*直接的性表現を含みます。
高校卒業して2か月後。
2回目の挿入挑戦!となるお話です。浩介視点で。
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おれの恋人、渋谷慶は中性的で美しい容姿をしている。
先月、ラブホテルに行って、挿入行為までしてしまったというのに、いまだに触れるのも畏れ多い、と思ってしまう時がある。あまりにも綺麗すぎて、壊してしまいそうで……。でもその恐れと同じくらい、いや、もっと強く、触れたくてたまらない、とも思っている。
ラブホテルからの帰り道、慶は「また行こうな」って言ってくれたけど……本当に行きたいと思ってくれてるんだろうか? と躊躇してしまってそれから誘えていない。
あの時、結局、おればかりしてしまって……。でもやっぱり慶が痛そうで、長い時間はできなくて、結局最後はお風呂に一緒に入って、お互い手でしあいっこしていったんだけど……。
今、慶の部屋で2人きり。浪人生である慶の勉強につきあっている。
けれども、あの時のことを思い出してどうにもこうにも集中できない。その形の良い唇を指で辿りたい。うつむいて問題を解いているその瞼に口づけたい……
「………浩介」
「な、なに?!」
いきなり名前を呼ばれ、ビクッと飛び上がってしまった。慶がムッとした顔をしている。
「意味わかんねえ」
「どこ?」
慶の手元にあるのは英語の長文。慶は高校時代から英語、特に長文読解が苦手だ。
「こういうのねえ、先に問題を……、え」
ドキッとする。いきなり、問題集に伸ばそうとした手首を掴まれたのだ。
「ど、どうしたの?」
「だから、意味わかんねえ」
「……え?」
まっすぐにこちらを見上げてくる慶……。なんて綺麗な瞳。
慶は口をへの字に曲げ、怒り口調のまま言った。
「そんな目でジーって見てくるくせに、何もしてこないっつーのはどういうことだ? 意味わかんねえだろ」
「そんな目って……」
どんな目?
言うと、慶の手がおれの目を隠すように覆った。
「こんな目、だよ」
「だから、どんな………」
言いかけたところを、柔らかい唇にふさがれた。
うわ……と内心、気が遠くなりそうになる。覚えていた感触よりももっとずっと柔らかくて、気持ちがいい……。
「お前……やりたくねえの?」
「え」
頬を囲われ、おでこをコツンとつけられる。綺麗な瞳が目の前にある。
「こないだの、やっぱりあんま良くなかった、とか?」
「え!! そんなことあるわけないでしょ!!」
速攻で否定する。そんなことあるわけがない!
「じゃあなんで」
「なんでって………、って、ちょっと慶」
慶の細い指がズボンの上からまさぐってきた。ただでさえ固くなっていたものがますます……。
「なんだ。やる気はあるんじゃねえか」
「ちょ……ちょっと慶ってばっ」
そんなことされたら理性が吹っ飛んでしまう。
「待ってってば。なにを……っ」
「ホテルは金かかるから誘えねえからさ」
「え」
「だからうちに誘ったんだけど、お前やる気あるんだかないんだかイマイチわかんねえし」
「え」
「でもおちおちしてると誰か帰ってきちまうから、さっさとやろうかと」
「え、え、え」
カチャカチャとベルトを外してくる。
「ちょ、ちょっと待ってって。え、今、するの?」
「する」
慶は言いながら、足でテーブルを端に寄せ、あごでおれのカバンを差した。
「お前、あれ持ち歩いてるだろ? 出せ」
「あれって…」
「あれだよ。こないだも使った……」
潤滑ジェル。家に置いておいて、万が一母親に見つかったら面倒なことになるので、最近は常にカバンに入れっぱなしにしてある。
カバンから取り出し、振り返ると、慶がちょこんとベットに腰かけて、こちらを見上げていた。
その上目遣い、反則だ……。
「慶……」
我慢できなくて唇を重ねる。柔らかくて弾力のある唇。慶はそれに応じてくれながら、おれのズボンを引き下げてくる。おれも慌てて慶のズボンを脱がそうとしたけれど、上手くできない。慶が少し笑いながら一度立ち上がった。
「あわてるな。まだ時間はある」
「だって……」
慶は自分でズボンを脱ぐとまたベットに腰かけ、前に立ったおれのものにジェルを塗りたくってきた。これから起こるであろう快楽を思いゾクゾクしてくる。その抑えきれない思いのまま、白い首筋に唇を這わせると、慶が小さく声を漏らした。その色っぽさに、俄然そそり立ってしまったおれ……。
「慶……」
「………ん」
慶の白い足がおれの腰を抱え込んでくる。
「……いいの?」
「さっさとしろよ」
「でも……痛いでしょ?」
言うと、慶の手がおれのものを掴み、蕾の入り口へと導いた。
「白けさせるようなこと言うな。さっさとやれよ」
「…………」
強気なことを言いつつも、慶の顔は少しこわばっている。そりゃそうだよな……。
でも、でも………
先月感じたあの快楽、一体感をもう一度味わいたいという誘惑にはどうやってもかなわない。
慶、痛い思いさせてごめん。
心の中で詫びながら、ゆっくりゆっくりゆっくり時間をかけて押し込んでいく。締め付けられる。包まれていく……。
「慶………」
「ん……」
息がとまるほどの快感。気持ち良すぎる……。
密着させるように、慶の足がしっかりとおれの腰にしがみついてくる。
なんて一体感……
しばらくその快感に酔いしれてジッとしていたのだけれども、慶の手がぎゅっとおれの背中を掴んでくれたので、遠慮がちに、少しずつ腰を振り始めた。慶の手がますます強く背中にしがみついてくる。
(……あれ?)
自分の息づかいだけが聞こえる中で、ピストン運動を繰り返していて………気が付いた。慶のものが、時々腹で擦れるせいか大きくなってきている……。
(もしかして……)
そっと、慶のものを掴むと、
「………っ」
声にならない声をあげ、おれの背中から手を離した慶。前回は痛さのためか、おれが入れている間は全然固くなったりしなかったのに。少しは慣れてきた……?
「触るな……っ」
「触らせて」
腰の動きに合わせて、手も動かしてみる。先の敏感な場所に触れる度に、素直にビクッとなる慶。そしてその度に、うしろもぎゅっと締まる。たまらない……。
「浩介……っ」
「…………」
涙目の慶。シーツをギュッとつかみ、眉を寄せている。
その表情……痛さをこらえてるのか? それとも………
「慶……痛い?」
「う………うるせえっ」
「だって」
「い……痛い、けど、それだけじゃ、なくてっ」
「え」
「だから、それ続けろ……っ気持ちいいから……っ」
慶のものがおれの手の中でますます熱を帯びてくる。前の気持ち良さで後ろの痛さを忘れられてるってこと?
痛さと快楽は似ているのかもしれない。少し口をあけ、時折目をつむりながらこらえている慶の色っぽさが半端ない破壊力。
手加減なんてできない。本能のまま腰をつきあげる。その倍の速さで慶のものを扱き続ける。
「こ……、もう……」
「うん」
慶の息遣いが早くなってきた。おれもそろそろ限界だ。
でも……どうすればいいんだ? 中に出すと大変なことになる、ということは本で読んで知っている。寸前で引き抜く? 引き抜いたあとは? 自分ですればいいのか? そもそも、出たものはどうすればいいんだ? どこに飛んでいくかも分からない。自分でするときは右手で扱きながら左手はティッシュもってスタンバイしてるわけだけど、今右手で慶のものしごいてるから、左手でティッシュ? そしたら自分は?
頭の中にグルグルと色々ことがうかんでくる。でも、腰も手も止まらない。
(もう、なるようになれ、だ)
考えるのをやめて、行為のみに没頭する。慶のつらそうな表情。ああ……たまらない。手から伝わってくる慶の熱く固いものが愛おしい……。
「あ……いくっ」
小さくつぶやいた慶。その途端、おれを咥えている後ろがぎゅーっと絞められていく。
(うわ………っ)
血管が切れるかと思うくらい、頭に血がのぼっていく。
(やばいっ)
本当にイク寸前で引き抜く。右手の中の慶のものとぶつかる。
「あ……っ」
ドクンッと慶が波打った。熱い液体があふれでる。次の瞬間、慶が少し体を起こし、おれのものを奪うようにつかんだ。
「………っ」
慶の繊細な細い指……掴まれただけで頂点に達した。慶の腹に乳白色のものがぶちまけられる。あまりもの快楽に頭の中が真っ白になる……。
数秒の静寂のあと、
「あー……」
慶が「あ」に濁点がついたような「あ」で長く伸ばすと、バタンとベッドに倒れた。
「自分でする何万倍も気持ちいー………」
「慶………」
うわ……かわいい……。へらっと笑った慶の顔……。
「お前は?」
「うん……」
その額にそっと口づける。
「気持ち良すぎて頭おかしくなりそう」
「そっか」
嬉しそうに慶は肯くと、
「お前が持ってきてくれたアイス食おうぜー」
「あ、うん」
でもその前に、慶のお腹拭いてあげたい。それにこの手のベタベタをどうすれば……。それに……
「慶の、どっかに飛んだよねえ」
「あーだよなー、どこだー? 方向的にはここからこうだから……」
2人して残骸を探して拭いて回る。なんだか間抜けた光景でおかしくなってくる。
なんとか処理して、下にアイスを食べに降りてから、再び慶の部屋に戻ったおれ達。
「あの……」
アイスを食べながらも、ずっと気になっていたことを思い切って言う。
「慶は……いいの?」
「何が?」
首を傾げる慶。ああ、その白いうなじにもう一度口づけたいけど、我慢我慢……。
「ほら、おれだけしちゃったじゃん、結局。慶はしなくて……いいの?」
「あー……」
慶は頭をこきっこきっと左右に揺らすと、
「もういったし満足」
「でも」
「だいたいお前、できねえだろ」
眉を寄せた慶に、手を挙げてみせる。
「一応……柔軟、してるよ」
「マジで?」
慶の目が大きく開かれる。
前回……おれの体があまりにも固くておれが受での正常位ができなかったのだ。それならば、とバックに挑戦したのだけれど、慶が犬の交尾を連想して萎えてしまって……。
だから、毎日柔軟しとけ、と言われた言葉通り、一応毎日柔軟してきたんだけど……。
「よし。じゃ、どのくらい柔らかくなったか見せてみろ」
「う、うん……」
床で足を開いて座り、前屈をする。以前は全然前にいかなかったけれども、少しは……
と、思ったところで、いきなり背中をぐりぐりと押された。
「いたたたたたたっ。痛いってばっ」
「全然いかねえじゃねえかよ」
「前よりいってるってばっ。ちょっと、ホントに痛いってっ」
「こんなんで何いってんだよ。だいたい足開いてなさすぎ」
「………ったーーーー!!」
後ろから足で太腿のあたりを外側に向かっておされ、悲鳴をあげる。
「ホントに痛いっ死ぬっ」
「こんぐらいで死ぬか」
「もう無理っ。痛いって、ホントに痛いってっ」
バンバン床を叩いても、慶の足は容赦なく、おれの太腿をぐりぐり押してくる。その上で、背中に乗られ、本気で悲鳴をあげる。
「痛いってば!ホントに死んじゃうって!」
「死なねえよ。……あ、南」
ふいに慶が言った。なんとかドアのほうを見ると、慶の妹の南ちゃんがあきれたような表情をしてこちらを見ている。
「おかえり。冷凍庫に浩介が持ってきてくれたアイスがあるぞ」
「………何してるの?」
眉を寄せた南ちゃん。
「見りゃわかるだろ。柔軟だよ柔軟」
「南ちゃん、助けてっ。お兄さん、鬼だよ鬼っ」
「誰が鬼だっ」
「痛い痛い痛いっ」
ぎゃあぎゃあと二人で騒いでいたら、南ちゃんが、ふーっと大きく息を吐いた。
「せっかくの二人きりの時間だから、甘~いことして過ごしてるかと思ってコッソリのぞいてみたのに……小学生並だね二人とも……」
「うるせえ。つか、それ以前にのぞくなっ」
「そんなことより助けてっ」
「はあ……」
南ちゃん、再びため息をつくと、
「お兄ちゃん達に期待した私が馬鹿だった……」
「何を期待してるんだっ」
「まあ、色々……でも無理そうだね……。アイスいただきまーす」
パタン、とドアがしめられ、トントントン……と下に降りていく階段の音が聞こえてきた。
「………」
「………」
顔を見合わすおれ達……。
「あぶねー……あと20分、南が帰ってくるのが早かったら……」
「…………」
おそろしい………
「ねえ、慶……」
慶の足が離れた隙に、さっと正座する。これで股開きはしなくてすむ。
「やっぱり今度からはラブホテルにいかない?」
「でもなあ」
「お金はおれのバイト代から出すからさ」
「んー………」
慶は腕組みをしてうなっていたが、やがてこくんとうなずいた。
「んじゃ、来年までは頼む」
「うん」
「でもさ……」
言いにくそうに、耳の後ろをかいた慶。
「最低でも月一は行きてえんだけど」
「………」
うわ……嬉しい。
感動のあまり、黙ってしまったところ、慶が心配そうにこちらを見上げてきた。
「ダメ……か?」
「ダメなわけないじゃん!」
ぎゅーぎゅーぎゅーと抱きしめる。
「月一といわず、毎週でも毎日でも行きたいよ!」
「そっか」
愛おしい慶がおれの腕の中で安心したように息を吐く。
「まあでも、おれも受験生だからな。そうそう遊んでばかりはいられないから……」
「うん。じゃ、勉強再開しよう!」
テーブルを中央に戻して、トントンと叩く。
「はい。さっきの長文。こういうのは先に問題文を読んでから解いた方が楽なんだよ」
「……くそー。立場逆転だな……」
渋々と問題集に向かう慶。さっき柔軟でしごかれた分、ビシビシやり返してやる……ってね。
(綺麗だなあ……)
真剣な様子の慶をうっとりと見つめてしまう。本当に綺麗な顔。さっきの苦悶の表情はおれだけにみせてくれるおれだけのもの……。
「せんせー、問2の問題の意味がわかりませーん」
「んーと、これは………」
強く強く思う。慶はおれのもの。慶はおれだけのもの。
次にする時には、もっとそのことを感じられるようになりたい。
そんな邪な思いで見つめられているなんて、慶は気がついていないんだろうな。
「あ、なるほど。わかったわかった。サンキュー」
「!」
すばやく頬にキスされ、息が止まりそうになる。
幸せすぎる。慶がいるだけで。
慶がいてくれれば、他には何もいらない。
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高校在学時に2回挿入挑戦して失敗してる2人。
卒業後1か月ほどたってから、1回目の挿入に成功しました→「R18・受攻試行/慶視点」「受攻試行/浩介視点」
5回目というのを→「R18・試行錯誤」で書いていたため、
間の2回目3回目4回目、を書いてみたくなり、今回2回目を書いたわけでした。
慶君、まだ、慣れてきただけであって開発はされてません。
次あたりかな~その次あたりかな~……そんな話をまた次回。
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夏休み中につき、更新頻度は落ちてますが、今後ともよろしくお願いいたします!!
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