団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

Kindle本の愉しみ

2019-01-23 11:18:53 | Weblog
 電子書籍といえば、アマゾンのKindle本がその代表となろう。以下はちょっと宣伝臭くなるが、Kindleならではの愉しみがあることを記したい。
 すべての本が電子書籍になるわけではないが、最近は印刷の本と同時的に電子書籍も用意されるケースも多い。印刷本よりちょっと安く、ネットでダウンロードできるから、重くなる印刷本を持ち歩く面倒さはなくなるのが、電子書籍のメリットであるだろう。
 私はハードはモノクロ画面のKindleとカラーのタブレットのFireを持っていて、両方にダウンロードする。雑誌やカラーページのある書籍はFireを使うが、多くはKindleで読んでいる。
 もうひとつのメリットは、多くの電子書籍もそうであるが、戦前の大家の作品がほとんど無料である。青空文庫から転用している例が多いが、作家の短編集などはほとんど全作品が網羅されて、アマゾンだと99円で販売している。
 私は推理物が好きで、江戸川乱歩、ポー、コナン・ドイルなどをダウンロードし、交互に読み耽っている。乱歩を読んだら、次はドイルという具合だ。
 また文学では、谷崎潤一郎は25作品。泉鏡花188作品、日本と世界の名作名著100選なども入れており、まあ、読了するのはいつのことか分からない。
 多少高い作品もあるが、これが1冊のKindleに収まっている。これは便利で、読むものには困らない。よくジャンパネットたかたが電子辞書で50万円相当ぐらいの170コンテンツのことを訴えているが、それて同じ感覚である。
 たまには前述のように『日本国紀』のような時流に乗った印刷作品も読むが、多くは電子書籍である。アマゾンのKindleページを見ているのも、なかなか楽しい。
 読む予定はないが、ダウンロードしたい作品はいっぱい。どんなKindleが掲載されているか興味深いが、ただ無料本などの検索は使い勝手が悪い。感覚的には本屋でぼんやり書棚を見ているのに近い。
 確かに出版不況であるが、絶版になったり本が入手できない状況がある中で、電子書籍なら復活するにも、さほどのコストはかからない。印刷か電子書籍かという二者択一的な考えでなく、両方のいいところをしっかり自分の読書に取り入れていくことが大切なことではないか。
 ちょっと真面目になってしまったが、印刷にしろ電子書籍にしろ、本とは一生の付き合いになるであろう。

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百田尚樹『日本国紀』の読後感

2019-01-05 10:35:23 | Weblog
 百田直樹の『日本国紀』を読了した。日本通史を約500ページでまとめた単行本で、大東亜戦争以降の現代史にけっこうなページを割いている。
 たぶん作者がもっとも書きたかったのはこの時期で、さらにGHQの占領政策によっていかに日本が歪められたか、そしてその禍根が現代までつながっていることであろう。
 私はネット番組の『虎ノ門ニュース』をよく観るが、その中で作者は、アメリカの歴史教育の目的はアメリカを好きになること、と知って驚き、日本の歴史教科書のなんとつまらないことか、と嘆き、その悲憤が執筆の源動力になった、と述べている。
 基本的には事実に基づいているものの、百田史観が散りばめられている。それは学者が書いた歴史本ではなく、やはり作家がものした日本通史だからだ。
 現在55万部の大ヒットになっているから、多くの人々に受け入れられた。それが悔しいのか、左系の方々は批判や非難で喧しい。
 百田尚樹が書けば当然、右翼的な本とみられる。作者はベストセラー作家の顔とともに、保守系の論客としての顔もあり、そうなるのは当たり前であろう。安倍首相が購入した本にこれが含まれていることで、中国が右翼的だ、と攻撃するニュースを見て笑ってしまった。
 ともあれあちこちでヒステリックな反応があるのは必然で、出版界にとっては1800円の本がこれだけ売れたことがビッグニュースになろう。つまり保守論調の本は売れる、ということで、今年はこうした傾向の本が増えそうだ。
 内容的には、さほどの目新しさはない。通史として読むには日本の歴史の入門書として格好の本ではあるが、あくまで百田史観として読むべきであろう。
 大東亜戦争以降の記述は、左系や中道の方々で、こうした内容に触れて来なかった人々は面食らう面もありそう。産経新聞などはいつも主張している記事ではあるが、そうした見方を載せないメディアを読んでいれば、きわめて新鮮なんだが、反発が出るのもしかたがない。
 大切なことは、歴史はいろいろな見方や解釈があることで、これまでは主流の左系の学者が牛耳ってきて、戦前を暗黒社会とみるレッテル、GHQ占領政策の礼賛、GHQが作った憲法九条の神格化などなど、一面的な歴史を多くの国民は押し付けられてきた。それに風穴を開けるには十分な内容であろう。
 筆者としては一読することをお勧めしたいが、もし立ち読みするなら、大東亜戦争以降のページを繰るだけでも価値があるといえよう。

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