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(BL小説)風のゆくえには~ R18・試行3回目

2015年07月27日 12時16分55秒 | BL小説・風のゆくえには~ R18・読切

*直接的性表現を含みます。

高校卒業して3ヶ月後。
3回目の挿入挑戦です。慶視点で。


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 ようやくラブホテルにくることができた。
 最後におれの部屋でセックスをしてから、もう1か月近くたつ。
 通学電車を合わせているのでほぼ毎日会えてはいるんだけれど、浩介のバイトとおれの予備校の予定が微妙に合わなくてまとまった時間が取れなかったのだ。

「慶……」
 ホテルの部屋に入るなり、唇を求めてきた浩介。我慢の限界、といった感じ。気持ちは分かる。けれども。

「ちょっと待て。荷物くらいちゃんと……」
「待てない」

 唇を激しく吸われたあと、舌が中に侵入してきた。
「………っ」

 いつもと違う感覚に、鼓動が早くなってくる。
 なんだろう? 浩介、様子がおかしい……。
 
「どうし………っ」
 いきなり、勢いよく下着と一緒にGパンを下ろされ、言葉をなくす。

「な………っ」
「慶を、ちょうだい」

 浩介は切実な顔で言うと、おれのものをそっと掴んできた。

「ちょ……っと、うわっ」 
 後ろずさろうとしたが、足首にまとわりついたGパンのせいでバランスを崩し、床に尻もちをついた。
 それにも構わないように、浩介もしゃがみこみ、おれのものを扱きはじめ、そして……

「…………こっ浩介……っ」

 顔に血がのぼってきたのが自分でも分かった。
 浩介が……浩介がおれのものを口に含んで、上下に動かしはじめたのだ。

「お前何を……っ」
「慶が欲しい。慶が欲しくてたまらない」
「な………っ」

 なんなんだ?!

「………っ」
 手でするのともまったく違う感覚。生暖かい浩介の口の中。その中で舌に舐めまわされ……き……気持ち良すぎる……っ。

「ちょ、ちょっと待てって……」
「ダメ? 気持ち良くない?」
「いや、その……っ」

 上目遣いで浩介にみられ、再びカーッと赤くなる。な、なんなんだっ。

「続き、していい?」
「え………あの」

 腕を取られ、立たされると、トン、とベットの脇に座らさせられた。
 浩介がその前にひざまずき、再び咥えてくる……

「………っ」

 うわ……なんだこれ……
 右手でしごかれながら、先の方を吸い込まれ、ビクッビクッと震えてしまう。浩介は上目遣いでおれの様子を見ながら、左手で優しく袋の方まで触ってくる。

「こ………っ」
 快楽の波が来るたびに、浩介の頭を掴み、天井を仰ぎ見る。このままだといっちまう……っ。

「待てって、浩介……っ」
「ん?」
「いっちまうって……」
「うん………」

 浩介はふと手をとめ、口から離すと、ポツリといった。

「ホントはできたらいいんだけど……」
「………できるって?」
「あの………」

 口ごもった浩介をみて、ああ、と思う。
 前にラブホテルにきたときに、浩介が受をしようとしたのだけれど、体が固すぎてできなかったのだ。浩介はそれをやたらと気にしている。

「してみるか」
「うん……」

 おかげでほとんどイク寸前だ。これなら、浩介にそんなに負担なくイケるかもしれない。

 ジェルをぬってくれる浩介……。もうこのジェルの感覚だけでもいきそうだ。これなら……

「じゃあ……」
「うん」

 ベッドに仰向けになった浩介の太腿のあたりをおさえて、ぐっと押す。露わになった穴に、あてがおうとした……のだが。

「…………こ、浩介」
 思わず、吹き出してしまった。太腿がプルプル震えている。この体勢、相当つらいらしい。笑いが止まらない。

「お前、どんだけ体固いんだよっ。プルプルしてんじゃねえかよっ」
「もーーー!いいから早くしてよ!我慢してるんだから!」

 真っ赤な顔をして怒っている浩介。お、面白すぎる……。

「ごめんごめん。でも、無理。笑ってできねー」
「慶!!」

 ひいひい笑っていたら、浩介がかなり本気で怒っている様子で起き上がってきた。

「どうして真面目にやってくれないのっ」
「真面目に、と言われても」
「ちゃんと我慢するから、だから……っ」
「…………」

 浩介、涙目になっている。なんだかよく分からないけれども……浩介の中で何か渦巻いているものがあるようだ。時々、浩介は精神的に不安定になるときがある。今回もその波がきたのだろう。

「なあ、浩介」
「……………なに」

 泣きそうな浩介。愛おしい、と心の底から思う。

「別にどっちがどっちやってもいいんじゃね?」
「…………」
「何もあわてることないだろ。今日はとりあえず、お前がしろ」
「でも」

 ジェルをぬりはじめると、素直に大きくなっていく浩介のもの。

「手本、見せてやる」
「………慶」

 仰向けに寝そべり、自分で膝を胸のところまで抱え込む。あっちもこっちも露わになってかなり恥ずかしい体勢だけれども……

「こいよ?」
「………うん」

 浩介がゆっくりと挿入してきた。
 3回目、ということで慣れてきたのか、初回ほどのあの痛さもない。内側を擦られる感じがちょっと気持ち良くさえある。
 しばらく、その一体感を味わうかのようにお互いジッとしていたけれども、

「慶……」
 おれの名前を呼びながら、浩介が遠慮がちにゆっくりと腰を振りはじめた。やっぱり何か変だ。余裕がない感じ。

「お、前……何か、あった……のか?」
「…………」

 とぎれとぎれになりながらも言うと、浩介の動きが止まった。泣きそうな顔をしてこちらを見下ろしている。

「だって……」
「何だ? ……っ」

 繋がったままの状態なので、時折浩介のものがピクリと動くたびに、こちらも反応してしまう。動きをやめても萎えることはないようだ。

 浩介は口を引き結んだまま、ぼそっと言った。

「だって、慶が女の子にモテモテだから……」
「は?」
「おれがちゃんと女役できないと、慶が女としたいって思っちゃうかもしれないから」
「……………」

 なんだ……そりゃ。

「おれ、慶を誰にも取られたくない。慶が欲しい。慶だけが欲しい。そのためだったら何でもする」
「…………浩介」

 手を伸ばして、その大きな手をぎゅっと握る。

「バカだなあ。お前。おれがお前以外とするわけねえだろ」
「でも………」
「今、何でもするって言ったよな? だったら……」

 足を腰にからませ、密着させる。

「こないだみたいに、やりながらおれのことイカせろよ」
「慶………」

 泣き笑いの顔になった浩介が、そっとおれのものを掴む。少し固くなりかけていたものが、すぐにガチガチになったのが分かった。

「慶……気持ちいい?」
「………見りゃわかんだろ」
「うん……」

 前をしごかれながら、後ろは突き上げられる。快楽と痛みで何がなんだかわかんなくなってくる。

 そんな中で……

「……あ」
 突き上げられた瞬間、自分でも思ってもいないような声が出て、慌てて口を閉じる。……なんだ?

「慶?」
「なんでもな……っ」
 また出そうになり、飲み込む。何だ何だ……?

 立膝をついている浩介の腿あたりに手を伸ばして掴む。浩介の足……
 考えてみたら浩介もこうしてするのは3回目。動きに慣れてきた、というのもあるのかもしれない。さっきから腰使いが激しくて……

「……っ」

 思わず、のけぞる。
 なんだ、今の。心臓掴まれるみたいな、脳天直撃されるみたいな、快感の頂点に登りつめる、みたいな……

「慶、痛い……?」
「ちが……っ続けろ……っ」
「………うん」

 容赦なく、浩介のものが体の中心を突いてくる。痛さと気持ち良さが入り混じって、何も考えられない。同時に前もすごい速さで扱かれて、もう……

「こ……すけっ……イクっ」
「ん……」
「あ……っ」

 出た瞬間、思わず浩介の腿に爪をたてた。ドクンドクンッと体が波打つ。ぎゅうっと後ろが引き締まっていき、浩介のものを強く感じる。……と、

「ちょ、ちょっと慶、そんなに強く絞めたら……ああっ」
「え」

 慌てて引き抜いた浩介。おれの下腹のあたりに生暖かいものがぶちまけられる。

「あ……ぶなー……」
 浩介がホッとしたように大きく息を吐いた。

「もう少しで中に出しちゃうところだった……」
「………あ、わりい」

 今、浩介に起こった現象に気がついて、即座に謝る。

「中途半端でイッたんじゃねえか?」

 昔、夜中に部屋で自慰行為をしていたときに、階段をのぼってくる音がして手をとめたら、いきなり出てしまったことを思い出した。あれは中途半端で、気持ち良さも半減だった……。

 その話をしたら、浩介がケラケラと笑いだした。

「おもしろーい。そんなことあるんだ」
「おもしろかねえよ。今、お前、そんな感じじゃなかったか?」
「全然大丈夫だよ。気持ちよかったー」

 やたらと楽しそうな浩介。それならいいんだけど……。

「お風呂行こうか」
「ああ」

 その前にお互いの体についたものをティッシュでふき取る。この作業もなんか面白い。
 普段、自分ですると、いったあとは微妙に虚しさみたいなもの感じるんだけど、こうして浩介とした後の後処理は……

「なんか、幸せ」
「え?」

 ふいに、浩介がおれの心の中を読んだかのような発言をした。

「終わったあと、こうやってお喋りとかしてる感じ」
「………だな」

 浩介。愛おしくてたまらない。

「風呂、すぐ入りたいか?」
「ん? どうして?」
「ちょっと……」

 浩介にすり寄って、後ろから腰のあたりに抱きつく。

「慶………」
「なんか今日、こういうスキンシップが少ない気がするから」
「慶」

 浩介の唇が耳元から首筋へと落ちてくる。そのままベッドに押し倒される。

「あー………幸せ」
 浩介の心地よい声が頭の上で響いている。

「慶がおれの腕の中にいる……」
「浩介………」

 足を絡める。ぎゅーっと抱きしめられる。なんて幸福感……。

「浩介」
「ん?」

 手を伸ばし、その薄い唇をなぞる。

「おれはいつでもお前のそばにいる」
「うん……」
「だから、あんま変なこと考えんな」
「…………」

 返事の代わりに、おでこにキスをされ、ますます強く抱きしめられた。

 浩介と共にいる幸せを、今、強く強く感じる。




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高校在学時に2回挿入挑戦して失敗してる2人。その後、

卒業後約1か月後に1回目の挿入成功→「R18・受攻試行/慶視点」「受攻試行/浩介視点
5回目くらいはちょっと前に書いた→「R18・試行錯誤

で、前回が2回目→「R18・試行2回目
で、今回が3回目でした。次4回目ですね。

でもその前に、今回なんで浩介が、慶が女の子にモテモテって思って不安定になっちゃったのかって話をR18じゃなく書こうかな~と思ったり。

→→書きました。「風のゆくえには~嫉妬の効力


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夏休み中につき、更新頻度は落ちてますが、今後ともよろしくお願いいたします!!


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「風のゆくえには」シリーズ目次 → こちら

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