『月の女王』3冊目のノートから、要約と抜粋。
香の部屋で、香が夕子と妙子に、香はアーサーのことが好きなのではないか?と詰め寄られている。
香が「好きな小説の主人公に似ているから憧れているだけ」と答えると、なぜか妙子が「よかった」と胸をなでおろした。
薄暗い部屋の中、忍の元に桔梗がやってくる。
「今日の昼の動きは司様のご指示のことでした」との報告。
忍は真田を呼ぶよう命令をしたが、その前に、と桔梗を呼びとめる。
「今日は私たちが初めて出会った記念日だよ」
と、小さな薄紫のペンダントを渡す。「あれから八年・・・」
桔梗と入れ替わりに真田がやってくる。
「十年前、中国で起きた一家心中事件について調べてくれ」
従順に頭をさげる真田。
ミロクの部屋に行こうとした忍が倒れる。人を呼ぼうとする真田を制する忍。
「今、こんなことが知られたら、司兄さまが・・・」
香の身の回りに異変が起きはじめてから三日目の朝。
翌朝、香・クリス・白龍・アーサーで学校に向かっているところ、また襲われる。
3人で応戦していたところ、アーサーがやられそうになったのを見た香が我を忘れて能力を発動。あまりもの力に「あんな雑魚にあんな力を使うなんてエネルギーがもったいない」とクリスがあきれる。
このままでは学校に遅刻してしまう、と走り出した香の前に、高村の車が停まる。4人とも学校まで送って行ってもらう。
別れ際、高村がクリスにそっと手紙を渡す。「どう・・・なさいますか?」
↓↓↓
香と白龍が三年生の昇降口に入って行ったのを見届けてから、クリスはこっそりと校舎の影に入った。表情が先ほどまでとは別人のように気難しくなっている。
「・・・・・・誰もいない・・・な」
周りを見回してから、カバンを探り、高村から渡された封筒を取り出した。中を見ることを恐れるようにゆっくりと開封する。中には薄っぺらの紙一枚。
「・・・・・・ふーん」
さっと目を通しうなずく。もう一度読み直してから、思い切ったようにそれをびりびりと破りはじめ、小さくなった紙吹雪をさらさらと地面に落した。すると・・・・・・それはとけるように地面にすいこまれてしまった。
「『どうなさいますか』か・・・」
消えていく白いつぶを見ながら、クリスは高村の言葉を思いだし、苦しげにつぶやいた。
「どうしようもねえ・・・よなあ・・・」
↑↑↑
教室に行くと、女の子たちが騒いでいた。
今朝の車登校、クリス・白龍・アーサーと目立つ三人と一緒にいたこと、
「斉藤さんっていったい最近どうしちゃったの?!」
詰め寄られている中、長谷川広樹が助け船をだす。
広樹のとりまき連中が香に謝ってきた。「この子達も悪い子じゃないんだ」と嬉しくなる香。
妙子が騒がしく登校してくる。
妙子を見て驚く広樹。それに冷たく対応する妙子。
香に関係を問われ、妙子の父が広樹の姉と結婚したから、義理の叔父と姪にあたる、と答える。
放課後、帰ろうとしたところ、正門の前に人だかりができていた。
クラスメートの<西田英子>に、彼女は水泳界では伝説の女子高生、生命保険のCMにも出ている<古沢イズミ>だ、と教えてもらう。
近づいていくと、イズミの方から香に近づいてきた。
「遅くなって申し訳ありません」
と膝まずくイズミ。
遅れてやってきたクリス、イズミをみてはっと目を見開く。
イズミも同様にクリスを見て驚いたように何かを言いかけたが、「はじめまして!」というクリスの言葉に、何事もなかったかのように「こちらこそ」と対応する。
アーサーもやってきて、これで無事4人が集まった。
↓↓
(これからはじまる・・・?)
何がはじまるというのだろう・・・。香は自分がとんでもないことに巻き込まれはじめていることをうっすら感じはじめていた。変わりたくない、平凡でいい、それだけを願ってきた香にとって、それは恐怖にも近い感情を抱かせた。しかしそれにも増して内面からあふれ出る使命感みたいなものがどんどん大きくなっていく。
「これから・・・はじまる・・・」
香をとりまく運命の糸は、今、確かに見えない力強い手で引かれはじめたのだった。
↑↑
で、第一章終了。
今だったら、紙じゃなくてメールだろうなーーー。
なんて思ったりしましたが、当時のまま書き写してしまいました。
香の部屋で、香が夕子と妙子に、香はアーサーのことが好きなのではないか?と詰め寄られている。
香が「好きな小説の主人公に似ているから憧れているだけ」と答えると、なぜか妙子が「よかった」と胸をなでおろした。
薄暗い部屋の中、忍の元に桔梗がやってくる。
「今日の昼の動きは司様のご指示のことでした」との報告。
忍は真田を呼ぶよう命令をしたが、その前に、と桔梗を呼びとめる。
「今日は私たちが初めて出会った記念日だよ」
と、小さな薄紫のペンダントを渡す。「あれから八年・・・」
桔梗と入れ替わりに真田がやってくる。
「十年前、中国で起きた一家心中事件について調べてくれ」
従順に頭をさげる真田。
ミロクの部屋に行こうとした忍が倒れる。人を呼ぼうとする真田を制する忍。
「今、こんなことが知られたら、司兄さまが・・・」
香の身の回りに異変が起きはじめてから三日目の朝。
翌朝、香・クリス・白龍・アーサーで学校に向かっているところ、また襲われる。
3人で応戦していたところ、アーサーがやられそうになったのを見た香が我を忘れて能力を発動。あまりもの力に「あんな雑魚にあんな力を使うなんてエネルギーがもったいない」とクリスがあきれる。
このままでは学校に遅刻してしまう、と走り出した香の前に、高村の車が停まる。4人とも学校まで送って行ってもらう。
別れ際、高村がクリスにそっと手紙を渡す。「どう・・・なさいますか?」
↓↓↓
香と白龍が三年生の昇降口に入って行ったのを見届けてから、クリスはこっそりと校舎の影に入った。表情が先ほどまでとは別人のように気難しくなっている。
「・・・・・・誰もいない・・・な」
周りを見回してから、カバンを探り、高村から渡された封筒を取り出した。中を見ることを恐れるようにゆっくりと開封する。中には薄っぺらの紙一枚。
「・・・・・・ふーん」
さっと目を通しうなずく。もう一度読み直してから、思い切ったようにそれをびりびりと破りはじめ、小さくなった紙吹雪をさらさらと地面に落した。すると・・・・・・それはとけるように地面にすいこまれてしまった。
「『どうなさいますか』か・・・」
消えていく白いつぶを見ながら、クリスは高村の言葉を思いだし、苦しげにつぶやいた。
「どうしようもねえ・・・よなあ・・・」
↑↑↑
教室に行くと、女の子たちが騒いでいた。
今朝の車登校、クリス・白龍・アーサーと目立つ三人と一緒にいたこと、
「斉藤さんっていったい最近どうしちゃったの?!」
詰め寄られている中、長谷川広樹が助け船をだす。
広樹のとりまき連中が香に謝ってきた。「この子達も悪い子じゃないんだ」と嬉しくなる香。
妙子が騒がしく登校してくる。
妙子を見て驚く広樹。それに冷たく対応する妙子。
香に関係を問われ、妙子の父が広樹の姉と結婚したから、義理の叔父と姪にあたる、と答える。
放課後、帰ろうとしたところ、正門の前に人だかりができていた。
クラスメートの<西田英子>に、彼女は水泳界では伝説の女子高生、生命保険のCMにも出ている<古沢イズミ>だ、と教えてもらう。
近づいていくと、イズミの方から香に近づいてきた。
「遅くなって申し訳ありません」
と膝まずくイズミ。
遅れてやってきたクリス、イズミをみてはっと目を見開く。
イズミも同様にクリスを見て驚いたように何かを言いかけたが、「はじめまして!」というクリスの言葉に、何事もなかったかのように「こちらこそ」と対応する。
アーサーもやってきて、これで無事4人が集まった。
↓↓
(これからはじまる・・・?)
何がはじまるというのだろう・・・。香は自分がとんでもないことに巻き込まれはじめていることをうっすら感じはじめていた。変わりたくない、平凡でいい、それだけを願ってきた香にとって、それは恐怖にも近い感情を抱かせた。しかしそれにも増して内面からあふれ出る使命感みたいなものがどんどん大きくなっていく。
「これから・・・はじまる・・・」
香をとりまく運命の糸は、今、確かに見えない力強い手で引かれはじめたのだった。
↑↑
で、第一章終了。
今だったら、紙じゃなくてメールだろうなーーー。
なんて思ったりしましたが、当時のまま書き写してしまいました。