<浩介視点>
1月3日。渋谷と初詣にいく約束の日。
渋谷と会うのは12月28日の部活の帰りが最後だから少し久しぶりだ。
おれのうちと渋谷のうちの最寄り駅は隣なので、ホームで待ち合わせしていたはずなのに、
「こーすけー!」
駅に向かう人道橋をおりている途中で、聞き覚えのありすぎる涼やかな声が聞こえてきた。見ると、駅の切符売り場の前あたりに渋谷がいる。
「しぶ………」
渋谷、と言いかけて飲みこむ。違う違う。今度渋谷と呼んだら腕立てって言われてるんだった。
「けいー?」
「おー」
すごい。まぶしい。その笑顔。久しぶりだから余計に目が慣れない。
道行く人もチラチラみている。そりゃそうだ。渋谷は芸能人ばりの美貌とオーラの持ち主なのだ。
「どうしたのー?待ち合わせホームでって……」
「ちょっと運動不足だったからここまで走ってきたー」
「走って……」
渋谷の家からだと2キロくらいか。そのくらいの距離じゃ、なんてこともないのだろう。全然涼しい顔をしている。
紺のダッフルコートに白い大きめのマフラーをグルグルに巻いた姿は、一瞬ショートカットの女の子にも見える。……なんてこと言ったら怒られるから絶対言えないけど。
「浩介♪」
目の前までくると、渋谷はにーっこりと笑っておれを見上げた。
「あけましておめでとー」
なんだなんだ。渋谷、めちゃめちゃ機嫌がいい。ニコニコだ。キラキラオーラが眩しすぎて直視できない。それを誤魔化すためにわざと深々と頭をさげる。
「あけましておめでとうございます」
「今年もよろしくなっ」
「うん。よろしくね」
顔をあげてもう一度渋谷の顔を見る。うわ……やっぱりキラキラすぎる。直視できない。しょうがないので、切符の料金表に目を移す。
「んーと、予定通り鶴岡八幡宮?」
「うんうん。その後、海行きたい!」
「海? 由比ガ浜?」
「そうそう♪」
渋谷が機嫌よく「切符どこまで買えばいいんだ~?」といっているのを、横目でみる。幸せな気持ちが押し寄せてくる。
(こんなキラキラな人が、おれの『親友』……)
心が温かい。
「鎌倉だから、えーと……」
「横浜乗換でー……」
二人で並んで線路図を指さしながら駅を探していたところ……
「浩介!」
「!」
ビクッと跳ね上がってしまった。この声……
ゆっくりと振り返ると……
「お……かあさん」
なぜか母が……母が青い顔をして立っていた。ぶるぶると震えている。
なんでこんなところに……
「浩介……っ、あなた友達と出かけるって言ってたのに……っ」
「お母さん!?」
「え?」
渋谷がきょとん、と振り返った。
「お母さん?」
「あ、う……」
「ちょっと、あなた……っ」
まずいっ。母が暴走する……っ
「浩介とはどういう……っ」
母がすごい勢いで渋谷に詰め寄りかけた……けれども。
「あ、はじめまして!」
まったく動じず、渋谷がニッコリと母に笑いかけた。その爆発的な笑顔にこの母が言葉を止めた。すごい。渋谷はにこにこと続ける。
「浩介君と同じ学校の、渋谷です。いつも仲良くしてもらってます」
「………あなた」
母がマジマジと渋谷を見て……
「男の子、なの?」
「え」
「お母さん!!」
失礼すぎる!!
あわてて渋谷と母の間に割って入って、強めの口調で母を制する。
「お母さん、何か用ですか!? 僕たちこれから出掛けるので……っ」
「……あらそう」
母はマジマジと渋谷を見ていたけれど、納得したのか急に作りものの笑顔を浮かべはじめた。
「渋谷君、って言ったかしら?」
「はい」
渋谷が笑顔のまま肯いてくれている。
「浩介は学校ではどうかしら? みんなと仲良くして……」
「お母さん、そういうのやめてください」
ホントこの人どうにかしてほしい。
「だって、あなた学校でのこと何も話してくれないから」
「だから……」
「こんなかわいらしいお友達がいたなんて、お母さん全然知らなかったし」
「お母さん!」
男子相手にかわいらしいなんて失礼すぎる!渋谷がどう思うか……っ。
でも渋谷はにっこりと、
「浩介君は友達も多いし、先生からの信頼も厚いし、僕もいつも助けてもらってます」
「あら、そう?」
途端に嬉しそうな顔になった母。ホント単純だよな、この人………。そんなのただのお世辞だってのに……
「渋谷君、今度是非うちに遊びにきてね?」
「ありがとうございます♪ 是非」
渋谷が終始ニコニコしていたおかげか、母は満足したようにうなずくと、
「それじゃ、気をつけてね」
作り物の笑顔のまま、人道橋の方へ歩いていった。そっちに行ったら家に帰るだけだ。
(おれのあとをつけてきたんだ……)
ゾッとする。買い物のついでに見た、とかでもなんでもなく、ただ、おれが誰と出かけるのかチェックしに来たということか。遠目からみて、渋谷が女の子だと思って慌てて止めにきたんだな………
(ホントいい加減にしてほしい………何が何も話してくれない、だ。あんたに話したらこういう風に何しでかすか分かんないから話さないんだよっ)
心の中で口汚く罵っていたのだが、
「あ、鎌倉あった!」
「え」
渋谷の声に我に返った。母の失礼な発言の後にも関わらず、渋谷は機嫌の良いままだ。
「結構電車代かかるんだな~。でも大丈夫! おれ今日、おっ金っ持ち~♪」
「あ、そうなの?」
「京都のばあちゃんちを拠点に親戚回りしまくったからお年玉たっぷりなんだ~」
「………」
それで機嫌が良いのかな?
「じゃ、行こうぜっ」
「うん」
渋谷のキラキラで、膨らんでいた母への憎悪が沈まっていく。
(せっかく渋谷と一緒に出かけるんだ。嫌なことは忘れて楽しまないと)
渋谷の背中にそっと触れると、振り返った渋谷がこれでもかというくらいのキラキラな笑顔を向けてくれた。
******
<慶視点>
久しぶりに浩介に会えると思ったら気持ちが高ぶりすぎて落ちつかなかったので、早めに家を出て、浩介の家の最寄りの駅で待つことにした。
待ち合わせの時間まであと30分。隣の駅なのに降りたことがなかったので、もの珍しくてキョロキョロしてしまう。
浩介は中学まで都内の学校に通っていたらしい。ということは、中学まではこの駅を毎日使っていたということになる。
(中学生の浩介……)
どんな生徒だったのかな……。中学生の浩介が駅に向かっていくところを想像していたら楽しくなってきた。
おれの知らない浩介……どんな風だったんだろう……あの橋の階段を下りてたのかな……と思っていたら、本人が下りてきた。
(わ)
久しぶりの浩介。心の中にふわ~と温かいものが広がっていく。
「こーすけー!」
大声で呼ぶと、浩介はビックリした顔をしてこちらに向かって手をあげた。
「けいー?」
「おー」
けいー? だって。きゅううっと胸が締め付けられる。けど、
(いかんいかん)
自分を戒める。こんな好き好き全開ではだめだ。おれ達は親友。ただの親友。
……だけど、心の高ぶりは静められない。好きという気持ちは止められない。
「今年もよろしくなっ」
「うん。よろしくね」
にっこりとしてくれた浩介にますます気持ちが上がっていく。
「んーと、予定通り鶴岡八幡宮?」
「うんうん。その後、海行きたい!」
「海? 由比ガ浜?」
「そうそう♪」
初詣の後、海! まるでデートだ~♪
………ああ、だめだ。おれ、久しぶりだからか、おかしくなってる……。
その後、浩介のお母さんが現れた。文化祭の時に遠くからチラッと見たけれど、話したのははじめてだ。ちょっと浩介に似ている。
普段の話しぶりや、今の様子を見ても、浩介は母親とうまくいってないって感じがする。あまり触れない方がいいかな、と思って、話をそらしてから、
「じゃ、行こうぜっ」
「うん」
切符を買って改札に向かおうとしたところ、
「!」
浩介の手がおれの背中に触れた。
うわ………
そこから温もりが伝わってくる。愛しいぬくもり。
振り返って、笑いかけると、浩介も微笑み返してくれた。
新年早々、おれ………幸せ過ぎるー!!
----------------------------------------
お読みくださりありがとうございました!
明けましておめでとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
ということで、高校一年生のお正月。
慶は恋心自覚してまだ2ヶ月なので、好き好きモード全開です。可愛いです。
浩介と慶、慶の方が背が低いし中性的な顔をしてますが、浩介は慶が女扱いされるのをものすごく嫌がります。
本人、慶のことを「可愛い」と思ったり言ったりしますが、それは単純に「可愛い」ということであり、「女の子みたいで可愛い」という意味ではありません。
浩介にとって慶は永遠の「憧れの人」です。かっこよくて男らしくて、こうありたかった自分の姿でもあります。
この続き、初詣&海、の話は明後日3日に更新予定です♪
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1月3日。渋谷と初詣にいく約束の日。
渋谷と会うのは12月28日の部活の帰りが最後だから少し久しぶりだ。
おれのうちと渋谷のうちの最寄り駅は隣なので、ホームで待ち合わせしていたはずなのに、
「こーすけー!」
駅に向かう人道橋をおりている途中で、聞き覚えのありすぎる涼やかな声が聞こえてきた。見ると、駅の切符売り場の前あたりに渋谷がいる。
「しぶ………」
渋谷、と言いかけて飲みこむ。違う違う。今度渋谷と呼んだら腕立てって言われてるんだった。
「けいー?」
「おー」
すごい。まぶしい。その笑顔。久しぶりだから余計に目が慣れない。
道行く人もチラチラみている。そりゃそうだ。渋谷は芸能人ばりの美貌とオーラの持ち主なのだ。
「どうしたのー?待ち合わせホームでって……」
「ちょっと運動不足だったからここまで走ってきたー」
「走って……」
渋谷の家からだと2キロくらいか。そのくらいの距離じゃ、なんてこともないのだろう。全然涼しい顔をしている。
紺のダッフルコートに白い大きめのマフラーをグルグルに巻いた姿は、一瞬ショートカットの女の子にも見える。……なんてこと言ったら怒られるから絶対言えないけど。
「浩介♪」
目の前までくると、渋谷はにーっこりと笑っておれを見上げた。
「あけましておめでとー」
なんだなんだ。渋谷、めちゃめちゃ機嫌がいい。ニコニコだ。キラキラオーラが眩しすぎて直視できない。それを誤魔化すためにわざと深々と頭をさげる。
「あけましておめでとうございます」
「今年もよろしくなっ」
「うん。よろしくね」
顔をあげてもう一度渋谷の顔を見る。うわ……やっぱりキラキラすぎる。直視できない。しょうがないので、切符の料金表に目を移す。
「んーと、予定通り鶴岡八幡宮?」
「うんうん。その後、海行きたい!」
「海? 由比ガ浜?」
「そうそう♪」
渋谷が機嫌よく「切符どこまで買えばいいんだ~?」といっているのを、横目でみる。幸せな気持ちが押し寄せてくる。
(こんなキラキラな人が、おれの『親友』……)
心が温かい。
「鎌倉だから、えーと……」
「横浜乗換でー……」
二人で並んで線路図を指さしながら駅を探していたところ……
「浩介!」
「!」
ビクッと跳ね上がってしまった。この声……
ゆっくりと振り返ると……
「お……かあさん」
なぜか母が……母が青い顔をして立っていた。ぶるぶると震えている。
なんでこんなところに……
「浩介……っ、あなた友達と出かけるって言ってたのに……っ」
「お母さん!?」
「え?」
渋谷がきょとん、と振り返った。
「お母さん?」
「あ、う……」
「ちょっと、あなた……っ」
まずいっ。母が暴走する……っ
「浩介とはどういう……っ」
母がすごい勢いで渋谷に詰め寄りかけた……けれども。
「あ、はじめまして!」
まったく動じず、渋谷がニッコリと母に笑いかけた。その爆発的な笑顔にこの母が言葉を止めた。すごい。渋谷はにこにこと続ける。
「浩介君と同じ学校の、渋谷です。いつも仲良くしてもらってます」
「………あなた」
母がマジマジと渋谷を見て……
「男の子、なの?」
「え」
「お母さん!!」
失礼すぎる!!
あわてて渋谷と母の間に割って入って、強めの口調で母を制する。
「お母さん、何か用ですか!? 僕たちこれから出掛けるので……っ」
「……あらそう」
母はマジマジと渋谷を見ていたけれど、納得したのか急に作りものの笑顔を浮かべはじめた。
「渋谷君、って言ったかしら?」
「はい」
渋谷が笑顔のまま肯いてくれている。
「浩介は学校ではどうかしら? みんなと仲良くして……」
「お母さん、そういうのやめてください」
ホントこの人どうにかしてほしい。
「だって、あなた学校でのこと何も話してくれないから」
「だから……」
「こんなかわいらしいお友達がいたなんて、お母さん全然知らなかったし」
「お母さん!」
男子相手にかわいらしいなんて失礼すぎる!渋谷がどう思うか……っ。
でも渋谷はにっこりと、
「浩介君は友達も多いし、先生からの信頼も厚いし、僕もいつも助けてもらってます」
「あら、そう?」
途端に嬉しそうな顔になった母。ホント単純だよな、この人………。そんなのただのお世辞だってのに……
「渋谷君、今度是非うちに遊びにきてね?」
「ありがとうございます♪ 是非」
渋谷が終始ニコニコしていたおかげか、母は満足したようにうなずくと、
「それじゃ、気をつけてね」
作り物の笑顔のまま、人道橋の方へ歩いていった。そっちに行ったら家に帰るだけだ。
(おれのあとをつけてきたんだ……)
ゾッとする。買い物のついでに見た、とかでもなんでもなく、ただ、おれが誰と出かけるのかチェックしに来たということか。遠目からみて、渋谷が女の子だと思って慌てて止めにきたんだな………
(ホントいい加減にしてほしい………何が何も話してくれない、だ。あんたに話したらこういう風に何しでかすか分かんないから話さないんだよっ)
心の中で口汚く罵っていたのだが、
「あ、鎌倉あった!」
「え」
渋谷の声に我に返った。母の失礼な発言の後にも関わらず、渋谷は機嫌の良いままだ。
「結構電車代かかるんだな~。でも大丈夫! おれ今日、おっ金っ持ち~♪」
「あ、そうなの?」
「京都のばあちゃんちを拠点に親戚回りしまくったからお年玉たっぷりなんだ~」
「………」
それで機嫌が良いのかな?
「じゃ、行こうぜっ」
「うん」
渋谷のキラキラで、膨らんでいた母への憎悪が沈まっていく。
(せっかく渋谷と一緒に出かけるんだ。嫌なことは忘れて楽しまないと)
渋谷の背中にそっと触れると、振り返った渋谷がこれでもかというくらいのキラキラな笑顔を向けてくれた。
******
<慶視点>
久しぶりに浩介に会えると思ったら気持ちが高ぶりすぎて落ちつかなかったので、早めに家を出て、浩介の家の最寄りの駅で待つことにした。
待ち合わせの時間まであと30分。隣の駅なのに降りたことがなかったので、もの珍しくてキョロキョロしてしまう。
浩介は中学まで都内の学校に通っていたらしい。ということは、中学まではこの駅を毎日使っていたということになる。
(中学生の浩介……)
どんな生徒だったのかな……。中学生の浩介が駅に向かっていくところを想像していたら楽しくなってきた。
おれの知らない浩介……どんな風だったんだろう……あの橋の階段を下りてたのかな……と思っていたら、本人が下りてきた。
(わ)
久しぶりの浩介。心の中にふわ~と温かいものが広がっていく。
「こーすけー!」
大声で呼ぶと、浩介はビックリした顔をしてこちらに向かって手をあげた。
「けいー?」
「おー」
けいー? だって。きゅううっと胸が締め付けられる。けど、
(いかんいかん)
自分を戒める。こんな好き好き全開ではだめだ。おれ達は親友。ただの親友。
……だけど、心の高ぶりは静められない。好きという気持ちは止められない。
「今年もよろしくなっ」
「うん。よろしくね」
にっこりとしてくれた浩介にますます気持ちが上がっていく。
「んーと、予定通り鶴岡八幡宮?」
「うんうん。その後、海行きたい!」
「海? 由比ガ浜?」
「そうそう♪」
初詣の後、海! まるでデートだ~♪
………ああ、だめだ。おれ、久しぶりだからか、おかしくなってる……。
その後、浩介のお母さんが現れた。文化祭の時に遠くからチラッと見たけれど、話したのははじめてだ。ちょっと浩介に似ている。
普段の話しぶりや、今の様子を見ても、浩介は母親とうまくいってないって感じがする。あまり触れない方がいいかな、と思って、話をそらしてから、
「じゃ、行こうぜっ」
「うん」
切符を買って改札に向かおうとしたところ、
「!」
浩介の手がおれの背中に触れた。
うわ………
そこから温もりが伝わってくる。愛しいぬくもり。
振り返って、笑いかけると、浩介も微笑み返してくれた。
新年早々、おれ………幸せ過ぎるー!!
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お読みくださりありがとうございました!
明けましておめでとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
ということで、高校一年生のお正月。
慶は恋心自覚してまだ2ヶ月なので、好き好きモード全開です。可愛いです。
浩介と慶、慶の方が背が低いし中性的な顔をしてますが、浩介は慶が女扱いされるのをものすごく嫌がります。
本人、慶のことを「可愛い」と思ったり言ったりしますが、それは単純に「可愛い」ということであり、「女の子みたいで可愛い」という意味ではありません。
浩介にとって慶は永遠の「憧れの人」です。かっこよくて男らしくて、こうありたかった自分の姿でもあります。
この続き、初詣&海、の話は明後日3日に更新予定です♪
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