カフカの『審判』、島崎藤村の『千曲川のスケッチ』を入れた。読み直す本もあるが、これだけあれば、当分は楽しめそうだ。
 あとはゆっくりと有料でも読みたい本があればチェックしてみよう、と思っている。ただ多くのコメントにあるが、やはり電子書籍本は少ない。たぶん出版社の姿勢で、大手でも積極的でないところが多いのだろう。電子書籍のマーケットを拡大するには、出版社の協力が必要なことはいうまでもない。
 なお、スマートホンでもタブレットPCでも、ダウンロードでき読むことができるが、私はまだ所有していないが、そっちはもっと他のことで楽しめから、きっと地味な読書などはしそうにない。やはり専用機というのは、なにごとも便利なものだろう。使い勝手はきわめて上等で、印刷本と同程度にストーリーに没入できる。
 さて、どれほど読書量が上がるものなのか、自分でもいまから楽しみにしている。

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またまた痛風発症

2013-08-02 10:05:00 | Weblog
 このぐらいの齢になると、病気や健康の話が多くなるのはしかたがない。周りもそういう話はよく聞くものであるが、またまた痛風を発症してしまった。
 約1年ぶりであるが、昨年よりはかなり軽いのでホッとしている。ただ原因が分からないので、ちょっと戸惑っている。先週の火曜日にやや深酒をして、土曜日に町内の自治会の盆踊りが3つ重なって、そのあいさつ回りで3ヶ所に行って、それぞれにビールを飲んだ。その前に、うちで晩酌をやっているから、アルコールの摂取としては多かったのだろう。
 翌日曜日の朝に、右足のくるぶしに違和感があり、月曜日に痛みが出て腫れ始めた。歩行はやや不自由で、痛みを辛抱して歩いている。
 現在金曜日で、たぶんこれ以上は悪化せずに終わるようだ。直近の尿酸値は9.4で、通常レベルは7までで、かなり高く、いつ発症してもおかしくない状態ではあった。
 その数値を見ても、医者はなにも言わなかった。私の痛風の発症パターンは、夏、疲労、深酒なのだが、もうひとつの問題は、心臓薬として飲んでいる利尿剤だ。
 これが体内の水分を奪っている。特に私が飲んでいる利尿剤は、ループ系のラシックスで、そのジェネリック薬だった。これは尿酸値を押し上げる副作用があることをネットで調べて知った。
 つまり薬が体内でバッティングしているわけで、どちらを優先するべきか、ということだろう。医者は心臓内科の専門医で、尿酸値を見て見ぬふりをして、心臓病治療を優先して、痛風の懸念には目をつぶったのだろうか。
 こうしたことは春にもあって、鼻血が止まらなくなり、治療した耳鼻咽喉科の医者は、血がサラサラになるワーファリン錠を専門医と相談して、減らすようにしてください、とアドバイスした。こっちは勝手に、半分ぐらいの量にしてしまって、次の診療で2mgにするように医者から指示を受けた。これも出血しやすい状態を止めるか、ワーファリンを飲み続けて心臓病を優先するかの判断だった。
 血のサラサラ度は健常人は1.0、不整脈の人は理想的には1.6以上、私はその中間の1.3になっていた。たぶんこれを1.5程度に上げたいのだろう。不整脈の人は、血に泡が生じて、脳血栓になりやすいから、サラサラ状態を保つ必要があるわけで、鼻血よりは脳血栓を優先すべきだろう。ただ鼻血が止まらないと、何もできないから困ったものである。
 というわけで。結論はなにかといえば、やっぱり酒なんだろうね。痛風の原因はプリン体でビールや赤ワイン、豚肉、高蛋白の食品に多く含まれているが、特にビールが問題なのだが、最近はうちで飲まず、外でも極力少なくしている。
 それでも夏には身体から水分が抜け、尿酸値が高くなっているところに、利尿剤の効き目が重なってしまう。現在心臓は落ち着いており、脚のむくみはない。だから、夏は利尿剤は止めておき、むしろ意識して水分を摂ったほうがいいようだ。むろん次の診療で専門医に相談はする。
 心臓については、今年からオリーブオイルを料理に使い、結果は良好だ。オリーブオイルとナッツ類は心臓にいいことが分かっており、多量に摂るのもいいのだが、糖尿病には高カロリーになることは禁物だ。
 こう綴ってくると、私の身体はあちこちで薬やサプリメントが喧嘩し合って、なにがなんだか分からくなってくるが、とりあえず日常生活を維持できる健康は保っている。こういう状態を病気というのか、健康なのか、ちょっと判断に苦しむところである。結局、加齢であり、この薬で抑えられる程度の病気は、齢なんだから当たり前なのであろう。

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