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月の女王-5

2014年07月23日 11時04分06秒 | 月の女王(要約と抜粋と短編)
『月の女王』4冊目のノートから、要約と抜粋


第二章 来襲

「4人集まったのだから本当のことを教えて」
という香に対し、話をはぐらかすクリスと白龍。
 二人とも、香はまだ「変わりたくない」という気持ちが大きく、能力を開花しきれていないので本当のことを話すのは得策ではない、という考えを持っていた。イズミとアーサーもそれに従う。

 転入手続きの書類作成のため、高村の部屋に来たイズミ。
 クリスにむかってひざまずき、
「クリストファー様」
 と呼びかける。その必要はない、と顔をしかめるクリス。
 イズミとクリスは十年ぶりの再会だという。
 十年前の話をしかけたが、クリスの精神状態が不安定になったため、高村が背をさすって落ち着かせる。
 二人が部屋から出たのを見送ってから、高村は引き出しから一枚の写真を取りだした。
 クリスとその両親と高村の4人で写っている写真。
「エレン様・・・どうぞクリス様をお守りください・・・」
 高村は目をつむり祈るようにつぶやいた。

 イズミは香の家に一緒に住むことになる。
 香が父からの電話(父は私立高校の教師。合宿につきそっていて留守、とのこと)に出ている間に、香の母・夏美がこっそりとイズミに問いかける。

↓↓↓

「あなたは・・・『北』の人?」
「え・・・」
 イズミの表情が変わる。夏美は微笑むと、
「じゃあ、結界を張れるのよね?」
「・・・・・・はい」
 イズミはうなずきながら、確かめるように、
「あなたがこのマンションに結界を張っているのですか? 白龍と同じ波長だからてっきり彼がやっているのかと思っていました」
「ええ、私です。でも私の力ではもう限界みたい。先ほども破られかけました。確か『北』の人の結界は4人の中で一番強いと聞いたんだけど・・・」
「・・・・・・」
 イズミは目を細め、夏美を見つめ返した。
「あなたは・・・どこまで知っているんだ? 誰に聞いた? 自分の子があの『予言』の子だと・・・」
「十年前に・・・」
 夏美は落ち着いた口調で言葉をついだ。
「十年前に母が亡くなる間際に話してくれました。私の家は本流からは外れているのですが、まれに能力保持者が生まれる血筋で・・・。特に母は強い力を持っていたために、どこかで聞かされていたようです。その『予言の子供』の話を・・・」
「それは・・・十年前・・・?では、姫は・・・」
「8歳でした」
 憑きものが取れたように夏美の顔が安らかになっている。十年間誰にも話せず胸の中にしまいこんできたものをやっと口に出せるからだろう。
「私は主人との結婚を反対され・・・まあ当たり前ですけどね。主人は『むこう』のかなりいい家の人ですから・・・。それで駆け落ち同然で結婚したんです。だから母と香が会ったのも母の臨終の時が初めてでした。母は香を一目見たとたん、香と二人きりになりたがって、そして・・・」
「では、姫を封印したのは・・・」
「私の母です」
 夏美はふっと息をついた。
「母は笑っていました。まさか自分が『封印せし者』だとは思わなかったって・・・」
「それで・・・」
「ええ。香を『封印』したあと、私に『予言』のことをすべて話して・・・力尽きたように亡くなりました。それから私にも『能力』がほんのわずかですけど備わりました。たぶん母が引き出してくれたんだと思います」
「そう・・・・・・」
 イズミは深く肯いて納得したように、
「十年前に現れたあの老婆はその方だったのですね・・・・・・」

↑↑↑

 何気ない会話の流れから、白龍がクリスに思わず激白する。
「僕は十年前に家族を一度になくして、母の妹の家で育てられました。だから家族がどういうものだったのか忘れてしまった。叔母の家では家族というものを味わえなかったので・・・・・・」
 それに対し、クリスが、自分も十年前に母を亡くしているので、その辛さは少しは分かる。お前はその辛さを一人で乗り越えたんだからすごい。頑張ったんだな、と答える。
 白龍は自己嫌悪におちいる。

↓↓↓

「・・・・・・クリス」
「・・・・・・え?」
 ボソボソっと聞こえた自分の名前。息がつまるほど緊張しながら次の言葉を待つ。
 白龍はうつぶせたまま、小さく続けた。
「・・・・・・ごめん」
「・・・・・・」
 クリスは身動きもできなかった。確かに今までと同じ声なのだが、なぜか別人のように思える。
「僕は・・・自分の境遇を他人に対する優越感ににしていたのかもしれない。僕だってけっしてずっと不幸だったわけではないのに・・・」
「・・・・・・」
「母親をなくしても、それを感じさせないくらい明るくふるまっている人もいるのに・・・」
 わずかに声が震える。
「僕は・・・我儘だ」
「白龍・・・・・・」
 クリスはそっと白龍のやわらかい髪に触れた。白龍は身じろぎもせず繰り返した。
「我儘だ・・・・・・」
「白龍・・・・・・」
 クリスは優しいといっていいほど穏やかな声で、
「オレ・・・・・・うまく言えないけど・・・・・・せっかく会えたんだから・・・だから、友達になろう」
「・・・・・・」
 白龍がゆっくりと身を起こし、クリスを見つめる。クリスは青い空色の瞳でまっすぐに見返した。

↑↑↑


 忍の部屋に、真田の制止を振り切って<司>がやってくる。
「オレに諜者をつけて何を調べさせている!」
 忍の胸倉をつかみ揺すぶる司。でも忍は飄々と受けながす。
 司が出て行ったあとに、一人の少年がやってくる。弟の<ミロク>。十歳。
 明日一緒に乗馬に行こう、というミロクの誘いを受ける忍。
 忍の体調の心配をする真田。


 イズミと一緒に暮らすことになったことを、イズミファンの英子から羨ましがられる香。
 イズミを「イズミさま」と呼ぶ英子。香が「イズミくん」と呼んでいることにも大騒ぎ。

 妙子と広樹がケンカしながら教室に入ってくる。その様子をクリスと白龍が用心深く観察している。

 一時間目の体育終了後、更衣室に香と妙子だけ残っている。妙子が校内で迷ってしまい、着替えが遅れたことが原因とのこと。香の親友夕子は今日は学校を休んでいた。
 妙子が着替え終わったころ、いきなり更衣室の窓が開き、茶色の髪・緑の瞳の少年が侵入してきた。
 軽口をたたきながら、香を捕まえ、逃走。
 異変を察知して飛び込んできた白龍に問われ、妙子は呆然と「連れて行かれちゃった」と答える。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

お気に入りのシーンや、残しておきたいな、と思ったシーン、
要約するのが面倒なところは、書きだしています。

で、今回気がついたんですが・・・

戦闘シーンを面倒くさくて全然写してないんですね。
だから書きそびれてしまってる感じなんですが・・・

今まで、戦闘がおこなわれることになったとき、
一番に香を守ろうとするのは、必ずクリスです。
必ずクリスが一番に飛び出してきます。

なんか今回もクリス×白龍の話とか書き出してしまってるから
そっちばっかり重点いってる感じして、注釈つけたくなってしまいました。

香とクリスの不毛な会話とかもはしょっちゃってるもんね^^;

この時点で、香はかなりクリスには気を許していて・・・
というか、言いたい放題いっています。
香はクリスに対しては今でいう「ツンデレ」な感じかも。


夏休み入ったのでなかなか書けない・・・。
あと4冊!早く書いてしまいたいよ~~。

コメント
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