またまた食品偽装が起こった。飛騨牛、うなぎである。呆れてものがいえないが、問題点を整理しておきたい。
まず、食品メーカーがなぜ偽装するかの答えは簡単で、楽に儲かるからだ。安く仕入れた肉やうなぎを、ブランド品とか国産品と偽って売れば、何倍もの利益がとれる。この甘い汁を吸うと、もうあとには戻れなくなるだろう。
しかし、これだけ多発するということは、楽に儲かるからだけではなく、生産に関わる人間の全般的なレベルの低下を感じざるを得ない。名の知れた大企業ならば、モラルの維持も図られようが、中小の企業は経済戦争の荒波の中で、プライドがなくなり、儲かればなんでもやってやる、というやくざまがいの精神構造になってきているのか。企業人としてのプライドがなくなって、なんの事業かと思う。
多発する理由として、やはり罰則規定がはっきりしていない。ほとんどが行政指導で済んでしまう。だからやり得という結果になっているわけで、やはり詐欺罪などの刑事罰を適用する事態になっていよう。ただ吉兆のように名の知れたところがやると、世間の制裁を受けるケースは多いから、これが本当の罰にもなり得る。
そして、最後の問題は、消費者にある。ブランド品珍重という風潮の高まりで、ブランド品なら多少高くても買ってしまう妄信にある。だから食品偽装が横行する。
評論家がいいそうな、なんでも自分の舌でチェック、といったところで、自分の舌でチェックできるものなんか限られている。チェックできるということは、その食の経験があるということで、こちらは飛騨牛だって、まだ食したことはない。
豆腐ひとつとってもスーパーで何種類も売っている。産地やブランドをアピールするものもあるし、特売品もある。それぞれ値段も違う。どう選ぶのか。
偽装か偽装でないかは素人が見抜けるわけではないが、やはり食してうまい、という自分なりの食品を見つけることではないか。グルメに詳しい人や世間では、これがおいしい、とレッテルを貼っているが、私はこちらがうまいし好き、というテリトリーを作ることだ。それなら騙されたって納得がいく。
私の場合は、究極のブランド品はお袋の味で、中学時代にすきっ腹で押し込むように食べたご飯が、もっとも輝いている食品だ。出始めのインスタントラーメンも珍しさもあってうまかった。
ブランド品なんかない時代に育ったことを、反対にありがたいと思っている。やはり食品は、ブランドや値段で選ぶのではなく、自分の基準で選ぶことが大切なことなのだ、という当たり前のことを、今回の食品偽装が教えている。 http://www.blogmura.com/ にほんブログ村
筆者の約60年間の人生を振り返りその思いを綴ったエッセー本「団塊の世代の世間話」(これで検索もできます)のホームページはhttp://www2.ocn.ne.jp/~danseken/です。アクセスをお願い申し上げます。
まず、食品メーカーがなぜ偽装するかの答えは簡単で、楽に儲かるからだ。安く仕入れた肉やうなぎを、ブランド品とか国産品と偽って売れば、何倍もの利益がとれる。この甘い汁を吸うと、もうあとには戻れなくなるだろう。
しかし、これだけ多発するということは、楽に儲かるからだけではなく、生産に関わる人間の全般的なレベルの低下を感じざるを得ない。名の知れた大企業ならば、モラルの維持も図られようが、中小の企業は経済戦争の荒波の中で、プライドがなくなり、儲かればなんでもやってやる、というやくざまがいの精神構造になってきているのか。企業人としてのプライドがなくなって、なんの事業かと思う。
多発する理由として、やはり罰則規定がはっきりしていない。ほとんどが行政指導で済んでしまう。だからやり得という結果になっているわけで、やはり詐欺罪などの刑事罰を適用する事態になっていよう。ただ吉兆のように名の知れたところがやると、世間の制裁を受けるケースは多いから、これが本当の罰にもなり得る。
そして、最後の問題は、消費者にある。ブランド品珍重という風潮の高まりで、ブランド品なら多少高くても買ってしまう妄信にある。だから食品偽装が横行する。
評論家がいいそうな、なんでも自分の舌でチェック、といったところで、自分の舌でチェックできるものなんか限られている。チェックできるということは、その食の経験があるということで、こちらは飛騨牛だって、まだ食したことはない。
豆腐ひとつとってもスーパーで何種類も売っている。産地やブランドをアピールするものもあるし、特売品もある。それぞれ値段も違う。どう選ぶのか。
偽装か偽装でないかは素人が見抜けるわけではないが、やはり食してうまい、という自分なりの食品を見つけることではないか。グルメに詳しい人や世間では、これがおいしい、とレッテルを貼っているが、私はこちらがうまいし好き、というテリトリーを作ることだ。それなら騙されたって納得がいく。
私の場合は、究極のブランド品はお袋の味で、中学時代にすきっ腹で押し込むように食べたご飯が、もっとも輝いている食品だ。出始めのインスタントラーメンも珍しさもあってうまかった。
ブランド品なんかない時代に育ったことを、反対にありがたいと思っている。やはり食品は、ブランドや値段で選ぶのではなく、自分の基準で選ぶことが大切なことなのだ、という当たり前のことを、今回の食品偽装が教えている。 http://www.blogmura.com/ にほんブログ村
筆者の約60年間の人生を振り返りその思いを綴ったエッセー本「団塊の世代の世間話」(これで検索もできます)のホームページはhttp://www2.ocn.ne.jp/~danseken/です。アクセスをお願い申し上げます。